音づくりに携わり続けて半世紀の富士通テンが、今後の社会を支える若者達を「音・音楽」を通じてサポートしたいという想いではじまった授業スタイルのイベントがECLIPSE Master Class。この活動は、一般的なマスタークラスのようにプロを講師として招いた授業の場を提供するだけでなく、大学、学生、ミュージシャンと富士通テンが、当社の技術やノウハウを活かしながら共同でつくりあげる音楽をキーにした新しいスタイルの授業になっています。
2008年12月に大阪大学と共催で第1回目を実施してから、5回目の開催を迎える今回は、シカゴにあるコロンビア芸術大学と共催でNew York Voicesのメンバーとしてグラミー賞受賞歴もある世界的に著名なシンガー／ピアニストのPeter Eldridge氏を講師に招いて実施しました。
ECLIPSE Master Classの上記コンセプトどおり、イベントの企画やプロモーション、当日の運営まで共催元のコロンビア芸術大学学生が主体的に取り組んで学生による学生のための特別な授業が実現しました。
29日の一般公開ECLIPSE Master Classで共演するPeter Eldridge氏のオリジナル曲を熱心に指導。「私のように歌うことを目標にするのではなく、それぞれの自分の声を見つけることが目標です」と語ってくれたように、学生が自信をもって歌えるような、熱心だけれども温かい雰囲気で授業が行われました。
※授業の様子はこちらの公式サイトで動画がご覧になれます。
ECLIPSE Master Class 授業風景
優れたピアニスト・ボーカリストとしてだけでなく、コンポーザーとしても数多くの素晴らしい作品を生み出しているPeter Eldridge氏が作詞・作曲のクラスにも特別講師として参加。はじめにPeter Eldridge氏が自身の楽曲を作曲の背景とともに学生に披露。その後は学生が作曲した曲を学生自身が演奏し、楽曲についてPeter Eldridge氏が学生にアドバイスをしました。学生たちは新しい視点での指導に熱心に聞き入っていました。
※授業の様子はこちらの公式サイトで動画がご覧になれます。
ECLIPSE Master Class 授業風景
企画学生メンバーによる司会ではじまったECLIPSE Master Classは、音響セッティングから受付、会場設営まで全てのプロセスが学生の手作りで進みます。
まずはPeter Eldridge氏によるパフォーマンスで開始。Peter Eldridge氏の美しい声にぴったりのオリジナル曲を中心とした楽曲構成で観客を魅了します。コピー用紙のダンボールをパーカッションがわりに、ボーカルとダンボールのみを使って演奏されたFull Grown Manなど、バラエティ豊かな楽曲で最後まで全く飽きさせない演出で観客を楽しませてくれました。
最後のWarm Decemberでは、27日に指導を受けた生徒がPeter Eldridge指揮のもと楽曲を披露し、最後を締めくくるにふさわしい大きな盛り上がりの中演奏を終えました。
1.Do Nothin till you Hear from Me (Duke Ellington) 2.Postcards & Messages (Peter Eldridge) 3.That Which Can’t Be Explained (Eldridge) 4.Sunday Driver (Eldridge) 5.Gentle Rain (Luiz Bonfa) 6.Mad Heaven (Eldridge) 7.Close (Eldridge/Coons) 8.Full Grown Man (Eldridge) 9.For All We Know (arr Eldridge) with a quartet of Columbia College Chicago Alumni and Martez Rucker a music faculty on the piano quartet. 10. Warm December (Eldridge)
パフォーマンスの後は、ボーカルクラスの学生一人ひとりにPeter Eldridge氏が個人レッスンを実施。普段は見ることができないボーカルを学ぶ学生の成長を目の当たりにでき、貴重な体験に観客の皆さんも十分に楽しんでいました。
今回さまざまな形で授業を受け持ち、また学生とともに演奏する機会を持ちましたが、全ての活動を本当に楽しむことができました。学生たちは学ぶ意欲が大変高く、新しいアイデアにとてもオープンで一緒に学ぶことができた経験は私にとっても良い経験となりました。
さまざまな分野の学生たちが、このようなクリエイティブな機会を持てたことに大変感謝しています。ボーカルレッスンの学生はPeter Eldridgeの直接レクチャーを受けたり、音響工学の学生は、富士通テンの素晴らしいスピーカにふれることができたり、そのほかにもプロダクション関連で本当に多くの学生たちが参加し、全ての学生の糧になったのではないかと思います。
※Peter Eldridge氏へのインタビューは公式サイトで動画をご覧になれますので是非アクセスしてみてください。
ECLIPSE Master Class インタビュー
※2009年11月に大阪大学と共催で実施したECLIPSE Master Classも、KOBEjazz.jpで紹介しています。
コンサートレポートvol.45はこちら
