KOBEjazz.jp

ジャズを愛するすべての人へ。こだわりのジャズ情報をデンソーテンがお届けします。

ジャズピープル

直接音楽を届けていきたい。
野崎良太(Jazztronik)さん

音楽家・野崎良太さんを中心に、さまざまなジャンルで活躍する音楽家が集まり、音楽を研究・製作し、音楽を必要とするすべての人に提供していくという目的のもと始まった新しい音楽カルチャープロジェクト“Musilogue”(ムジログ)。そのプロジェクトの一つである“Musilogue Music Showcase”は、参加アーティストの音楽を実際にライブで楽しんで身近に感じてもらおうというシリーズです。11月にシリーズ初となる全国ツアーを第一弾「Elephant and a barbar」をリリースしたメンバーで敢行。今回はツアー4日目、塩屋・旧グッゲンハイム邸での素敵なライブの後に野崎良太さん、ベーシストの藤谷一郎さん、サックス奏者の栗原健さんにプロジェクトについてお話をうかがいました。

person

野崎良太/Jazztronik

Jazztronikとは野崎良太が率いる特定のメンバーを持たない自由なミュージック・プ ロジェクト。ジャンルに縛られない数々の作品のリリースし、アーティスト、ピアニスト、作編曲家として確固たる地位を築いている。DJとしてロングランパーティー”Jazztronica!!”を全国各地で開催する他、音楽カルチャープロジェクトMusilogue(ムジログ)を立ち上げる等活動は多岐に渡る。2013年に自身のレーベル七五三Recordsを立ち上げ、2017年はピアノ、ベース、バイオリン、チェロ、アコーディオン編成に新バンド野崎良太 with GOODPEOPLE名義でアルバム「GOODPEOPLE」を葉加瀬太郎氏のレーベルHATSよりリリース。




藤谷一郎

幼少の頃からピアノを習い、小学二年生でBeatlesに出会い音楽家を志す。小学五年生の時に同級生とのギター対決に破れてベーシストを目指すことに。独学で音楽を学びベーシスト、作編曲家として音楽活動を開始。数々のバンド、ライブサポート、レコーディングをこなしながら2度のメジャーデビューを経験。様々なアーティストの作品に楽曲提供、アレンジ、ベーシストとして参加。現在もプロデューサー、作編曲家として活動しながらベーシストとしてJazztronik、ウカスカジー、来生たかお、沖仁等をレギュラーでサポート。




栗原健

高校時代にリズム&ブルース、ロカビリーバンドをやる事になり独学で土手でサックスを吹き始める。雑食的にさまざまなライブ、レコーディング、セッション、ビッグバンド、路上ライブ、小さなJazzクラブのマスターなどを経て今に至る。最近では自己のバンド"Takeshi Kurihara Quartet”や "Takeshi Kuriharaソロライブ"での活動の他、Jazztronik, Soil & ”Pimp” Sessions, ROOT SOULなど、他多数のライブ、レコーディングに参加。太くアーシーかつ色気あるサウンドと野性味溢れるキャラクターが好評を博している。

interview

「場所が変わると演奏も変わる」、環境と音楽の融合を目指したライブ。


── 今回のツアーは出雲、福山、岡山、神戸、高野山、大阪、名古屋の7箇所ということで、神戸塩屋の旧グッゲンハイム邸もそうですが、他の場所も高野山やビーチカフェなど個性的な場所が多くて面白いなと思いました。野崎さんが直接選ばれたんですよね。

野崎「そうです。ネットで検索して、良さそうだなって思ったところに自分でメールして。グッゲンハイム邸の人も僕が直接連絡したので驚かれていましたけど(笑)。でも、ミュージシャンとして、そういう場所選びも人に任せず自分でやって行きたいと思っていましたので。」

── (旧グッゲンハイム邸のライブ翌日は)高野山は光臺院というお寺で演奏されるんですね。

野崎「高野山は、僕と時々一緒にDJをやってた友人が高野山にゲストハウスをつくった縁があるんです。ツアーをやるときに、なるべく普段とは違う環境と音楽の融合というのを 目指したかったので、高野山のお寺とかでもできないかなと思っていたら『やりましょう!』って言ってくれたので。どうなるのか楽しみですね」

── 今日の旧グッゲンハイム邸のライブも、まさに場の雰囲気と音楽がマッチしていてとても素敵でした。今日のライブの感想を聞かせて下さい。

栗原「このツアーは今日で4か所目ですが、ノンマイクだったのはここの会場が初めてだったんです。ピアノもサックスもフルートもすごく響きが気持ちよくて。電気を使わないことでフィルターが一つない感じで、演奏してても気持ちがいいし、お客さんにもそれを楽しんでいただけて良かったですね。」

藤谷「僕らミュージシャンって自然と場に溶け込むような演奏をするんですよね。このツアーは本当に毎回場所がガラっと変わってて、海の家みたいなところがあったり、カフェがあったり、今日みたいな洋館があったり。その中で、音像とか雰囲気とか、自然と溶け込むような、一番合う感じの演奏になりますね。ですので、今日は今日のという感じで。場所ごとに全部違っていて今日の素敵な空間と響きの中での演奏はここでしかできない演奏が出来たと思います。すごく良かったなと思います。」

野崎「僕は本当に、ここのオルガンが気に入っちゃって。」

── 野崎さんのTwitterで、ライブの数時間前に「旧グッゲンハイム邸の超年代モノのオルガンが素敵すぎるので今夜のLiveに投入します」って呟かれてるのを拝見してビックリしました。

野崎「鍵盤って、その日にある楽器を急に演奏するのは難しいんですよ。でもあのオルガンは、来てちょっと触ってみて、今日絶対これで演奏しないとダメだって思うくらい良くて。本当だったらあれだけで2時間くらい演奏したかったんですよ。そのくらいこの空間にマッチしていて。あれでオルガンナイトをやりたかったね(笑)。」

栗原「あー、いいですね。それすごくいいと思う(笑)。」

参加アーティストのライブを楽しむ、Musilogue Music Showcase。


── 是非、また旧グッゲンハイム邸に弾きに来てくださると嬉しいです。Musilogueのアルバムは現在4枚目までリリースされていますが、5作目はもうすぐですか?

野崎「そうですね。5作目はレコーディングももう終わっていて、近いうちにライブをやります。だいたいライブと同時にハンドメイド盤をつくるので。でももうイラストは6作目まであるよね。」

栗原「ありますね。」

── 栗原さんが描かれてるジャケットのイラストはすごく素敵ですね。第一弾の「Elephant and a barbar」(象のジャケット)は全国流通盤になったんですね。

野崎「そうなんです。基本的に、親しい感じを持ってもらいたいので、アルバムに参加したミュージシャンがライブ会場で自分でCDを売ってサインをして作品が完成する感じで制 作しています。ですので、当初、大量に作るものではないということでハンドメイドCDにしていました。でも、出してみたらどれもすごく好評で。来年からはいわゆる通常版みた いなものも作ることにしています。ディストリビューターに流通を担当してもらうことに なってます。最初は本当に50~60枚くらいと思っていましたが、この二人のCDが本当に好評で広まっているのはとてもうれしいことです。」

── アルバムのメンバーのマッチングは野崎さんが?

野崎「そうですね。僕がこの組み合わせでやったら面白いんじゃないかっていうので決めています。この二人もよく一緒にやっているメンバーです。ただ、普段見ない組み合わせ でつくりたいなとは思っています。2作目の「TSUBASA」(ペンギンのジャケット)はギ タリストの越田太郎丸さんと大槻KALTA(英宣)さんというドラマー、そこにヴァイオリ ストの沖増菜摘ちゃんを入れたら面白いんじゃないかと思ったんですよね。「飛鶴」(鶴 のジャケット)はもう完全に僕がリーダーでやったものですね。純邦楽のミュージシャン たちと僕らみたいなサイドの人間が音楽を作ったらどうなるんだろうって思ってつくりました。」

── 「飛鶴」はジャケットも純和風って感じで素敵です。

野崎「これだけは和っぽいやつでとお願いしました。」

栗原「出来上がった音を聴きながら描いたんですよ。」

「違う角度からアプローチしたい」、Jazztronikならではのビッグバンド。




── そして12月20日には栗原さんと藤谷さんも参加されているJazztronikのビッグバンドアルバム「BB1」がリリースされます。

野崎「ビッグバンドは毎年年末にやってるんですけど、今年はCDも出そうとなって、6曲のミニアルバムをリリースします。レコーディングをちょうど終えたところです。」

── 野崎さんはビッグバンドでの演奏・プロデュースはこのバンドが初めてですか?

野崎「そうですね。ビッグバンドは好きなのでちゃんとやりたいと思って4年前にミュージ シャンを集めてやったのが最初ですね。お客さんからもすごく好評だったし、僕もいつも のJazztronikとは違う形態でできるので面白くて、毎年恒例化して続いています。続けているうちに自分でもどんどん欲が出てきて、来年もまた出したいなと思っています。僕は今まで、それこそ弦楽器とは色々やってきました。でも管楽器で大人数集めるっていうことはやったことがなくて。マリア・シュナイダーのようなビッグバンドが日本でもできたらいいなと思ってます。僕はジャズだけをやってきた人間ではないので、違うサイドから ビッグバンドのアプローチをしたいと思ってますね。すごい難しいんですけど(笑)。」

栗原「いや、本当にすっごい難しいし、すごい吹くところが多い(笑)。」

野崎「今回のメインの楽曲は五拍子六拍子四拍子と変わっていく9分半の曲ですからね(笑)。」

藤谷「すごい格好良いけど、すごい難しいんですよ(笑)。」

── それは楽しみです。でも演奏するのも大変そうですが、ビッグバンドのオリジナル曲となると譜面をつくるのも大変そうですね。

野崎「大変ですよ。あれだけはもうちょっと簡単にならないかと思いますね。」

栗原「でもどんどんわかりやすい譜面になってきましたね。最初の方は出ない音とかありましたし(笑)。」

野崎「人間のことを考えてない譜面だったんですよね(笑)。」

── パートによって出る音出ない音まで全然違いますもんね。

野崎「管楽器は本当に全然違うんですよね。管楽器が難しいのは、それこそ吹く人によって同じ楽器でも音が違うんですよね。だから、このメンバーだからこの響きになるけれども、一人変わったらその響きにはならないこともあるので、その見極めが難しいですよね。そういうところも含めて面白いのですが。」

── さまざまな方面でご活躍されている野崎さんですが、Musilogueプロジェクトの今後のご予定をお聞かせください。

野崎「来年から実験的に教育プロジェクトを始めたいと思っています。今、僕がどうして ミュージシャンたちといろいろやっているかというと、ミュージシャン自身がどういうことをやっているのかを明確にした方がいいと思っているからです。ミュージシャンたち自身がそれぞれ素晴らしい作品を提示し、その上で、この人のところに気軽に習いに行ける ような環境を作っていきたい。音楽業界がどんどん縮小している、音楽に未来がないという意見を聞くことがあります。僕はただ時代の流れと音楽家や音楽業界が提供しているも のが噛み合ってないだけだと思っています。そこで僕は、技術を持つ職人のようなミュージシャンがシステムを作る時代じゃないかと思っています。例えば栗原くんと藤谷さんで神戸でLiveをしたら、翌日は神戸でワークショップやってみよう、というような感じに繋げられるかもしれない。そういうようなことを全国的に広めていければいいなと思っています。」

── 新しい教育プロジェクトも楽しみです!今日はどうもありがとうございました。

information

[ RECCOMEND MOVIE ]

Jazztronik 「Now」MUSIC VIDEO



[ LIVE INFORAMTION ]

Jazztronik - 12/20 (Wed.) Big Band Arrange Album「BB1」Release !!!
12/28・29・30 Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜
毎年年末に開催し好評をいただいているJazztronik Big Band Liveツアー。本年は待望のBig Bandミニアルバムが12/20に発売され、アルバムのリリースライブにもなっています!毎年来ていただいているお客様も、初めてのお客様も必ずご満足いただける内容になること間違いなしですので、年末はJazztronik Big Band Liveで締めくくりましょう!

12/28 (Thu.) Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜@Billboard Live Tokyo
1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
<Price> Service Area : ¥6,900 / Casual Area : ¥5,400
チケット購入/詳細はこちら
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10736&shop=1

12/29 (Fri.) Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜@NAGOYA BLUE NOTE
[1st ] open 5:30pm start 6:30pm
[2nd] open 8:30pm start 9:15pm
[当日自由席受付] 3:45pm~
ミュージックチャージ :¥6,900
メンバーズ会員優待価格:¥6,600
ご予約はこちら
http://secure.nagoya-bluenote.com/ticket/rsvpub/seatsel.aspx?eventdatefrom=17/12/29&eventdateto=17/12/29

12/30 (Sat.) Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜@Billboard Live Osaka
1st Stage Open 15:30 Start 16:30 / 2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
Service Area : ¥6,900 / Casual Area : ¥5,900
<詳細はこちら>
http://billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10737&shop=2


Jazztronik - 12/20 (Wed.) Big Band Arrange Album「BB1」Release !!!
12/30 (Sat.) Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜@Billboard Live Osaka
毎年年末に開催し好評をいただいているJazztronik Big Band Liveツアー大阪公演。本年は待望のBig Bandミニアルバムが12/20に発売され、アルバムのリリースライブにもなっています!毎年来ていただいているお客様も、初めてのお客様も必ずご満足いただける内容になること間違いなしですので、年末はJazztronik Big Band Liveで締めくくりましょう!
1st Stage Open 15:30 Start 16:30 / 2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
Service Area : ¥6,900 / Casual Area : ¥5,900
<詳細はこちら>
http://billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10737&shop=2



[ リリース ]

Jazztronik - 12/20 (Wed.) Big Band Arrange Album「BB1」Release !!!
昨年6月にリリースしたアルバム「Keystone」以来、約1年半ぶりのオリジナルアルバム。

毎年年末恒例のBig Band Live Tourで演奏している人気のセルフカバー曲の他、新曲「Spotlight」、「Caprice」、「Dolphin Smile」を含む総勢20名のミュージシャンが参加した力作!

Big Band Arrangement Album「BB1」2017.12.20 OUT (1,800+tax PCCA.04612 全6曲)
http://music.ponycanyon.co.jp/short/sakuhin/PCCA000004612/?REF=MUSIC

<収録楽曲>
1.Spotlight Vocals:Eliana & AISHA/Back Ground Vocal : Mika Arisaka
2.Caprice
3.Sanctuary Vocal:Eliana
4.Deja vu Vocal:AISHA
5.Meguru(2017 version)
6.Dolphin Smile
http://music.ponycanyon.co.jp/short/sakuhin/PCCA000004612/?REF=MUSIC


Elephant and a barbar
Musilogue第1弾アルバムとしてベースプレイヤーの藤谷一郎、SAX奏者の栗原健による“Elephant and a barbar”を制作しました。

元々は彼らのLive会場のみでの販売目的で作られましたが好評の為CDリリースをする事になりました。藤谷一郎は10年ほどJazztronikサウンドを支えそして様々なJ-POPの現場でも活躍している名プレイヤー。栗原健は様々な活動を経て、現在は自身の活動に加えSoil&pimp sessions、Kyoto Jazz Sextet、Jazztronik等で活躍している要注目プレイヤーです。野崎良太はpianoとrhodesで参加。その他に⑧⑨では作曲を担当しています。空間系のギターを担当するのは東京のアンダーグラウンドシーンで活動を続ける井上新。Bonus trackには若手のクリエーター川原亮を起用。アルバム全体を通してdeepでそして曲によってはアンビエントな雰囲気すら感じる彼ら流のNew Jazzに仕上がっています。

音楽の進化を感じる1枚です。

(収録曲)
1.barbar
2.Footprint's of Elephant
3.suzu
4.Purple Frog
5.luce
6.Giraffe's Dream
7.Cold Turkey
8.I.S.F
9.T.S.K
10.Purple Frog(Ryo Kawahara bonus mix)
https://musilogue.theshop.jp/