(前ページからの続き)
——「効果的な練習方法」を教えてください。
- 「それは毎日やることですよ(笑)」
- 「そうそう、筋トレみたいなもんですからね(笑)。基礎練はおろそかにしないことは絶対です。ベースはポジションがいろいろあるんですけど、ローポジションにこだわったりしないで、すべてのポジションをまんべんなく練習して、弱い部分を作らないようにしてますね」
- 「あ、あとピッチ取る練習は指より弓の方がいいですね」
- 「ですね。そういえば、『楽器を好きになれ』って魚谷さんに言われたことが印象に残ってます。俺はお前より楽器が好きな自信がある。腕とか関係なく、楽器を好きになれと言われました。そうすると自然と練習も好きなれるし、自分以外のベーシストにも興味が出てくるようになるっていう。その言葉って本当に深くて、今斎藤さんや中村さんが言ったようなスケール練習とかって本当に地味で、誰もが好きじゃないはずなんですけど、楽器が好きになれば苦じゃなくなるんですよね」
- 「あと、リスニングも大事ですよね。ベースやってるとついリズム隊ばっかり聴きがちですが、他の楽器もちゃんと聴いた方がいいです。コピーするにしても、僕はサックスやトランペットのコピーをしたりしてます。そうするとフロントが何をやってるかっていうのが分かるんですよね。そうすると自分がどんなアプローチをすればいいのか自ずと分かってくるんでオススメです」
- 「で、最終的に一番オススメなのは上手い人と一緒に演奏することですね。上手い人とやる機会は大事にしてください」
——「学生時代にやってて良かった!やれば良かった!」と思うことは?
- 「月並みですけど、海外旅行とかは学生のうちに行ってる方がいいと思いますね。社会人になると、なんだかんだ時間が取れなくなるので」
- 「そう、だから僕はそうしてきて良かったって思ってます(笑)。本当に学生時代にあらゆる遊びをしてきたので。そのなかで、大学4回生のときにフランスに1ヶ月ぐらいフラッと行ったことがありまして、そのときにジャズを観たのも、ジャズやろうって思ったきっかけのひとつですから。実際海外で外国人が音楽を演奏している姿を見るとすごく衝撃を受けると思うので、外に出てみるのはいいことだと思いますね」
- 「やれば良かった、は本当今更ですけど、学生時代からもっとコントラバスやってれば良かったなあっていう…(笑)」
- 「あー思いますね、それ(笑)。ジャズ科とか専門の先生に教えてもらえるとか羨ましいですよね。まあ、いろんな方面から狭まって、今ベースを弾いてると思ったらそれはそれで後悔はないですけど」
- 「学生時代からやりたいと思うことは本当に積極的にやっていった方がいいですね。セッションとか飛び込むのも勇気だと思いますよ」
——学生プレイヤーの皆さんへ一言!
- 「…頑張れ?」
- 「まあ、そうですよね(笑)」
- 「うん、でもどういうジャンルの音楽であれ、その音楽をずっと好きでいることが大事だと思いますね。練習方法の話のときにも出ましたけど、好きだから練習もできるし、好きだから続けたいと思うわけですし。好きでいられればいい音楽が生まれると思います」
- 「そうですね、いい音楽をいつまでもやっていこうと思って活動していきたいですね。僕はあんまりプロとアマチュアという線引きは必要ないと思ってるので、とりあえずいい音楽ができればそれでいいんじゃないでしょうか。続けることが大事だと思います」
- 「そうですね…楽器も大事だけど、最終的には人間的な魅力を磨くのが大事だと思います。楽器を演奏するにあたって、自分の人間性ってものすごく出てくるんですよね。だから、普段から自分磨きは大事かなと思いますね。総合的に」
(Fine)