白熱のインタープレイ
ジャズピアニスト・細川千尋
2018年9月28日に大阪ザ・シンフォニーホールで「CLASSIC×JAZZ」をテーマにしたコンサートを開催されるピアニストの細川千尋さん。幼い頃からクラシックピアノを学び、現在はジャズピアニストとして活躍される細川さんに、今回のコンサートの見どころを中心にお話をうかがいました。
細川千尋
富山県出身。昭和音楽大学大学院修了。現在は昭和音楽大学付属ピアノアートアカデミーに在籍。江口文子氏に指示。 数々の賞を受賞し、2013年にはスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバル・ピアノソロ・コンペディションにて日本人女性初のファイナリストとなる。国内外で幅広いジャンルの演奏活動を行い、クロスオーバーなオリジナル曲とトークも交えたソロピアノコンサートは高い評価を得ている。2014年には全曲ソロピアノ、オリジナル作品のデビューCD「Thanks!」、2016年2月には2ndアルバム「I'm home!」、2017年11月にリリースの「CHIHIRO」では鳥越啓介(ベース)、石川智(ドラム・パーカッション)とトリオを結成。
「子どもの頃からピアノが大好きでした」。ジャンルの垣根を越えたピアニスト。
── 細川さんがジャズを始めたきっかけを教えてください。
細川「大学院まではずっとクラシックをやっていました。でも、昔からクラシックの曲とかですけど、作曲は好きでした。ジャズを始めるきっかけになったのは、私が大学に籍を置いている頃に、ちょうど学校にジャズ科ができて、そこの皆とセッションするようになったのが始まりですね。」
── クラシック一筋だったのですね。ジャズを始めるのに戸惑いはありませんでしたか?
細川「それが結構すんなりと。もちろん違いはありますけど、ピアノを弾くことが大好きだったので、昔からクラシックなのかジャズなのか、自己流なのかよくわからない即興を弾くのも好きで。なので、ジャズにもまったく戸惑うことはなかったです。」
── じゃあ、そこからずっとジャズで。
細川「そうですね。卒業してからはほぼクラシックは弾いてなかったんですけど、秋のサントリーホールでのコンサートは1日目はソロ、2日目はトリオで演奏する予定なので、ソロで久しぶりにクラシックを少し弾きます。トリオの日は、今度のザ・シンフォニーホールでのコンサートと同じ感じでクラシックのジャズアレンジを演奏する予定です。」
── 9月28日に開催されるザ・シンフォニーホールのコンサートは、タイトルがまさに「CLASSIC×JAZZ」ですもんね。細川さんは、ザ・シンフォニーホールでのコンサートは今回で三度目となるそうで。」
細川「そうですね。昨年と今年の2月にやらせていただきました。」
── そのときは大阪交響楽団と一緒に演奏されていますが、どうでしたか?
細川「映画音楽とかジャズ・スタンダード的なものをメインにいろいろやらせていただきました。コンチェルトではないのですが、コンチェルトみたいな感じで。でもほぼほぼ私がステージに出てるのは珍しかったと思います。いい機会で、楽しかったです。」
── オーケストラといえば、ビッグバンドと共演されたことは?
細川「学生のときに何度かやったことはありますが、プロになってからはないです。でも大人数での演奏は楽しいですよね。いわゆる学バンの経験はありませんが、山野(ビッグ・バンド・ジャズ・コンテスト)とかすごく楽しそうで。」
「三人で音で会話するのがすごく楽しい」。トリオでの楽しさと、ソロの楽しさ。
── 細川さんとビッグバンドの共演、是非観てみたいです。で、9月のコンサートはトリオでのご出演ということで、聴きどころを教えてください。
細川「やっぱり『CLASSIC×JAZZ』と名乗ってるだけあって、クラシックの名曲をジャズアレンジしているので、クラシックに馴染みのある方もジャズが好きな方にも楽しんでもらえるものになると思います。特に『パガニーニの主題による“ジャズ”変奏曲』は是非聴いていただきたいです。いろんな人がやってますけど、新しい感じだと思うので。」
── どういったコンサートになるのか楽しみですね。
細川「そうですね…私にもわかりません(笑)。もちろん、思い描くものはあるんですが、いつもだったらこうするなっていうことをあえてしないのもライブの楽しいところなので。鳥越さんと石川さんはもう何度も一緒に演奏しているので、私のあっちいったりこっちいったりという性格もだいぶ理解していただいてるので、焦った顔せずに演奏してくださると思います(笑)。」
── スリリングな演奏はジャズの醍醐味ですもんね。
細川「ほんとに。毎回同じじゃ楽しくないですからね。」
── 鳥越さんと石川さんの魅力などを教えてください。
細川「鳥越さんは一見とてもクールなんですけど…クールにお茶目な方です。石川さんはパッと見お茶目なんですよ。で、実際お茶目なんです(笑)。でも、ライブ中に三人で『こう出た』『あ、じゃあこういくね』みたいなことを音で会話するのが最近すごく楽しくて。だから9月も、それまでにも三人で演奏することもあるので、どんなふうになってるのか楽しみですね。」
── バンドになると、セッションとは違った楽しみがありますよね。
細川「本当に楽しいです。私、自分のバンドって学校のときに1、2回だけ自分の名前でやったことはあるんですけど、それからはほぼ一人だったので、すごく楽しいです。それこそ山野じゃないですけど、一緒に作り上げて、いいことも悪いことも一緒に経験して歴史になっていくのかなって思うとすごくいいですね。」
── 言われてみれば、ピアノって一人でも成立する楽器ですもんね。
細川「確かに孤独がちですね。でも、ソロはソロですごく好きな感覚です。一人だと、完全に対お客さんで、他に空気感を後押ししてくれる人がいないので、それを全部自分で持っていかないといけない。全部自分で『よし!』と気合入れるみたいな感覚が、私はすごく好きですね。もちろん、トリオも全力でやってるんですけど、ソロはエネルギーを毛穴という毛穴から全部出す、みたいな感覚で超楽しいですね」
「この三人でもっと演奏したい」。今、この瞬間を楽しむということ。
── いろんなところで演奏されることがあると思いますが、ザ・シンフォニーホールはどうですか?
細川「やっぱりクラシックに特化したホールなだけあって、すごく音の響きがいいです。あと、1700人入るホールなんですけど、そうは思えないような近さがあります。この規模のホールだと、どうしても後ろとの距離感を感じがちなのですが、シンフォニーホールは後ろの方の席の方とも距離を感じることなく演奏できるのが嬉しいです。」
── ライブハウスでの演奏もされますか?
細川「実は最近はあまりなくて、結構大きなところが多いです。でも、もちろん箱に合わせた弾き方はしますけど。でも心持ちは変わらないかな。」
── やっぱり場所によって演奏は変わるものですか?
細川「当然変わりますね。でも、変えようとかこうしようと思うのではなくて、そのとき思ったことをそのときどきで選ぶだけという感じが近いですね。」
── いつも同じ感覚ってことはないですもんね。それにピアノも変わりますもんね。
細川「ああ、それはありますね。最初から仲良くなれるピアノもあれば、最初ちょっと相性悪いなっていうときもあります。でも、ピアニストはピアノを持って運べるわけではにので、リハーサルの時間でできるだけ歩み寄ろうという感じです。私はいろんなピアノを弾くのが好きなので、やっぱりどのライブも楽しみです。それに、家のピアノでばかり練習していると家のピアノ仕様の弾き方になってしまうので、できるだけいろんなピアノを弾きたいという願望もあります。だからちょうどいいですね。」
── 最後になりますが、これからやってみたいことはありますか?
細川「CDは昨年11月に出したので…今、鳥越さんと石川さんと私の三人で演奏することが一番楽しいんです。毎回毎回、それぞれの新しい一面が出てくるので、今はもっと新しい曲をやったり曲を作ったり、この三人でもっと演奏したいっていう気持ちが強いですね。」
── まさに今が一番楽しいというのは素敵なことですね。ザ・シンフォニーホールでのコンサートも楽しみです。今日はどうもありがとうございました。
[ RECOMMEND MOVIE ]
- 【CLASSIC×JAZZ 細川千尋 ジャズライブ プロモーション・ビデオ】
- Pasión/Chihiro Hosokawa
- Summertime/Chihiro Hosokawa(George Gershwin)
[ Live Information ]
- CLASSIC×JAZZ 細川千尋 ジャズライブ
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◆日時
2018年9月28日(金) 19:00 開演
◆出演
[ピアノ]細川千尋、[ベース]鳥越啓介、[ドラム]石川 智
◆会場
ザ・シンフォニーホール
◆料金 全席指定 4,000円
スペシャルシート 5,500円(100席限定/スペシャルシート4,500円+スパークリングワイン1杯つき)
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
◆お問い合わせ
テレビマンユニオン TEL.03-6418-8617
◆チケット購入
ザ・シンフォニー チケットセンター
TEL :06-6453-2333
WEB:http://www.symphonyhall.jp/?post_type=schedule&p=12486
[ Release ]
- 細川千尋ミニアルバム『CHIHIRO』
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- 細川千尋ミニアルバム『CHIHIRO』日本ジャズ界を背負う逸材、細川千尋。自身初となるトリオでの新録音!
1.Holiday (Chihiro Hosokawa )
2.Pasion (Chihiro Hosokawa )
3.Espoir (Chihiro Hosokawa )
4.My little suede shoes (Charlie Parker )
5.Summertime (George Gershwin )
6.Alfie (Burt Bacharach )
細川千尋(ピアノ、作編曲)鳥越啓介(ベース)石川 智(ドラムス、パーカッション)
定価¥2,315(税別)
制作著作/発売元販売元:テレビマンユニオン
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