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コンサートレポート

神戸ジャズデイ 2017
■2017/4/1(土)・2(日) 神戸文化ホール(神戸市中央区) ほか

レポート

神戸に集まれ!ジャズ好き老若男女!
ジャズで溢れる二日間。

  雲ひとつない青空の下、KOBE JAZZ DAY 4/4(エイプリル フォース)のイベントとして、神戸文化ホールや大倉山公園にて「KOBE JAZZ DAY 2017」が二日間に渡り、開催されました。

 イベントは、「神戸の街でジャズ」「じっくり味わうジャズ」「外で楽しむジャズ」の3つのテーマに分かれており、大倉山公園では神戸自慢の美味しい食事と共に野外ステージのパワフルなジャズ演奏を楽しむことができ、まさに「最高の休日」だったのではないでしょうか。 隣にある大倉山公園と文化ホールは出入り自由。各々がジャズ演奏を好きなように楽しめます。

 神戸文化ホールでは、トランペッターの広瀬未来さんのアレンジと伊丹市立伊丹高等学校吹奏楽部 ICHI☆ITA JAZZ Ensembleの演奏による「神戸市歌」で幕開けとなりました。

 まずは、Japan Student Jazz Festival 2016で兵庫県知事賞を受賞した「ICHI☆ITA JAZZ Ensemble」。多彩なパーカッションを巧みに使い、「Coconut champagne」の陽気なラテンのナンバーなどを披露。通常のビッグバンドよりも少し大編成でありながら、ほぼ毎日の練習で培われたチーム力で、非常にまとまりのあるサウンドを響かせました。

 続いて「神戸ユースジャズオーケストラ」は、2016年10月に結成され、神戸近郊に住むジャズが大好きな中学生・高校生たちによるビッグバンド。このイベントで堂々デビューを果たしました。時には急展開のストーリーをみせる演奏は大人をも「おっ!」と思わせ、ソリスト達も実に印象的でした。

 学生バンドに続き、平均年齢70歳以上で結成された「ロイヤルフラッシュジャズバンド」が登場。伝統的なディキシーランド・ジャズは行進曲のリズムが特徴的であり、バンジョーの刻みはウキウキとした気分になります。とても70歳以上とは思えないほどパワフルな演奏で、会場を沸かせました。

 続いての「モダンタイムスビッグバンド」は、2016年神戸新開地ジャズヴォーカルクイーンコンテストで優勝に輝いた長島雅枝さんをゲストに迎え、正統派のスイングジャズサウンドを演奏。「Shinny Stockings」など、ジャズ独特の大人の色気を感じられるナンバーもあり、バンドのサウンドと長島さんの歌声はまさにピッタリでした。

 さて、後半は大御所ミュージシャンをゲストに迎えたコンボバンドが続きます。「Solid☆One」は、古谷充さんと共に激しいジャズファンクを披露。元々エキゾチックなイメージのある「A Night In Tunisia」が、バンドらしくファンクにアレンジされたりと、小林さんと古谷さんお二人の勢いある演奏が存分に楽しめたステージでした。

 お次は、コード楽器が含まれていない「長谷川朗Trio」に、ギターの竹田一彦さんがコラボしたバンド。長谷川さんの渋い音と哀愁漂う竹田さんの音が特徴的で、メンバーがお互いに仕掛ける即興の遊び心が満載でした。ちなみに、長谷川さんが経営をしている谷町九丁目のジャズ喫茶subは、手作りの美味しい喫茶メニューと共に至近距離でジャズをしめるので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 トリは、「広瀬未来Quartet」と宗清洋さんによるバンド。説得力のある広瀬さんのトランペットと温かみのある宗清さんのトロンボーンが混じり、迫力のステージが展開されました。広瀬未来さんがメインパーソナリティーを務めるジャズラジオ「KOBE JAZZ-PHONIC RADIO」は、楽曲解説をしながらも、ミュージシャンならではの面白おかしいトークや神戸名物も紹介されているので、ジャズ初心者の方にも楽しめる番組です。

アンコールでは、後半に登場した3バンドのメンバーによる豪華な演奏で、「神戸市歌」で幕を閉じました。ジャズなどの音楽の好みや楽しみ方は人それぞれ。これだけ老若男女が集まるイベントは珍しく、KOBE JAZZ DAYは出演者もお客さんも世代を超えて楽しめるイベントでした。年齢の幅広さだけでなく、色々なスタイルのバンドが登場し、みんなが楽しめたのではないでしょうか。

インタビュー

トランペッター広瀬 未来さん
「今日も晴れたし。街がこうやって盛り上がるのは、僕はすごい良いことやなと個人的には思っているのと、野外に出店している屋台とか見ても神戸のことが一気に楽しめるってのはすごい良いイベントやと思う。後は、例えば神戸ユースのバンドとかICHI☆ITAのバンドとか老若男女がみんなで一緒にジャズやってるっていうのも、すごい良いことやと思います、僕は。今日、こうやって演奏者がいっぱいいるけど、『イベントをやる』っていう人ももっと来てくれたら嬉しいなと個人的には思ってます。プレイヤーがいっぱい集まってくれて本当に感謝しています。」


written by Asumi Kasai