2010年10月3日、明石市で開かれた『TACOTACO JAZZ FESTIVAL』も5回目を迎えることとなりました。前夜祭を含めて2日間の開催となったのは、市民の方々や明石以外のジャズ好きの人々にも、親しみのある手作りジャズフェスティバルとして定着してきたからでしょう。
今年は魚の棚商店街内・「ギャラリーであい」に加えて、なんと明石城のまさにお膝元、明石公園西芝生広場・特設能舞台をメイン会場とした開催。
あいにく当日は雨が降ったりやんだりという天気、それにも関わらずたくさんのジャズ好きが会場に駆けつけました。
メイン会場の特設能舞台では兵庫県を中心に活動中のビッグバンドが、魚の棚商店街内・ギャラリー出会いではスモールコンボが、時にジャムセッションを交えながら楽しい演奏を繰り広げました。
中でも能舞台会場では、ゲストに元・Tスクエアの宮崎高睦さんを迎えての演奏とあって、各出演バンドのメンバーも仲間内だけではない心地よい緊張感を抱いているようでした。
フェスティバルを目当てに集まったジャズファンに加え、公園を散歩中の人々や、新鮮な魚を求めて買い物にきた人、観光で明石にやってきた人々も、思いがけない楽しいイベントに出会えて、秋の一日をいっそう楽しんだことでしょう。
●メイン会場
MATE JAZZ ORCHESTRA
EVERGREEN JAZZ ORCHESTRA
Jazz Big Band ブルーサウンズ135
S.F.BIGBAND
メインストリームジャズオールスターズ(コンボ)
ジャズパーティビッグバンド(高校生)
Twinkle Jazz Orchestra+宮崎高睦
POCCHIスペシャルビッグバンド
●サブ会場
瀬戸敬二ピアノトリオ 他
そんな舞台でのビッグバンド・ジャズの演奏とはなんともミスマッチでユニークな取り合わせ。長い活動歴を誇るバンドから高校生を中心にしたバンドまで、多彩なメンバーが勢揃い。
おなじみのスタンダードはもちろん、人気アニメの主題歌をジャズアレンジした曲やボーカルを加えた演奏など楽しい演出も満載で、ジャズの楽しさを発見した観客も多かったのでは…。
中でも圧巻は、去年に続いて元・Tスクエアの宮崎高睦さんを迎えたセッション。
EARTH WIND&FIREの名曲「SEPTEMBER」はメンバー全員の力が思い切りこもった熱い演奏となりました。
圧倒的なパワーとその音色に、聴衆の誰もが思わず体を動かしてリズムをとっていました。
雨は小やみになったり、時には強く降ったり風も出たり…けっして屋外演奏向けとは言えないコンディションの中、それでも熱心なファンはカサをさしたりレインコートを羽織ったりしながらも客席を後にはせず、ビッグバンドの演奏を楽しんでいました。濡れた客席を一生懸命に拭いてまわるイベントスタッフの姿も印象的でした。
メイン会場とはがらりと雰囲気を変えて、こちらはスモールコンボの演奏。普段はギャラリーをいうこのスペース、そこはかとなくアートな香りがします。
香りがするのはアートだけでなく、入口にあるのは明石焼きやコーヒーを楽しめるお店とあって、おいしい香りがもう入場前から辺りにただよっています。
スモールコンボとあって、ジャムセッションはお手の物、ミュージシャンだけでなくスタッフの方からも「この曲やりたい人はいらっしゃいませんか?」「楽器やりたい人は?」なんて声がかかります。「いつもはここで明石焼き焼いてます」というスタッフの方の演奏もあり、また折々には楽器ケースをかかえた人も訪れ、楽しいセッションが繰り広げられていました。演奏は魚の棚商店街にも流れ出し、何だろう?とのぞき込む人の姿も見受けられました。