MINA YAMANO / Vocalist
めざすのは、「おいしい音楽」。
2010年からボーカリストとしてとして活動を開始したばかりの山野ミナさん。自らの目標を「おいしい音楽」という山野さんは今年、ソロ活動に加えて、筒井裕之さん(g)とYu-Maさん(vn)とともにLa Belleというユニットも始動してますます精力的。ライブ直前のリハーサル後、ジャズとの出会い、今後の夢についてうかがいました。
person
ヴォーカリスト
山野ミナさん
大阪生まれ。大阪芸術大学美術学科出身。声楽・ボイストレーニングを杉江斉氏に師事。ミュージカルなどの舞台を経て、2009年にテナーサックス奏者の高見延彦氏に出会い、2010年よりジャズシンガーとして本格的に活動を開始。2011年2月、WBC世界ミニマム級タイトルマッチ井岡一翔vsオーレドン・シッサマーチャイ戦のオープニングで国歌を独唱。
山野ミナ Official Blog
interview
「ジャズ愛」は父ゆずり
そもそものジャズとの出会いはどんなところからだったんですか?
「父がジャズをこよなく愛していて貴重なオリジナル盤レコードのコレクターでしたから、小さな頃から父が聴いていたたくさんのレコードを自然に聴いて育ったんです。ですからジャズは特別な音楽ではなくて、空気のように周囲にある音楽だったんですね。その中でも特に印象に残っているのがヘレン・メリルやリー・コニッツです。
もちろんジャズだけでなく、歌そのものが大好きで、ボーカルトレーニングを受けたりミュージカルの舞台に出演したりするようになりました。その後、いろんな人との出会いもあり、ジャズシンガーとして活動することになりました」
井岡一翔vsオーレドン・シッサマーチャイ戦での「君が代」独唱は大きな経験だったと思うのですが。
「それはもう、ほんとうにものすごい経験でした。12,000人を前にして、しかもアカペラで歌うことになったんですが、もう怖くて怖くて。お話をいただいてからというもの、電車の中でもお風呂の中でも自転車に乗っていても、いつもいつも、常に『君が代』を歌っていました。どんな状態でも歌えるようにと思ってやっていたんですが…、いま思うと、これってかなりキモチワルイですよね(笑)。
その練習が幸いしたのかどうか無事に歌うことができましたが、それから数日は体が緊張を覚えていて震えが止まりませんでした」
山野ミナさんの魅力とは…?
今年から、ソロに加えて「LA Belle」としての活動も開始されたんですね。
「はい。なぜか私、ジャズでもジプシー・スイングとかヨーロッパ系の音楽が好きなんです。好きなアーティストはたくさんいるんですが、たとえばFredrika Stahl、Joanna Pascale、Sara Lazarus、Ce'cile McLorin Salavant、Donna Byrneとか…。みんな大好きなアーティストです。
そんな音楽をよく聴いていたんですが、あるときギターの筒井さんとバイオリンのYu-Maさんがジプシー・スイング系の音楽をやっていて、そこにゲストボーカリストとして招いていただいたんですね。その後ご縁があって、一緒に活動するようになりました」
筒井さんやYu-Maさんから見たミナさんの魅力ってどんなところですか?
筒井さん:「なんというか、彼女の声はとてもピュアな感じなんですね。いわゆるジャズボーカルというのともちょっと違っていて、クセのないとても素直な声なんです。ジャズジャズしてないっていうか」
Yu-Maさん:「そうだね、スレていないっていうかね。それに彼女独特の感性もおもしろい。もちろんルックスも魅力的なんだけど(笑)。いや、でもそれってステージに立つ人の大きな武器のひとつだからとても大切だよね」
最近、オリジナル曲も製作されているとお聞きしましたが?
山野さん:「そうなんです!私、昔からずっと詩を書いていたんですね。いつか歌にできたらいいなあと思っていたんですが、筒井さんが曲を書いてるっていうことを聞いてお願いしてみたらオッケイしていただいて…」
筒井さん:「そう、そんなところでも彼女の感性がよく出ているんです。6曲ほど書いて渡したんですが、『あ、これはクリームシチューの感じ』なんて言って詩をつけてくるんですよ(笑)」
それはおもしろそうですねえ、曲が完成するのがとても楽しみです。
歩き始めたばかりのユニット、見え始めた夢
ジャズシンガーとして活動を始められたばかりですが、これからの夢を聞かせていただけますか?
「私の目標は、『ゴハンがおいしくなるヨーロピアンな曲』なんです!あったかい音楽っていうか…、アメリカのジャズに留まらず、ボサノバやヨーロッパの音楽も取り入れてどんどんおいしい音楽を作っていきたいと思っています。もちろんCDデビューも大きな目標なんですけど(笑)。ユニットでもソロでも、どんどんライブもやりたいです!」
大きな瞳をキラキラと輝かせて夢を語る山野ミナさん。
筒井さん・Yu-Maさんという強力なサポートを得て、これからの活動がますます楽しみです。がんばってください!!
特集「神戸ジャズ文化を彩る人々の魅力」 KOBE Jazz People