「現代は、音楽が音楽だけとしてはなかなか楽しまれにくくなっているような気がするんですね。
だからこそ音楽のジャンルを越え、違うジャンルのエンターテイメント、例えばダンスとのコラボレーションを考えなきゃいけないんじゃないかと思うんです。そしてそのことが音楽そのものにも、何か新しい命を吹き込んでくれるんじゃないかと考えています。
だから去年、そして今秋のJAZZ ON CINEMAも、単に『映画音楽をジャズアレンジでやりました』ではつまらない。そんなうわべだけのことじゃなく、やるからには映画が輝いていたあの時代、映画音楽が輝いていたあの時代のアメリカの空気を彷彿とさせるようなものをやりたいと思っています。ほら、やっとテレビに色がついて来たあの頃ですよ(笑)。
不思議なんですが、神戸という街でやることにも意味があるんじゃないかと。
僕は神戸出身なんですが、それまできちんとしたライブを神戸ではやったことがなかったんです。ところが、去年のJAZZ ON CINEMAをやって以降、パタパタと4回くらいかな、立て続けに神戸でライブをする機会ができたんですね。きっと機が熟す…というようなことが本当にあるんでしょうね」
「クリヤ・マコト・トリオは、基本的にはゲストが入れないくらい完結度の高いバンドだと思っているんですが、去年のケイコ・リーさんとの共演もとても喜んでいただけました。今回カズ(熊谷)やマリカ(平賀)は、僕たちの本拠地である目黒Blues Alley Japanで何度も一緒にやっている古い仲間。そんな仲間との新しい試みが、なにかいいケミストリー(化学変化)につながるんじゃないか、と僕自身楽しみにしています」 |