TALKING JAZZ 関西若手ミュージシャンが語る、ジャズへの熱い想い。

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[vol.3] 座談会「Jazzとは? Part3」。大竹亜矢子×木原鮎子×矢藤亜沙巳×横山未希

プロジェクト「YOUNG BLOOD」に集まった関西若手ジャズミュージシャンたちがジャズについて熱く語る「TALKNG JAZZ」、第3回目も引き続き「ジャズとは?」をテーマに女性ジャズプレイヤー4人に集まっていただきました。テナーサックス奏者の大竹亜矢子さん、ボーカリストの木原鮎子さん、ピアニストの矢藤亜沙巳さん、アルトサックス奏者の横山未希さん。今回はいったいどんな話が飛び出すのか、個性豊かな4人にそれぞれのジャズ観をお伺いしました。

  • 大竹亜矢子
  • 木原鮎子
  • 矢藤亜沙巳
  • 横山未希

——「ジャズに目覚めたきっかけ」について教えてください。

横山
「小学校の頃から吹奏楽を始めてからずっとクラシックをやっていたんですが、中学生に上がって地元の小中学生を集めたビッグバンドに参加したのがきっかけですね。だから聴くよりも演奏が先になっちゃって、最初はコンボ編成の曲を聴いてもワケが分かんなくて(笑)」
大竹
「分かる(笑)。私も最初は全然コンボはピンとこなかったタイプです。横山さんと同じように、私も吹奏楽でクラリネットをやっていたんですけど、大学に入って初めてビッグバンドの演奏を見て、『少人数なのにすごくパワフルだ!』と衝撃を受けたのがジャズに目覚めたきっかけですね。そこからクラリネットに一番近いサックスを始めて…って感じですね。」
矢藤
「私はピアノなので小さい頃から習ってて、小学校高学年ぐらいからポピュラーピアノを習い始めて、そのままそっちの方に進もうと思っていて。なにがきっかけってわけではないんですけど、そのままだんだんジャズの方に傾いていった感じです」
木原
「私は高校生ぐらいのときにボーカルというものに興味を持ってボイストレーニングを受け始めました。その後、クラシックの合唱団に入って声楽を勉強していたんですけど、もっと自由に歌いたいなと思い始めて。そのときは漠然と『ジャズ=自由』というイメージがあったので、ジャズの先生を探したんです。それがきっかけですね」
横山
「みんな聴くよりも演奏が先な人ばっかりですね(笑)」

——「ジャズならではの魅力」を教えて下さい。

木原
「初めて会った人とでも音楽を作ることができるっていうのはすごい魅力だと私は思ってます。本当にその日『初めまして』って出会った人とも音楽ができる。しかも会って話すだけだとすぐには分からないけど、音楽を通じて、『あ、この人ってこんな感じの人なんだ』というのが見えるのがすごく楽しいんですよね」
大竹
「そうですよね。ジャズは本当にコミュニケーションの音楽。他の楽器の方ともそうですし、自分に対してもそう。自分の素を晒さないといけなくて、取り繕ったりできないのは怖い部分でもあるけど、面白い部分でもあると思います。他のことをやっているときよりも、一番自分が見えてくるのがジャズという音楽だなあと思います」
矢藤
「ほんとそうですよね。私はずっとクラシックをやっていたんですけど、本当に全然違う音楽で。クラシックは楽譜通りに演奏するけど、ジャズは楽譜があってないようなもの。同じ曲でも人によって全然違うし、良くも悪くも個性が出る音楽だと思います。あと、これは私が勝手に思ってることなんですけど、指使いとかもわざと変な指使いをしたほうが良い音、みたいな(笑)。クラシックとは弾き方が全然違うと思いますね」
横山
「いやあ、言いたいこと全部言われちゃったな(笑)。や、でも本当に、同じ曲でもメンバーが違ったら全然違う曲になるし、同じ演奏は二度とできないものなので、そのときそのときの演奏がひとつひとつ特別なものになるという感じが魅力ですよね。その一回だけを、一瞬一瞬を楽しむ感じが大好きですね」
矢藤
「ライブは本当に楽しいよね」
横山
「うん、その場のその空気によって違ってくるっていうか、その日その瞬間にならないとどういうふうになるのか分からないっていうのが、スリルというか、独特な感じで演奏する方も観る方も楽しいと思いますね。奇跡的なフレーズが出てきた!みたいなこともあるしね(笑)」

——「それぞれの楽器の魅力」について語ってください。

大竹
「テナーサックスなので、自分の声が出せない音域が出るっていうのが気に入ってますね。自分の声は全然太くないんですけど、楽器だったら自由に出せるっていうのがなんか嬉しいですね」
横山
「なるほどなあ。私は本当は歌が上手かったら歌を歌ってたと思うんですよ。でも残念ながらあんまり上手くないので、自分の歌を伝える手段としてサックスがあるっていう感じなんですね。それしかできないとも言うんですけど(笑)。大竹さんとは逆で、アルトは私の声の音域にすごく近いので、それが本当に自分が歌う感覚と似ていて演りやすいんです。だからもうサックスは相方っていう感じですね」
大竹
「空気を振動させるので、本当に代わりに歌ってくれてる感じがしますよね。自分の分身というか」
木原
「この流れだと私がすごく歌が上手いみたいな感じになっちゃいますけど(笑)。ボーカルはやっぱり歌詞を伝えられる魅力、強みですよね。歌詞の内容すべてを経験したことがあるわけではないので、いかに詞の世界観に入り込むかという感じにはなるんですけど、そういう気持ちをダイレクトに伝えられるというのは歌だけなので、それは大きな魅力だと思います」
矢藤
「ピアノは他の楽器と比べると一人でできるのが魅力かなあ。一人ででもできるし、アンサンブルもできるし、そのときの編成によって自分の役割が変わってくるというのが面白いところではあります。それで言うとギターも同じなのかな?」

次ページへ続く)

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