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ジャズピープル

新しいジャズへの挑戦。
神戸発アカペラでジャズを。

神戸を代表する女性6人組ヴォーカルグループ「クイーンズ・ティアーズ・ハニー/Queen’s Tears Honey」。ジャズの名曲をアカペラでカバーしたアルバム「フロムコウベ」を発売。アカペラでジャズという新しいスタイルに挑戦しています。"ジャズの街"神戸を拠点に活動する彼女たちだからできることです。同グループリーダーであるHARUさんに、ご自身のこれまでのことやグループのこと、ジャズアルバム制作のお話など様々なことをお伺いました。

person

HARU

兵庫県三木市出身。幼少の頃に詩吟を通じて音楽に出会う。父親の影響でサックスを始め、学生時代をサックスに捧げる。その後、アカペラグループ音卵(おんたま)に出会い、ヴォーカルグループの道へ。現在は神戸の女性アカペラグループQueen’s Tears Honey(愛称Q.T.Honey)7期リーダーであり、リードヴォーカルを担当。グループで手掛ける音楽のすべてを彼女が編曲。

interview

interview

詩吟からサックスまで。音楽に囲まれて。

── 歌を始めたきっかけは、何だったのでしょうか?

歌に出会ったのは3歳のころなんです。歌といっても実は詩吟だったんですが。近所に詩吟の先生がいらして、誘われて見に行ったのがきっかです。親に”やってみたい”と言ったところ、発声にもいいということでやらせてもらうことから始まりました。

── ずっと詩吟を?

詩吟は、子供のころ、習字やそろばんを習う感覚でやっていました。今になって思うと、”やりたい“と言ったことをやらせてくれた親にはとても感謝しています。実は父親はサックスをやっていて、母もトロンボーンをやっていた音楽一家だったんです。なので子供のころから家ではオールディーズの音楽やジャズが自然と流れていましたし、父親が右側の鍵盤を、私が左側の鍵盤を弾き、二人で”ダイアナ”の曲を連弾したりしていました。

── すごい音楽一家だったのですね。では自然とHARUさんも何か楽器をされたのですか?

中学生になるくらい、父親がどうしても私にサックスをやって欲しかったみたいで、勧められてサックスを始めることになりました。いざ始めると、サックスが本当に楽しくて、サックスに夢中になっていました。そのあと、高校に上がるときには、楽器の特待生で推薦してもらい進学することができました。高校の時もサックスに情熱を注いでいましたね。吹奏楽と社会人の楽団にも参加していました。大人と一緒にできたことはとても刺激でした。見て学ぶことの大切さを体感しました。

── 今もサックスは吹かれますか?

今は全然やらないです(笑)。いい楽器を買ったんですけどね。今は冬眠中ですね。今は、その代わり楽器が”声”になったのですが。高校卒業後は音楽大学に進学したかったのですが、色々と事情もあったので、いったん進学をあきらめました。ただ、音楽をあきらめたわけではなく、まずしっかり貯金をして、自分の好きな音楽をやろうと心に決めていました。もちろん働く傍らで、サックスを続けていました。

サックスからヴォーカルという楽器に。

── サックスをずいぶんされていたのは分かりましたが、ヴォーカルを始めたきっかけは?

私は兵庫県の三木市出身でして、夜に山奥に車で行って、サックスの練習をしていたんですね。そこで、アカペラグループが練習しているところに偶然、出会ったんです。アマチュアで男性5人組のアカペラグループです。彼らが唄っている声にとても惹かれてしまって。でもその山奥で出会ったアカペラグループは本当に楽しそうにやっているのが印象的で、本当に”いいなー”と思っていました。ただ、歌に自信があったわけでなかったので、少し照れもあって、サックスをやっていました。なので、そのグループとはサックスで参加する形で交流していました。そのあと、メンバーの何人かが就職などで参加できなくなったのがきっかけで、そのメンバーに参加するようになりました。そこからアカペラを始めるようになりました。その出会いがなかったら、私はヴォーカルをやっていなかったかもしれません。そのグループは”音卵”(おんたま)というグループ名でした。

── ジャズをやろうと思ったのは?

三木市に“ベイシー”と言うジャズのお店が有り、そのお店との出会いがきっかけです。マスターがとてもオープンな方で、『ジャズだけで無く、みんなで一緒にやろう!』と、様々なジャンルの音楽家を集めた“音祭”というイベントを年に一回開催されていました。そのイベントには音卵も何度か出演させていただきました。ポピュラーソングを唄っていたので、ジャズとは少し遠い存在だったのですが。マスターが”君らは若いから応援したい!“と言ってくださって。その後も、マスターから”君は華があるから、立っているだけでいいからセッションにおいで”と何度も誘ってくださったんです。そこからちょっとずつジャズのことを教えてもらいました。残念ながらマスターは今年亡くなられたのですが、ベイシーはママさんやマスターにお世話になった皆で支えられ、今も営業しています。セッションはサックスと歌と両方で参加していました。

── プロになろうというきっかけは?

音卵(おんたま)で活動していた時、同じ事務所の”宝船”のオープニングで唄ってみない?と誘われ、”本気で唄をやってみたら?“と事務所の社長に言われたのが大きなきっかけですね。そこで事務所に所属して、ヴォーカルを本格的に練習しながら、月に1回ステージに立って研修期間を経て、今のグループに参加するようになっていきます。

アカペラジャズ。新しいジャズへの挑戦。


── つい、先日発売されたものは、アカペラでジャズという珍しいものだと思いますが。その経緯など教えていただけますか?

カバーする楽曲のアレンジは全て私がやっています。楽曲選びはイメージを大切にしていて、いろんなアーティストの方がアレンジして唄っている楽曲で、”これは声でやったらいける!“など、ライブをやった時を常に意識して楽曲を選びます。CDで聴いていていい曲とライブでいい曲は違うと思っています。私たちはライブがメインのグループです。ライブを見て”良かった”と思ってもらってCDを買って帰ってもらえるのが一番うれしいですね。ライブとCDでは表現する世界観とは全く違うものですよね。年間200回もライブをやるので、今でもアカペラを聴いたお客さんから、”伴奏があるものだと思ってた”とか“カラオケじゃないの?”と言われることがあります。人の声だけで、一人ひとりが違う音をやっているので、ソロを聴いてもらったり、特に女性で低い声を出すというのはとても難しいことだったりするので、ベース担当のメンバーがライブでは音階を丁寧に説明しますね。

── 今後もジャズを続けていかれますか?

リクエストも多くて、引き続きチャレンジしてい行こうとは思っています。ジャズ企画ライブをすると多くのお客さんにお越しいただき、好評いただいています。ジャズというだけでなく、聴きにきてくださったお客さんからのリクエストだったり、曲に想い入れをもっている方が喜んでくださるのが私たちも一番うれしいです。特にジャズの名曲には想い入れの強い方がたくさんいらっしゃいます。これまでは、お客さんのそういう想いを壊したくないと思っていたので、避けていました。でも、敢えて難しいことにチャレンジして、お客さんの期待に応えてこそもっと感動してもらえるのではないかということで、演奏にチャレンジするようになっています。でも、そのおかげか、お客さんとの距離がぐっと縮まったように思います。レコードやCDがあったりするので、いつでも聴こうと思えば聴けると思うのですが、“あなたたちの唄声で聴くのが一番いい”と言ってくださるお客様もいて、それは本当にうれしかったですね。

── 印象に残っているステージはありますか?

5泊6日で神戸―小笠原諸島を結ぶ観光船での出演でのお仕事があったのですが、夜のショーをマジシャンの方と交代で担当するものでした。6日間同じお客さんとずっと一緒だったので、お客さんに退屈してもらわないよう、最後の日はみんなで歌を唄いませんかと提案したんです。そうしたら350名くらい乗船されていたんですけど、半分くらいの方が参加してくれて。全員で声を出すと、それはとても感動的でした。“人の声”ってすごいんだなと改めて感心しました。毎週木曜日は必ず神戸に帰って来て演奏をやるんです。地元である神戸で同じところで同じお客さんに向かってやることになるので、自分たちの技術や音楽の幅を広げていかないと飽きられてしまいます。ですので、お客さんが喜んでくれる何かを追求しています。良かったことは、全国での公演に還元していくようにしています。

── 今後やってみたいことはありますか?

今後、海外での公演をやってみたいです。是非、日本の文化の良さをアカペラで伝えていけたらいいなと思います。例えば、日本の民謡をボサノヴァアレンジしたものなんかをライブでやったりもしているので、そういうものを聴いてもらいたいですね。また、初めてライブレコーディングをしたアルバム“ジュークボックス~ライブフロムコウベ~”を8月か9月初旬にリリースする予定ですので、是非聴いてもらえるとうれしいです。

information

[ RECCOMEND MOVIE ]

『テネシーワルツ』Queen's Tears Honey(クイーンズティアーズハニー)

『テネシーワルツ(生声)』Queen's Tears Honey(クイーンズティアーズハニー)

『恋のフーガ(生声)』Queen's Tears Honey(クイーンズティアーズハニー)ザ・ピーナッツCOVER


[ クイーンズ・ティアーズ・ハニー/Queen’s Tears Honey ]


About
神戸を代表する女性6人組アカペラヴォーカルグループ。1998年に結成。現在は第7期を迎える。毎週木曜午後8時から神戸・三宮のライブハウス「キャッシュボックス」に出演。

Member
Lead Vo. HARU ―ハルー
Lead Vo. MAH ―マー
Alt. Olga ―オルガー
Soprano. Choco ―チョコー
Voice Percussion Juno ―ジュノー
Bass Vo. Barley ―バーリーー



[ ライブ情報 ]※詳細はwebにてご確認ください。

Regular Live 三宮 CASHBOX
日時:毎週木曜日 19:30開場/20:00開演 7月は7/13・7/20・7/26
料金:4,000円(2drink付もしくは1drink&チャーム付)
ご予約・お問い合わせ:Nest事務所・メンバーにて随時受付中!! 078-271-1651[平日11時~19時]
 ※予約受付順に座席決定


広島cafe Jive
日時:7月29日(土)18:30開場/19:00開演
料金:前売3,000円 当日3,500円 (1drink別)自由席
ご予約・お問い合わせ:Nest事務所・メンバーにて予約受付中!!078-271-1651[平日11時~19時]
 ※当日お越し頂いた方順のご入場  住所:広島市中区薬研堀2-13


名古屋パラダイスカフェ21
日時:8月19日(土) 12:30開場/13:00開演
料金:前売3,000円 当日3,500円(1drink別)自由席
ご予約・お問い合わせ:7/18(火)お昼12時よりNest事務所・メンバーにて予約受付開始!! 078-271-1651[平日11時~19時]
 ※ご予約受付順の入場となります 住所:名古屋市千種区今池1-8-5


S.O.Ra Fukuoka
日時:9月3日(木) 11:30開場/12:00開演
料金:前売3,000円 当日3,500円(1drink別)自由席
ご予約・お問い合わせ:8/3(木)お昼12時よりNest事務所・メンバーにて予約受付開始!! 078-271-1651[平日11時~19時]
 ※当日お越しいただいた方順の入場となります 住所:福岡市博多区中洲3-7-24 Gate'sビル7F


長野 Party & Dinig BOSSA
日時:9月17日(日) 15:00開場/15:30開演
料金:一般3,000円 中学高校生2,000円 小学生1,000円 (1drink別)自由席 
 ☆昼夜セット料金(一般のみ)5,000円 (各1drink別)
ご予約・お問い合わせ:7/18(火)お昼12時よりNest事務所・メンバーにて予約受付開始!! 078-271-1651[平日11時~19時]
 ※お越し頂いた方順の入場となります 住所:長野県長野市南石堂町1423-2 電話026-229-5130
 ☆夜の公演は同じ事務所の男性アカペラグループthe XAVYELLSとなります


[ リリース ]

2017/4/9  Queen's Tears Honey「fromKobe」
1.I Got Rhythm Lead:HARU Artist:Standard Number
2.Perfidia Lead:HARU Artist:Standard Number
3.Sing Sing Sing Lead:MAH Artist:Standard Number
4.想い出のサンフランシスコ Lead:MAH Artist:Standard Number
5.In the mood Lead:MAH Artist:Standard Number
6.Night And Day Lead:MAH Artist:Standard Number
7.魅惑のワルツ Lead:HARU Artist:美空ひばり
8.港が見える丘 Lead:MAH Artist:ちあきなおみ
9.Amapola Lead:Olga Artist:雪村いづみ
10.スマイル Lead:All Artist:Standard Number