KURIYA MAKOTO TRIO/ Jazz On Cinema 2
JAZZ ON CINEMA 2
ジャズはもちろんアニメから邦楽・クラシックとのコラボレーションなど、多彩な音楽活動を精力的に続けるクリヤ・マコトさん。
今回は、秋に予定されている「JAZZ ON CINEMA 2」についてお話をうかがいました。
person
クリヤ・マコト・トリオ
ワールドワイドに活動を展開する異才クリヤ・マコトが、日本では珍しいガット・ベースを操る名手「早川哲也」と、日本随一のジャズビートの達人「大坂昌彦」を迎え結成された「クリヤ・マコト・トリオ」。クリヤのアート性を体現するための理想的なユニットであり、クリヤの音楽を共に共有するための理想的な仲間である。
クリヤ・マコトオフィシャル WebSite
interview
大好評だった「JAZZ ON CINEMA1」に続いてのこのライブ、おなじみのクリヤ・マコト・トリオに加え、女性ボーカルの平賀マリカさんと、なんとタップダンスの熊谷和徳さんとのコラボとか。

「タップダンスはもともとビッグバンドの一員で、ツアーにも必ず組み込まれているようなエンターテイメントの王道。
でも、今回一緒にやるカズ(熊谷)はかなり違うスタイルです。彼のタップはストリート系というか、ヒップホップに近いようなカッコよさがあるんです。
クラシックなタップは伴奏が要る場合も多いんですが、彼のタップはそれ自体ドラム的というかパーカッション的というか、タップだけでステージができるんですね。R&Bとかヒップホップとか、いろんなジャンルの音楽とのコラボも数多くこなしています。その意味ではミュージシャンとして、ジャズメンとして、クリヤ・マコト・トリオのもう一人のメンバーみたいに感じている部分もありますね。
そしてカズは、アーティストとしてはとてもスピリチュアル。『スジの通らないことはやりたくない』という、とても頑固な面をもっています。それだけにタップに対するリスペクトはものすごく深いんですよね。

 

ボーカルの平賀マリカともずいぶん長いつきあいになります。90年代、なんとかジャズとヒップホップを融合できないか…と考えながら活動していたころのオリジナルメンバーの一人がマリカなんですね。
彼女はとっても上手いしなんでもできる人。ずっと一緒にやってきた、とても信頼できるシンガーです。ルックスも素敵ですしね(笑)」

そもそも、このJAZZ ON CINEMAというスタイルでのライブはどんなきっかけで?

「現代は、音楽が音楽だけとしてはなかなか楽しまれにくくなっているような気がするんですね。
だからこそ音楽のジャンルを越え、違うジャンルのエンターテイメント、例えばダンスとのコラボレーションを考えなきゃいけないんじゃないかと思うんです。そしてそのことが音楽そのものにも、何か新しい命を吹き込んでくれるんじゃないかと考えています。
だから去年、そして今秋のJAZZ ON CINEMAも、単に『映画音楽をジャズアレンジでやりました』ではつまらない。そんなうわべだけのことじゃなく、やるからには映画が輝いていたあの時代、映画音楽が輝いていたあの時代のアメリカの空気を彷彿とさせるようなものをやりたいと思っています。ほら、やっとテレビに色がついて来たあの頃ですよ(笑)。
不思議なんですが、神戸という街でやることにも意味があるんじゃないかと。
僕は神戸出身なんですが、それまできちんとしたライブを神戸ではやったことがなかったんです。ところが、去年のJAZZ ON CINEMAをやって以降、パタパタと4回くらいかな、立て続けに神戸でライブをする機会ができたんですね。きっと機が熟す…というようなことが本当にあるんでしょうね」

 

「クリヤ・マコト・トリオは、基本的にはゲストが入れないくらい完結度の高いバンドだと思っているんですが、去年のケイコ・リーさんとの共演もとても喜んでいただけました。今回カズ(熊谷)やマリカ(平賀)は、僕たちの本拠地である目黒Blues Alley Japanで何度も一緒にやっている古い仲間。そんな仲間との新しい試みが、なにかいいケミストリー(化学変化)につながるんじゃないか、と僕自身楽しみにしています」

映画音楽を核に、ジャズとタップダンスの美しい結晶が生まれそうですね。ありがとうございました。

平賀マリカさん 熊谷和徳さん
特集「神戸ジャズ文化を彩る人々の魅力」 KOBE Jazz People