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ジャズピープル

東京工業大学ロス・ガラチェロス

学生による学生ビッグバンドを紹介する企画。今回は、東京工業大学ロス・ガラチェロス(ロスガラ)。ロスガラと言えば、ラテン音楽とアロハシャツ。レギュラーバンドのリードアルトだけは毎年同じ、赤いアロハシャツを受け継ぐという伝統があるそうです。バンドマスター 橋本 魁さん(E年、レギュラーバンドマスター、Bongo)、コンサートマスター武井 奏さん(E年、レギュラーコンサートミストレス、2nd.Ts) にお話を伺いました。

interview

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赤いアロハシャツを受け継ぐ伝統





── 「東京工業大学ロス・ガラチェロス」について教えてください。

橋本「簡単にいうと、"ラテンジャズ"という音楽をやるバンドです。キューバやカリブ海の方にある、サルサやサンバといったラテン音楽にジャズの要素を取り入れたものです。ラテンジャズといっても種類は様々で、コテコテなものからコンテンポラリーなものまで幅が広いのが特徴です!日本で言えば、"熱帯JAZZ楽団"を思い浮かべていただければ近いと思います。」

──  ロスガラにはジュニアバンド・レギュラーバンドとありますね。

橋本「ジュニアについては、全体練習は週2回で、大体月に1回程度の演奏会やジョイントコンサートに向けて練習に励んでいます。土曜日は朝早くから練習があり、僕もJr時代は厳しかったです(笑)。レギュラーバンドは昼の1時から夜9時までと、かなり長い時間練習をします。1月に新しいレギュラーバンドが発足し、12月のリサイタルが最後の舞台です。活動期間を大きく「新歓期」「前期」「山野期」「後期」にわけて活動を行います。「大岡山さくらまつり」や「Dos Vientos(日大リズムさんとの対バン)」など、ロスガラならではのイベントに参加します。2018年度レギュラーにしかできないイベントも計画しています(笑)」

──  合宿はしますか?

橋本「年に2回、春合宿と夏合宿があります。春合宿はゴールデンウィーク期間に行い、新入生の御披露目がメインです。そこで新生ジュニアバンドは毎年「Tequila」と「Manbo No.5」、「The Chiken」という有名曲をレギュラーやOBに披露します。レギュラーは春合宿では練習というよりも山野に向けた選曲会議などを主に行います。夏合宿は毎年8月の前半に、春合宿と同じ場所で行いますレギュラーはもちろん山野本番に向けての練習、ジュニアは主に「はまちライブ」の練習をします。ジュニアは毎年「ステラジャム」には出場していないのですが、はまちライブに向けてそのぶん練習に熱心に取り組んでいます。」

──  今年のロスガラのレギュラーメンバーは他大学生が多いですが、どのような大学から集まっていますか?

橋本「僕自身が明治大学から来ていて、他には明治学院大学、慶應義塾大学、神奈川大学、國學院大学、洗足音楽大学、国立音楽大学など様々な学校から集まっています。」

──  橋本さんがロスガラに入ったきっかけを教えてください。

橋本「中高時代の吹奏楽部の先輩に、慶應ライトでトランペットをやっていた先輩がいて、その人から動画を見せてもらったりしてロスガラを紹介して貰いました。」

武井「自分の大学はジャズ研しかなかったのですが、一年生の後期にジャズ研の友達からビッグバンドに誘われたのがきっかけです。」

──  ロスガラといえば「アロハシャツ」ですが、その伝統はいつからあるんでしょうか?(笑)

橋本「明確にはわかりませんが、少なくとも四半世紀は続いてます(笑)部室に沢山あるというわけではなく、それぞれ自分で買います。僕がレギュラーに入ってから知った事なんですけど、レギュラーのリードアルトだけは毎年同じ、赤いアロハシャツを受け継ぐという伝統があるみたいです(笑)。」

──  今年のレギュラーバンドの特徴を教えてください

橋本「今年は一つコンセプトを掲げていて、それは"すべての人に愛されるロスガラ"というものです。毎年"山野で何位をとる"という目標を突き詰めて活動していますが、今年はそれだけでなく学バンの関係者の方々、OBの皆様、これからロスガラに入る可能性のあるような中高生の方々、はたまた音楽にあまり馴染みのないような人に"ロスガラがライブやるんだったら行きたい!"と言ってもらえるようなバンドを目指したいです。」

武井「"目立ちたがりが多い"ことですかね(笑)。各自がこういうことがやりたい、という考えを持っていると思います。」

──  他の学バンには負けないぞ!というものを教えてください!

橋本「これは自他共に認めるものかもしれませんが、「リズム隊の強固さ、グルーヴ」においてはOBの方々などから「ロスガラのリズム隊はこうあるべき」というものが明確に受け継がれていて、他バンドにはないと思います。」

武井「演奏面では、曲自体が楽しいものなので演奏する側も楽しみやすく、曲の雰囲気で暗くなってしまったりすることがないのがカラーですかね。それ以外の面では、ロスガラには"ファンが多い"のかなと思います。ロスガラだから好き、という方が結構いてくださるのでそれはとても嬉しいです。」

──  ロスガラのエモーショナルな演奏をするために心がけているものは何ですか?

橋本「個人的ですが、「いかに演じられるか」というところですね。もちろん演奏においてテクニック的な部分も大事ですが、視覚的に魅せるという部分で「演技」に近いようなパフォーマンスをして、お客さんの耳だけでなく目も心も奪っていくような演奏を目指しています。」

武井「本場のラテンは派手なものだけではなくシンプルなものもあり、そういった面も強調していく、というところです。人数が多いのでゴチャゴチャしがちですが、シンプルにかっこよく聴かせるのも大事ですね。」

──  今年の目標をお願いします!

橋本「先ほどの「すべての人に愛されるロスガラ」と繋がるかもしれませんが、山野で「学バンアワード」を受賞したいと思っています。学バンアワードはもちろん順位には直接関係ないですが、同じ学バンの関係者が認めるような演奏を心がけていきたいです。あとは、「ロスガラといえばこれだ!」というものにプラスアルファで今までになかったことに取り組み、お客さんを驚かせていきたいですね。」

武井「山野において、"申し分ない演奏"ではなく"印象に残る演奏"をしたいです。"今年のロスガラはこうだったね"と言葉にしてもらえるように、私たちが伝えたいことをそのまま演奏に出せたらいいなと思います。」

──  最後にお二人にお聞きします。ジャズをしていて楽しいと思う瞬間を教えてください。

橋本「演奏中に目が合ったりすると心にグッときます。そういうところが皆と作る音楽の醍醐味だと思っています。言葉じゃないけど繋がっているという感覚が好きです。」

武井「難しいですが、例えばサックスにできないことをブラスがやったりその逆だったり、ホーンがそれぞれにできないことを補完しあって、それをリズム隊が繋げることで一つの音楽を作っていくという部分ですね。」

──  本日は、お忙しいところありがとうございました。

Written by Ryuta Uchida
※2018/6 インタビュー時点の情報です。

information

東京工業大学Los Guaracheros(ロス・ガラチェロス)

[About us]
ロス・ガラチェロスは東京工業大学に所属するラテンジャズビッグバンドサークルです。ラテンジャズとは主にカリブ海に面した国々で生まれた「ラテン音楽」に即興演奏や複雑なハーモニーなどに代表される「ジャズ」の要素を加えた音楽です。一般的にBigBandというとTrp.(4〜5人)、Trb.(4人)、Sax(5人)、Drums、Bass、Pf.、Gt.(各1人)を基本構成とした演奏形態のことをいうのですが、ロスガラではそれにBongo、Conga、Timba.などのラテンパーカッション等を加え、熱い演奏をお送りしています。

[Reg.バンドとJr.バンド]
ロスガラはレギュラーバンドジュニアバンドに分かれています。Reg.バンドは3年生を主体としており、実力によっては1・2年生でも入ることができます。Jr.バンドは1・2年生全員が所属しており、ここでしっかり下積みをします。また楽器経験者:初心者=1:1なので初心者の方でも気兼ねせず演奏に参加することができます。サークルで貸し出しできる楽器もあります。

[練習]
Reg.バンドの練習は水曜日の授業終了後と土曜日の午後で、Jr.バンドの練習は月曜日の授業終了後と土曜日の午前中です。個人練習は毎日可能です。

[演奏会]
ロスガラは年間を通して多くの演奏会に参加します。Reg.バンドは毎年8月上旬に開催される山野ビッグバンドジャズコンテストや12月上旬に開催される太田市JazzFestivalなどの大会を目標に練習をしています。Jr.バンドは、他大学の学生バンドが参加するジョイントコンサートや東工大の講堂で行われる春・夏の録音会に向けて練習をしています。

[Website / SNS]
公式webサイト
@LosGuaracheros1
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