ジャズ探訪記 バックナンバー
MIDNIGHT SUN
華やかに、そしてちょこっとゴージャスに。
さてさて、毎度おなじみ神戸三宮である。
ビルの正面、左右に狛犬のように象が並ぶ威容(?)にもすっかりなれた今日この頃。お酒好きなわりには赤い灯・青い灯の巷をさまようことも多くないんだけど、この探訪記ではずいぶんたくさんのジャズのお店を訪ねたもんである。いささか自分でも感心しつつ、今回お邪魔するのはライブスポットMIDNIGHT SUNだ。
エレベーターを降りると、すぐに見えてくるのが青いタイルに赤い文字で描かれたMIDNIGHT SUNのロゴ。店内は落ち着いたウッド調で、ロンドンかどこかのクラブとかバーみたいである。そうんなふうに感じたのは、ライブスペースにも近いところにある暖炉のせいかもしれないなあ。お店の一隅にしつらえられた暖炉(!)の上にはたくさんの額が並んでいて、まるでイギリス過程のリビングにおじゃましているみたいなんである。
長いカウンターの他にものんびりくつろげる感じのソファ席、テーブル席もあってとてもゆったりした印象。カウンター越しにはたくさんのお酒のボトルが並んでいて(当然?)、オーセンティックなバーとしての顔もうかがえる。こんなスペースででライブが聴けるの?そりゃゼイタクだなあ…。
オーナーの岩崎康子ママにお話をうかがった。
お店を始めてからは30年という大ベテラン。阪神淡路大震災の後には東門筋にお店があったそうだ。もっとも、ライブを始めたのはこのビルの移ってからで、もう7年にもなるということだ。店名はもちろんあの名曲からで、たしかにライブスペースにはビブラフォンが鎮座ましましている。ピアノとかドラム、ベースが置いてあるお店は少なくないけど…ビブラフォンが置いてあるなんて、こりゃかなりめずらしいんじゃないかなあ?
そしてなんと、ここでは、毎日ライブを聴けるんだそうだ。「ライブスポットなんだから当選でしょ?」って思います?いやあ、とんでもない、これは大変なことですよ。しかも毎日違うミュージシャンだったりするわけですからね。しかも、3ヶ月はミュージシャンが重ならないようにブッキングされてるということだ。



面白いのは、神戸以外のミュージシャンと女性ミュージシャンが多いということだ。たしかにこの日のライブもベーシスト以外すべて女性。ライブのジャンルもジャズに限らないということだ。女性が多いと、見た目的にも華やかでいいですね(笑)。岩崎さんによると、「神戸のミュージシャンだけでブッキングしてると、どうしてもダブってしまうから…」なのだそうだ。それにしても、ボーカル・フルート・ピアノ・パーカションがすべて女性ってのは珍しいだろう。とくにパーカッションプレーヤーの女性(実はお店のスタッフでもあるそうですが)は少ないんじゃないかなあ。シーラ・Eをちょっと思い出したりして。

それにしても多彩なライブ陣だ。ペルーはクスコ出身の「フローレス・デュオ」(←大好きです)のライブもあったり、シャンソンがあったり、ゆくゆくは「カントリーやオールディーズも取り入れたい」なのだそうだ。月曜日のセッション・デイも「演歌以外なんでもオッケイ」ということで、とにかくライブで歌いたい…という人には格好のステージかもしれない。

そうこうしているうちに、ライブの時間が迫ってきた。お客さんも次々にご来店。
ゆったりした店内もだんだんと込み合い、にぎやかな空気が満ちてきた。ミュージシャンもスタンバイ・オッケイ、今夜も楽しいライブになりそうだ。僕も冷えたビールでも飲みながら聴くことにしよう。

MIDNIGHT SUN
●神戸市中央区中山手通1丁目22-10 象ビル2F
●TEL:078-242-1000
取材日:2008.07.30
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