EMIKO MIZOGUCHI / Powerful Singing Voice
パワフルな歌声に包まれて
今回のKOBE JAZZ PEOPLEのゲストは、ジャズシンガー溝口恵美子さん。
伸びのある歌声と親しみやすいステージング、その歌唱力は「関西でも屈指」といわれる実力派シンガーの一人です。
ステージではとても大きく見えるのに、実際にお会いするとむしろ小柄で華奢な女性。そんな彼女のどこに、たくさんの観客の心を揺すぶる力があるのか…?
今回は、そんな溝口さんの魅力の秘密に迫ります。
person
ジャズシンガー 溝口恵美子さん
兵庫県姫路市生まれ。大阪音楽大学在学中にジャズと出会い、学内のビッグバンドにボーカリストとして参加、以降本格的にジャズボーカリストとして活動を開始。セッション多数、関西を中心に、東京・名古屋でも精力的にライブを行なっています。
2001年、作曲家・ベ-シストの木村知之氏のオリジナルバンド「キムサク」に参加。また2002年には「第3回 神戸ジャズボーカルクイーンコンテスト」でグランプリを受賞しています。
Janette.jp 溝口恵美子さんのオフィシャルサイトはこちら。
commentary
クラシックからジャズへ
お話をうかがったのは、神戸元町・風月堂。地下にある風月堂ホールでのライブ直前でした。
長い黒髪、クルクルとよく動く瞳。
まるで少女のような溝口恵美子さんのボーカルはとてもパワフルで大人っぽい。そのギャップに、思わず魅了されてしまいます。
そんな溝口さんのジャズとの出合いは。大阪音大時代のこと。
もちろんそれ以前にもジャズは聴いていたそうですが、それはあくまで「CD で聴く音楽」だったそうです。
ピアノを弾いていた友人に、たまたま連れていかれたのがジャズのライブ。その出合いが、ジャズに引き込まれていくきっかけだったようです。

「自分の音楽」をずっと探していたという溝口さん、そのライブを見た時に「あ、これかもしれない…!」と思ったそうです。
ジャズの持つ自由度の高さ、時にファンキーで時に上品で、親しみやすくて、即興演奏がおもしろい…。
「自分の音楽を探しているのは今も昔も変わらないんですが…そのときはなんか、ビジョンが開ける感じがしたんですよね」
溝口さんはひとつひとつ言葉を探しながら、ジャズとの出会い、ジャズの魅力をそんなふうに語ってくれました。
好きなアーティストは…
そもそも溝口さんが音楽に興味を持つきっかけになったのは、子供の時にみた、某洋酒メーカーのTVCM。そこに起用されていたのは、オペラ歌手キャスリーン・バトル。
その歌声に魅了された溝口さんは声楽を学び始めますが、ヨーロッパ的な音楽にどことなく違和感も感じていたそうです。

そして今、好きなアーティストについて「たくさんいすぎて選べないですけど…」といいながらあげてくれたのがエラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロング。
二人ともとても暖かく、優しい人柄を感じさせるアーティストですね。
「初めて会った人とでも分かりあえ、長いおつきあいになる人もいるし、何度会っても通じない人もいます。結局のところ、音楽の魅力は「その人の人間性なのかもしれませんね」
溝口さんはそう結んでくれました。
長く、できるだけ長く
今後の夢は?とお聞きすると、特別に具体的なイメージはないとのこと。ただ、その時々の自分の気持ちに忠実に、「できる限り長く、ずっと歌い続けていきたいんです」と答えてくれました。意外な事にまだリーダーアルバムは作っていないという溝口さん、「今年のテーマは作曲!」とも。
これは、初のリーダーアルバムへのイントロダクションと思っていいですか??
ますますの活躍を期待しています。
特集「神戸ジャズ文化を彩る人々の魅力」 KOBE Jazz People