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ConcertReport・コンサートレポート

KOBE NEXT JAZZ COMPETITION 2011

第4回 神戸ネクストジャズ・コンペティション [決勝ライブ]/2011年10月15日(土) シーサイドホテル舞子ビラ神戸 あじさいホール

レポート
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 今年、早くも四回目の開催となる「神戸ネクストジャズ・コンペティション」。会場は明石大橋を望むシーサイドホテル舞子ビラ神戸、普段はリラックスした雰囲気のこちらも、今日だけはどこか緊張をはらんでいます。

 このイベントから生まれた数々の次世代ミュージシャンたちは、もうすでに現在のジャズのステージで活躍を始めています。音源による審査を通過し、決勝はライブステージで競われます。今年は海外からの参加を含め決勝には14名のミュージシャンが残りました。審査員は小曽根実さん(ジャズピアニスト)、古谷充さん(ジャズサキソフォニスト)、宗清洋さん(ジャズトロンボニスト)、日下雄介さん(日本学校ジャズ教育協会理事長)、宮崎隆睦さん(サキソフォニスト・元T-SQUARE)、フィリップ・ストレンジさん(ジャズピアニスト)の6名。MCはこのイベントでもおなじみ、FM COCOLO DJ、クリストファー・マイケル・ノットさんです。

 クリスさんの開会アナウンスの後、早速の登場はギターの高野康さん。曲目はスタンダード中のスタンダード、Satin Doll。続いて同じギターで海外からの参加は、ニューヨークでジャズを学んだというJesse Forestさん。続いて、ジャズのスター楽器、アルトサックスでの参加が杉本陽拓さん、山本昌さん、市川海容さん、坂田雅枝さんの4名。4番目に登場した山本昌さんの演奏には、同じアルトサックスプレイヤーである古谷充さんからのかなり具体的なアドバイスが出ていました。6番目に登場の坂田雅枝さんは、女性的な情緒と力強さを感じさせる演奏、会場からも大きな拍手が湧きました。印象的だったのは7番目にステージに立った陸悠さんのテナーサックス。完全にソロの演奏に驚いた観客も、いつのまにかその演奏に引き込まれ、思わず体を動かしていました。

 休憩を挟んでさらに審査は続きます。8番目に登場は女性ドラマー、冨永千紘さん。トロンボーンでの参加は中山雄貴さんと今西佑介さん。審査員の宗清洋さんがトロンボーン奏者ということもあり、内容の濃い講評に会場からも思わず声がもれていました。

 ピアノでの参加は4名、ロンドンとパリとを行ったり来たりする演奏活動をしているというJim Funnellさんはチェックのシャツにジーンズというカジュアルないでたち、さすがにこなれた演奏を聴かせてくれました。12番目の二見勇気さんが登場すると、会場からは「二見さーん!」という応援の声。すでにファンを獲得しているようでした。審査員の小曽根実さんも「いやあ、実にうまいねえ!」と絶賛。13番目の城門芙美子さん、秦野萌さんの演奏と審査は続き、緊張と興奮の中で決勝ライブは終わりました。さすがジャズの街・神戸、どの参加者もレベルの高い演奏を聴かせてくれました。

 別室での審査の間、会場を湧かせてくれたのは、歴代の受賞者、いうならば卒業生によるゲストライブ。大友孝彰さん(ピアノ・第1回グランプリ)、高橋知道さん(サックス・第2回グランプリ)、福代亮樹さん(サックス・第3回グランプリ)にベースの坂崎拓也さんとドラムの佐藤英宜さんを加えて華やかに、そしてさすがの力量でジャズファンを盛り上げてくれました。

 さていよいよ審査発表。参加者の鼓動が会場にも聞こえるようです。
準グランプリは陸悠さん(テナーサックス)と今西佑介さん(トロンボーン)のお二人。グランプリは市川海容さん(アルトサックス)に決定しました。審査委員長の小曽根実さん・古谷充さんの、「演奏レベルは大変高くなっている。でもこれからは人間性が評価されることになるはずで、その向上をめざしてほしい」との総評は印象的でした。

 授賞式の間に解けた緊張は笑顔と歓声に変わり、今年の「神戸ネクストジャズ・コンペティション」も幕を下ろしました。受賞者だけでなく、参加者全員のこれからの活動が楽しみですね。

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[グランプリ]市川海容(アルトサックス)


[準グランプリ]陸悠(テナーサックス)


[準グランプリ]今西佑介(トロンボーン)

出演者

  • 01. 高野康(ギター)Satin Doll
  • 02. Jesse Forest(ギター)Invitation
  • 03. 杉本陽拓(アルトサックス)Confirmation
  • 04. 山本昌(アルトサックス)DonnaLee
  • 05. 市川海容(アルトサックス)Cherokee
  • 06. 坂田雅枝(アルトサックス)Left Alone
  • 07. 陸悠(テナーサックス)Delta City Blues
  • 08. 冨永千紘(ドラム)Blue Bossa
  • 09. 中山雄貴(トロンボーン)In The Still Of The Night
  • 10. 今西佑介(トロンボーン)Moment's Notice
  • 11. Jim Funnell(ピアノ)Fuji
  • 12. 二見勇気(ピアノ)Body&Soul
  • 13. 城門芙美子(ピアノ)Cheryl
  • 14. 秦野萌(ピアノ)Bolero