Denso Ten

Jazz People

神戸の大学生主催の秋のビッグイベント!
Swing Jazz Cruise座談会

神戸・ハーバーランドで毎年9月に開催されている「Swing Jazz Cruise」。ビッグバンドからコンボまで、さまざまな形態のジャズバンドが街をジャックし、ハーバーランドがジャズに染まる二日間のイベントです。このイベントを運営するのは、神戸の大学のジャズサークルに所属する学生さんたち。KOBEjazz.jpを運営する株式会社デンソーテンでは、1年目から神戸の街をジャズで盛り上げようと頑張る学生さんたちを応援しています。
12年目を迎えた今年も9月21日、22日に開催が決定。イベントを目前に控えたSwing jazz Cruise実行委員会の皆さんに運営OBである株式会社デンソーテン社員・下村光輝さんを交えて、SJCの魅力や運営についてお話ししていただきました。


[座談会参加の皆さん]
・実行委員長 渡邊愛理嵯さん(神戸大学 法学部 3年生)
・実行副委員長 青木寿太さん(神戸大学 経済学部 3年生)
・協賛部局長 小林郁美さん(甲南女子大学 文学部 3年生)
・OB 下村光輝さん(株式会社デンソーテン 品質保証本部 2016年入社 大阪大学出身)

Interview

Written by Mika Ogura

参加人数総勢550人!今年のSwing jazz Cruiseは企画も充実!

── まずは簡単に自己紹介をお願いします。

下村「Swing Jazz Cruise(以下SJC)OBの下村です。2010年に大阪大学外国語学部に入学と同時にdesafinadoというジャズ研に入部しました。SJCにはその翌年に、神戸出身なので何かしら活動ができたらと思って参加しました。実際一年間しか活動してなかったのですが、SJCでデンソーテンのことを知って興味を持ち入社して現在に至ります」

青木「神戸大学の軽音楽部JAZZに所属している青木です。2017年に入学して、ジャズ研に入りました。SJCは1年生ばかりが集められるスタッフクルーという制度があるんですけど、まずはそれに参加して、翌年委員になって、今は実行副委員長として活動しています」

渡邊「神戸大学法学部3年の渡邊です。私も青木くんと同じで2017年に神戸大学に入学して、軽音楽部JAZZに入部しました。で、神戸大学にはKOBE Mussoc J.O.というビッグバンドがあるんですけど、今はそこにお世話になってる感じです。SJCは2017年にスタッフクルー、18年からは委員、そして今年は実行委員長になった次第です」

小林「甲南女子大学文学部3年の小林です。ジャズ研のない女子大なんですけど、神戸大学のジャズ研に籍を置かせていただいてます。SJCとしては二人と同じように、1年生のときはクルーとして、18年に委員として、今は協賛部局長を任されています」

── では、まずSwing Jazz Cruiseがどんなイベントなのかを教えていただきたいんですけども。

渡邊「神戸の街でジャズという音楽を届けよう、という目的でやっているイベントです。元々つくられた理由は、同じ大学生主催のイベントで『大阪城ジャズフェスティバル』というものがあるんですけど、大阪城ジャズフェスは関西の大学の一軍と言われるビッグバンドしか出られないんですよね。一軍が出てるだけあってクオリティも高く、入場料もいただいている大きなイベントなのですが、ビッグバンドって元々大所帯なので、野外音楽堂に入れる一般の方も限られてしまう。で、当時の大阪城ジャズフェスの委員長をやってた方が甲南大学の方だったので、神戸から大阪城公園は地味に遠いということもありまして(笑)。神戸はジャズ発祥の地とも言われているし、神戸という街で、たくさんの人達に音楽を聴いてもらいたいという目的で作られたと聞いています。それを脈々と受け継いできて、今年で12年目になりました」

── なるほど。イベントの概要を教えてください。

渡邊「今年は9月21日、22日の土曜日と日曜日の予定です。会場はハーバーランドで2日合わせて6か所でビッグバンドやコンボで演奏を行います。メイン会場はスペースシアターで、あとはコンチェルトでのクルーズ企画、カルメニ、Mosaicの希望の広場と光の広場、それから高浜岸壁ですね」

青木「高浜岸壁はMosaicの隣にある海側の広場です」

渡邊「参加するバンドは約70組、人数だとビッグバンドもいるので550人くらいです」

── すごい人数ですね。参加バンドは公募がメインなんですか?

渡邊「各大学のジャズ研の一軍バンドと言われているビッグバンドには、こちらからお願いしています。あとは全部公募ですね。一応1人3~4バンドでって決まりをつくってはいるんですけど、それを超えて7バンドとか掛け持ちしてる人もいるんです(笑)。みんな出て欲しい気持ちはあるのですが、どうしても枠は決まっているので、落とすときは掛け持ちしているメンバーが多いバンドから、今回はお休みしていただく、という感じになってます」

── どんな企画があるんですか?

渡邊「企画としては、一番大きいものはプロのミュージシャンのゲストさんです。今年は、一昨年も来てくださったんですが、カウント・ベイシー楽団のサックス奏者、マーシャル・マクドナルドさんの予定です。関西の大学のビッグバンドのメンバーからセレクトした関西セレクションっていうビッグバンドとコラボしてくれることになってます。あとは、オケとコラボしたいとか皆さんにおなじみのアニソンを吹きたいとか、バンドを新しく作りたいとか、いろいろ聞いています。今年は結構、ジャズに馴染みのない方でも楽しめる企画をいろいろ考えています」

青木「あと、本番前には元町商店街でフラッシュモブみたいな感じで演奏させていただく予定もありますね」

小林「あと公式キャラクターが決まったので、それを使ったグッズとかも作れたらいいなと思ってたり。顔ハメパネルとか、楽器のカタチのパネルを作って吹いてるポーズで写真撮れたりとかも楽しそうだし」

渡邊「どの企画も前向きにやろうと進めてはいるので、楽しみにしていてほしいと思います」


SJCは各大学のジャズ研有志によって支えられているイベント。

── 運営スタッフは神戸の大学生が多いんですか?

渡邊「そうですね。神戸の大学の人が多いんですけど、大阪とか京都の大学生でも全然参加してくれてもいい感じにはなってます」

小林「今年は兵庫県立大学の人たちも参加してくれてます」

渡邊「あと今年は神戸大学、甲南大学、関西学院大学、関西大学、大阪大学…」

小林「甲南女子は…」

渡邊「それは神戸大学のジャズ研扱いだから(笑)。大学名を挙げましたが、基本的にはそれぞれのジャズ研から来てくれているという感じです。たとえば、関西学院大学には K.G. スウィング・チャリオティアーズと 関西学院大学Jazz研究会JAMという2つのジャズサークルがあって、関学の中ではそんなに関係は深くはないんですけど、それぞれのサークルからSJCに参加してくれているスタッフがいます」

── そもそもスタッフはどうやって集めてるんですか?

渡邊「えっと、人脈、ですかね…(笑)」

一同「(笑)」

青木「先輩から『やらんか~』って声かけられるのが普通かな(笑)」

渡邊「今年は特に、昨年委員をやられてた方たちが『今年はちょっと忙しい』ってやめる方がチラホラいて、委員集めに苦戦して(笑)。で、他の大学のジャズ研の人たちにツイッターとかでDMして、協力をあおいで広げていった感じです」

── 毎年どこかの大学のジャズ研が担当して、とかではなく…。

渡邊「そうですね。本当に個人で来てもらうって感じです。最初の頃のSJCには委員が10人もいなくて、今は29人いるんですけど、初代の人たちに言うと『えっ、29人もいるの!?すごいな』って驚かれます」

── 本当に有志で運営されてるんですね。

渡邊「そうですね。基本的にはジャズ研の1年生にできるだけ声かけて、クルーとして参加してもらいます。クルーにはイベント当日だけのお手伝いをお願いしています。で、その中から、来年もやりたい、やってもいいっていう人が委員になってくれて、3年になったらその中から長…」

青木「長(笑)」

渡邊「実行委員長とか部局長とかが出てくる感じです(笑)」

小林「私がSJCに入るきっかけも、3年前のSJCでデンソーテンさんを担当してた先輩がたまたま飲み会のときに向かいに座ってて、『24日空いてない?』って聞かれて『空いてますよ』って答えたら『クルーやらん?』っていう(笑)」

青木「そんな感じだよね(笑)」

小林「そうそう。『じゃあやります』っていう、ゆるい感じで始まります」

── 運営スタッフをやるうえで苦労している点などはありますか?

渡邊「同じジャズ研の人とは毎週会うのでラクなんですけど、違うと会う回数も少ないのが困りどころですかね。私はビッグバンドで活動してるので、コンボの人たちとは会う機会があんまりなくて。月イチで会議をしているので、そこで一回でばばばって決めるようにはしてますが、やっぱりみんな忙しいのでなかなか…(笑)。そこは大変ですね」

── 29人もいたら、意見が食い違ったり揉めたりとかしないんですか?

青木「今のところは仲良くやってますね(笑)」

下村「私の時代にはありましたね(笑)」

渡邊「じゃあ揉めるなら9月に入ってからかも(笑)」

一同「(笑)」

── ゲストのプロミュージシャンはどんな感じでオファーされてるんですか?

小林「ゲストはデンソーテンさんからの紹介で」

渡邊「すごいありがたいですよね」

青木「いつもありがとうございます」

下村「言わせてるみたいな…(笑)」

渡邊「あ、でも今年は、マーシャルさんの方からメールをいただいて、『今年も出してくれないか』みたいな」

下村「へえ、すごい!」

渡邊「そうなんです。それで『ありがとうございます!』と返事をさせてもらった次第です」


企業もSJCを応援!イベントを影から支える協賛企業とは。

── デンソーテンの名前が出たところで、協賛企業とはどんな関わり方をされてるんですか?協賛企業を集めるのは大変ではないですか?

青木「僕らは学生団体なので、お金を儲ける方法がないので他の企業から協賛金をいただいたり、物品協賛をいただいて運営しています。デンソーテンさんは最初の年度からずっとSJCに関わっていただいていて、いろんな取材に連れていってもらったりとかSJCの紹介とかもしてくださったりとか本当にありがたいなと思っています」

小林「協賛企業の皆さんには本当に感謝しかない…。お金は本当に…資金協賛は、2年前までは毎年大きい額を出してくれていた企業さんが今年はちょっと経営が…ということで昨年からなくなったり、あと神戸市からイベントを始めるための最初のスタート用みたいな感じで10年間助成金が出てたんですけど、過ぎたのでもらえなくなっちゃって。そういうのもあって、昨年、今年は苦戦してる部分もあります。でも、たまに声をかけてくださることもあって、先日も、とある企業さんから『協賛とかで力になれないかな?』という連絡をくださって。そういうこともあるので、頑張っていきたいと思います。でもシビアですね…毎年本当に…いやだから、本当にデンソーテンさんはありがたいなって」

下村「(笑)」

── 下村さんはSJCがきっかけでデンソーテンを知って入社されたんですよね。

下村「そうですね。神戸のジャズ研界隈だったら、SJCのおかげでみんな弊社のことを知ってると思います。私もそうですが、毎年一人か二人は知ってる顔が入社してくるんですよ。1年下も2年下も、1年上も学生時代にジャズで知り合った人が入社してます」

小林「それはすごいですね」

下村「それは協賛企業の当然ひとつの狙いではあると思うんですけど、そういった意味でも弊社とSJCはいい関係が築けていると思います。デンソーテンにはいいスタジオもあって、有志でビッグバンドをつくっていて、今もスタジオで練習できていますし」

渡邊「スタジオあるの、いいなあ」

下村「仕事終わった後、ここで練習できるのはいいですね。管楽器は特に練習場所の確保が難しいので、社会人になっても続けられるのも弊社の魅力だと思います」

── 学業とサークルとSJC委員と大変ではないですか?

渡邊「そうですね。特にビッグバンドは、やっぱり目指すのは山野ビッグバンドジャズコンテストじゃないですか。山野は8月なのでどうしても…あ、でも今年は副委員長にまかせているので。この人は山野に出ないんで(笑)」

一同「(笑)」

渡邊「いや、言い方悪いんですけど(笑)」

青木「まあ、実際出ないし(笑)」

渡邊「なので、全任してる感じです」

青木「僕はもうビッグバンドには関わりがなくなってしまったので(笑)。コンボはやってなくもないんですけど、演奏の方はそうアクティブに部活に行くタイプではないというか…ちびちび自分で練習はするけどライブするとかではなく…(笑)」

── 音楽との関わり合いは人それぞれということですね(笑)。

青木「そうですね(笑)」


大変だけどやり甲斐もある、SJCスタッフの魅力。

── SJCの委員をやってみて、どういうところにやり甲斐を感じますか?

青木「自分たちの力で一つのイベントをつくるというところですね。僕はもう1個、別でNPOに所属して、社会人と一緒にクイズ大会を作るというのをやっているんですが、それはちゃんとした社会人の企画なので。でもSJCは完全に自分たち学生だけでつくるものなので、それがどういうことなのかというのがわかって面白いですね」

小林「私は協賛ということもあって、学生同士というよりも企業さんとやりとりをすることが比較的多いので、やっぱりそれが大変だけど面白いです。普通しないじゃないですか。やるとしても就活始めてからとかなので、一段階も二段階も早い段階からできているのは大きいです。あと、こういうふうに取材の場を設けていただいたりという経験も絶対普通の大学生活ではないことですし、そういうちょっと変わった経験ができるのが嬉しいです」

渡邊「人数が年々増えて、30人は多いなあとか思ってたんですけど、スタッフがみんないい人で。今もまだ、いざこざとかなくて、もしかしたら今からあるかもしれないけど(笑)。一昨年までは、委員長がたくさんの仕事を抱えていて、本祭のときに疲れて倒れて病院に行く、みたいなことがあったんですよ。でも一昨年の委員長が山野を目指しながら委員長をしていて、『委員長がいっぱい仕事をするのはダメだ』ってスタンスがそこで生まれたんです。で、『みんなに仕事を振るのが委員長の仕事』という流れになったので、私もそれに倣って、特に青木くんにはめっちゃいっぱい仕事振ってるんですけど、それに応えてくれる委員のみんながありがたいなって思うし、そういう関係を築くことができるのが学生団体ならではだなって。サークルだともっとこう」

小林「先輩が後輩に、これやっとけよって感じだもんね」

渡邊「そう!でもSJCだと『やっときますよ』っていうのがありがたくて。ああ、人間ていいなあって思いますね(笑)」

青木「表現がでかい(笑)」

渡邊「いやいや(笑)。自分の中で人のありがたみを知れたというのが大きいなって」

── 下村さんはSJC委員での活動の経験が社会人になって生きているということはありますか?

下村「私は、確かSJCでは広報とかだったと思うんですけど」

渡邊「確か…(笑)」

小林「曖昧な記憶(笑)」

下村「うーん…、そう、曖昧なんですよ(笑)。というのも、SJCと大阪池田のアゼリアホールでやっていたJAZZ PARTYというイベントを並行してやっていて、私はJAZZ PARTYの方の実行委員長になったんです。ということもあって、どっちがどっちかというのがやや曖昧で(笑)。でも広報で、できあがったフライヤーをディオ神戸にあるすべてのお店に貼ってくださいってお願いした活動は覚えてます。まあでも今の業務とダイレクトに関わってくる経験ではないですけど、でもさっき渡邊さんが言ってたように、人に仕事を振るというようなマネージングの部分は、当時自分も経験できてたらよかったなと思いながら話を聞いてました、今まさに、自分に欲しいスキルなので(笑)。でも当時の自分ももちろん頑張っていたので、今振り返ってこうやって話せることは少し誇らしくはあります」

── 話をうかがっていると皆さんポジティブですごく素敵ですが、自分から委員になろうと?

渡邊「いやあ…」

一同「(笑)」

渡邊「ぶっちゃけ今年は自分の所属しているKOBE Mussoc J.O.で山野を目指してて、私が仕切らないといけないしなあ、みたいな。単位も危ないしなあ、みたいな(笑)。で、SJC自体やめようかなあと思ってて。でも、前の委員長からお電話をいただいて、『あ、委員長候補なんだ…』と思って(笑)。じゃあやろう、と」

青木「僕も、前の本祭のときには留学してて参加できなくて、もうやめよっかな~と思ってたら元副委員長から『こいつ(渡邊さん)がやらんかったらお前委員長やで』って言われて、マジか~!って(笑)。それで、渡邊さんに『委員長やらへん?僕副委員長やるから!』って(笑)。なので、マイナスっちゃマイナスな…でもやったらやったで楽しいんですよね」

渡邊「そう、今は前向きに」

青木「職務を遂行しています(笑)」

小林「二人ともそんな…(笑)。私はわりとプラスだったんだけど(笑)。まあでも協賛になるとは思ってなかったかな」

渡邊「そこはほんとごめん(笑)」

小林「昨年、私は広報にいたんですけど、今年は協賛部局の人間が全滅してしまってですね(笑)。一人残ったのが渡邊だけだったので、でも委員長やるし、ということでいきなり今年は協賛部局長を任されることになりまして。やっぱりお金が絡むので大変なイメージもありますし、毎年協賛部局ってなかなか集まらないんです。でも今年は『協賛いいとこやで!カモン!』って言ったら、みんな向こうから来てくれたのでありがたくて。みんなこのままやめないでね…!って願ってます」


これからもずっと続いて欲しい。SJCスタッフの12年目の想い。

── SJCスタッフとして、これからどんなイベントになってほしいと想いますか?

渡邊「12年目で結構大きなイベントになってきたと思うんですけど、私達としてはもっと大きくしたいというのはないですが、もっと馴染みやすいイベントにしたいという思いはあります。今は足を止めて見てくださる方がほとんどだと思うんですけど、『今日SJCなんだ、行こうかな』という一般のお客様はまだまだ少ないと思うんです。なので、もっとみんなが自発的に楽しんで足を運んでもらえるようなイベントになったらと思ってます」

青木「僕もそうですね。まずは、ずっと続いてくれたらなというのが一番にあって。それにプラス、『もう9月か、そういえばSJCあるやん、行こうかな』と、神戸市民の皆さんが思ってくれたらいいですよね。もっと親しみを持ってみんながジャズを聴いてくれるようになったら嬉しい」

小林「私もSJCに参加するまでは、神戸でストリートライブをしてもぶっちゃけそんなに人は聴かないだろうなあと思ってたんですけど、実際は、本当に思った以上の人がいらっしゃってて。折りたたみイスを持参してわざわざ聴いてくださる方もいらっしゃるんですよね。でも、ジャズというとやっぱり年齢層が高めの方が多いので、若い方にももっと馴染みやすい、立ち止まりやすい感じになってくれたらいいなって思いますね。ジャズ自体は、本来どの年齢層でも馴染みやすいものだと思うんです。それこそ、ディズニーのビッグバンドビートなんてすごい人が来て、若い方もたくさん並んでますよね。たぶん機会とかあったら聴きたいって思うし、聴いた後も満足するものだと思うので、SJCを通してジャズに興味を持って、もうちょっと聴いてみようかなって思ってもらえたら嬉しいですね」

── そういえば、今年のSpring Jazz Cruise(SJCの春のコンボ中心のイベント)でも、スタートから終わりまでずっといらっしゃった方も結構多かったですね。

小林「そうなんですよ!春は私はカルメニを担当してたんですけど、人が結構集まってくださったのでカルメニさんからイスを借りて並べてたんですよ。で、途中で雨がめっちゃ降ってきたので、お客さん帰っちゃうかなって思ってたら、イスを持って屋根の下で待ってて、晴れてきたらまたイス出して聴いてくれて」

渡邊「カルメニそんなことがあったんや!」

青木「すごいな~」

小林「そう、あれはすごく嬉しかったですね」

── それでは、今年のSJCに向けての決意表明、皆さんへのメッセージをお願いします。

渡邊「今年は総合的に皆さんに楽しんでもらえるイベントを目指していて、それに向けて委員一同頑張ってます。ジャズはもちろん、そうじゃない部分でも楽しんでもらえるところが多いかなって思うので、いろんなかたちで気軽にハーバーランドに遊びにきていただければと思います」

青木「今年のSJCのテーマは『つたえる』なんです。昨年は『ひろげる』で、広がったものに僕たちの意思とか演者の気持ちをお客さんに伝えて、お客さんたちの気持ちがまた僕たちに伝わる、そういうハートフルなSJCを目指しておりますので、それが実現できるよう頑張ります」

小林「今年は例年と比べて、私達が『お願いします』というよりも、声をかけていただいて実現するものが多くて、これからも今年のテーマ『伝える』のように、私達が伝えて、向こうからも返ってくる、その最初の重要な一歩にできたらいいなと思ってます。喫茶企画も、お店の方が出店したいと言ってくれて実現する企画なんです。演奏の方でも、今年で12年目を迎えて、SJCがあるから組んだバンドというのも結構ありまして。これからもSJCがきっかけで何かを始めるっていう方が増えるように、そんなイベントになるようがんばります!」

── OBの下村さんも後輩の皆さんにエールをお願いします。

下村「前向きに楽しく、明るく取り組んでいるなあというのが伝わってきて、今日は横で話を聞いててすごく楽しかったです」

渡邊「ありがとうございます!」

下村「私も今、デンソーテンの有志でつくったビッグバンドで、NABL(西日本アマチュアビッグバンド連絡会コンサート)という社会人のイベントに出ています。NABLは30数年続いているイベントなんですけど、ずっと1人の人がトップで運営されてるんです。そういうのを見ていて、自分が大学生のときにも思ってたんですけど、学生イベントって2年で委員が変わるってすごく短いですよね。でも、それを前向きに捉えて、毎年カラーを変えてやることができる。私が委員長としてやっていたJAZZ PARTYは屋内イベントだったので、企画は入れにくかったんです。飲食やりますって言っても、持って中には入れないですし。大阪城ジャズフェスもなにかしらそういうネックを抱えてると思うんですけど、それに比べるとSJCというイベントは街中を自由に使えて、いろんなことができるのが魅力ですよね。これまでも、DJを呼んだり、メリケンパークまで会場を広げたり、神戸まつりに参加したり、インスタグラムを使ったりと、いろいろな取り組みが積もってできているイベントなので、今後も挑戦を続けて欲しいですね。ぜひ頑張ってください!」

渡邊 青木 小林「ありがとうございます。頑張ります!」