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ジャズ探訪記関西を中心に、往年の名盤を聴かせるバーから、生演奏も楽しめるレストランまで人気のジャズスポットを紹介!

vol.125
JB-5

入りびたりになりそうな…
@神戸・垂水

須磨や塩谷の海を左手にながめながら、電車は西へ走る。
今回のお店は垂水なのである。朝霧を越えれば次は明石という、だいぶ西のスポットだ。

垂水駅で降りると、意外に人が多い。買い物に向かう人、学校から帰る小・中学生、思いの外にぎやかな街である。後で聞いた話だけど、ここ垂水駅は三ノ宮・元町についで第3位の乗降客がいるのだそうで、にぎやかなのもアタリマエなのかもしれない。まだまだ細い路地が生きていて楽しそう。僕はこういう街が好きなのである。
そして5分も歩くかどうか、エキチカな立地にJB-5はある。大きな看板がわかりやすく、横手の階段を上がればすぐに入り口がある。

ドアを開けると、なんともシックな落ち着いた空気。棚に並ぶお酒のボトルや照明器具も雰囲気作りに一役買っている。

迎えてくださったのはオーナーの川上隆幸さん。このお店を開いてからもう15年になるという。
現在もThe Shiny Hearts Jazz Orchestraでドラムを「かなりにぎやかに」叩いているという(YouTubeでチェック!)ミュージシャンでもある。

なんでもお父様もバンドマンだったということで、ベンチャーズやらジャズやらあらゆる演奏に参加されていたらしい。そのベンチャーズの日本公演の前座も務めたというからすばらしい。
実はJB-5という店名もベンチャーズの曲名から来ている…と、お父様が亡くなってから、お友達のミュージシャンから聞かされたそうである(笑)。

「ライブもやっていますが、ジャズはあくまでBGMとして流しています」とおっしゃる川上さん、そのせいかどうか…、バー使いとして来店されるお客様が多いそうだ。それも、ひとりで来られる方がほとんどということだ。
確かにそうかもしれないな。酒好きにもざっくり二種類あり、ワイワイみんなで楽しむのが好きな人と、じっくりゆっくり自分の時間を美味しいお酒とともに楽しむのが好きな人がいる。僕もこのJB-5に来るなら後者の方だろう。おまけにいい音楽が流れているのだから最高である。
そうそう、お酒だけでなく、ソフトドリンクもあるのです。ちょうど取材中にも常連さんらしいお客様がおひとりで。コーヒーを頼まれたらしく、すぐにコーヒーの素晴らしくいい香りが流れてきた。

お店にあるのはLPが1000枚ほどにCDが500〜600枚ということだが、ご自宅にはまだまだ在庫あり(?)だそうだ。
スピーカーはアルテック、音もいいけどフォルムがなんともおもしろい。川上さん、実はかなりコリ症だと見た。でもそれを感じさせないゆとりがあるんですね、ここには。

正直なところ…、JB-5がもっと近所にあったらなあ、と思ったことである。