TALKING JAZZ 関西若手ミュージシャンが語る、ジャズへの熱い想い。

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[vol.5] 座談会「ドラムについて」。鳥垣優羽×中野圭人×中道みさき×水上洋

プロジェクト「YOUNG BLOOD」に集まった関西若手ジャズミュージシャンたちがジャズについて熱く語る「TALKNG JAZZ」、第5回目のテーマは「ドラムについて」。集まってくださったのは鳥垣優羽さん、中野圭人さん、中道みさきさん、水上洋さんの4人のドラマーの方々。プロドラマーを目指す方には後半の「練習方法」や「お手入れ方法」は必読の価値あり。リズムの要、ドラマーだからこそのさまざまな経験をお話いただきました。

  • 鳥垣優羽
  • 中野圭人
  • 中道みさき
  • 水上洋

上原ひろみさんの演奏を聴いて、ジャズってすごいなあと思って始めたのがきっかけです。

——「ジャズに目覚めたきっかけ」について教えてください。

水上
「ジャズ聴いたら目覚めたというシンプルな感じですけどね。もともと吹奏楽をやっていた流れでドラムセットにいって、回りが聴いていないジャズを聴いたら目覚めた…という感じですけど。みんなそんな感じじゃないんですかね?」
中野
「バッサリやなあ…(笑)」
水上
「まあでも、クラブからっていうのは多いんじゃない?クラブちゃうかった?」
中野
「僕は高校のときにバンドをやってて、まあロックやったんですけど。その終わりぐらいにもうちょっと楽器が中心になる音楽がいいなって思って、最初はフュージョン系を聴き始めて。で、大学入ってどうしよっかなーって思ってるときにジャズのサークルがあって、みんな上手いし、ここにいたらもっと上手くなれるかなあっていう感じで。まあそんな真剣な感じではなかったですよ」
水上
「そもそもなんでドラムやった?」
中野
「うーん、中学から高校に上がるときになんか特技ないとヤバイなと思って、楽器やろうと思って始めたのがドラムだったんですよね。で、習いに行って。だからバンド組んだのも1年後ぐらいやったかなあ」
鳥垣
「それは珍しいね」
中野
「最初レッチリとかやりましたよ(笑)」
水上
「えー、普通バンドって、レッチリ好きが集まってから『じゃあお前ドラムな!』みたいなパターンが多いんじゃないの?」
中野
「ねえ(笑)。まあ、元々祭りとかの太鼓の音も好きでしたし」
鳥垣
「私は14歳ぐらいのときに、レッスンで『ジャズやりたいだろ?』って師匠に言われて」
中道
「ええ?」
鳥垣
「ええ(笑)。でも師匠が言うから、『はい』って言うしかないんで(笑)。それでよく分からないままにパターンとか教えてもらって、セッションとか行ってる間に知らず知らずのうちにのめり込んでしまった…みたいな感じですね」
中道
「私は急に始めたんで…10歳ぐらいかな。上原ひろみさんの演奏を聴いて、ジャズってすごいなあと思って始めたのがきっかけですね」
水上
「何歳のとき?」
中道
「それは…12歳ぐらいのときです」
中野
「早いなあ。でもちっちゃい頃からエレクトーンとかやってたよね。なんでドラムに目覚めたん?」
中道
「エレクトーンとかピアノは…10年ぐらいやったんですけど、まったく合わなくて。あんまり自分に合わないなあと思って…うーん、ダメでしたね。だからと言ってドラムを始めたのとピアノはあんまり関連性はないですね」

僕が一番魅力やなって思ってるのは唯一景色が変えられる楽器ってところですかね。

——「それぞれの楽器の魅力」について語ってください。

中野
「叩いたら音がなる?パンってやったら音鳴ったー!みたいな。あとはまあリズムが好きなんでしょうね」
水上
「まあね!リズムが好きじゃなかったら、たぶんドラムはやってないよね(笑)」
鳥垣
「うーん、音が好きなんですかね~。あと、猫が走っても音が鳴るとか、単純な楽器なので(笑)。まあ同じですよね」
水上
「ドラムっていう楽器はすごくシンプルなのが魅力だと思いますね。叩いたら鳴るっていうのもそうだし、シンプルが故にタッチ一つで音が素直に変わりますしね。あ、でも僕が一番魅力やなって思ってるのは唯一景色が変えられる楽器ってところですかね」
全員
「おお~」
中野
「そうかあ…流石ですね。それは思いつかなかったです(笑)。そこまで僕まだ音楽に意識がいってないのかなあ」
中道
「そうですね。皆さんが言ってるとおりだと思います」

演奏しながら、頭の片隅で違う変化を起こすタイミングみたいなところを探してますね。

——「ステージの上で心掛けていること」を教えてください。

鳥垣
「何をやったら面白いか、とか考えてますけどね。何をやったら次の展開が面白くなるかな、刺激的かなとか考えたりはしますね。まあできないこともありますけど(笑)。演奏しながら、頭の片隅で違う変化を起こすタイミングみたいなところを探してますね。みんなで面白いことができたら楽しいじゃないですか」
水上
「一人でやってるわけじゃないから、みんなの話を聞いて、みんなで作っていけるようにというのは考えてますね。今話してても、みんなのことを見ながら話すじゃないですか。『今静かだな、じゃあ俺が喋ろうか』とか『今こいつが話してるから聞こう』というのと同じことをやってるだけなんですよね。でも、音楽になったら急にそれを忘れる人も多くて、そうならないように気をつけているという部分はありますよね」
中野
「ええ、それでしかないですよ」
水上
「ええ~(笑)?」
中野
「いやまったくそのとおりですよ。本当にそれでしかない(笑)」
水上
「まあ本当にね(笑)。お客さんが何を求めてるかっていうのも会話の中のひとつで、例えば今話している対談でも、誰がどんなふうな内容を読みたいのかって考えた時に、その対象が変われば話す内容も変わってくるわけですからね。音楽も一緒だと思うので、一緒に演奏する相手の考えること、お客さんの考えることをちゃんと考えて演奏するというのは心掛けないといけないことだなと思います」
中道
「私はお客さんに格好良いなと思われる演奏をしたいと思ってますね」
中野
「格好良いと思ってはもらいたいですよね、確かに」
水上
「圭人、何も言ってないなあ(笑)」

次ページへ続く)

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