Concert Report

あいにくの雨模様の中、梅田の町並みを南森町方面へのんびりと歩を進めると、雨粒を照らし幻想的に輝く梅田Alwaysの看板が。
今夜行われるステージでは、タップダンスとジャズの融合を楽しめるという事で、一体どんなパフォーマンスが繰り広げられるのか期待が高まります。心躍らせ店の扉を開けると、開演の30分前にも関わらず、既に期待を滲ませたオーディエンスの皆さんが、店内で最もステージを楽しめる位置の席を埋めていました。思い思いに料理やお酒を楽しみながら、ライブが始まるのを待ち焦がれる空気をひしひしと感じます。

今夜ステージに上がるのはタップダンサーの丹精さん、パーカッショニスト池田安友子さん、 ピアニスト朱恵仁さん、ベーシストのZingoroさん。「丹精ssion（タンセッション）」とは数多の一流ミュージシャンとの一期一会が魅力である、丹精さん企画のsessionということで、その名の通りまさに一流の名に相応しい4人が登場するのです。開演時刻が迫るにつれ、店内の熱も高まる中でやがて照明が落ちればまず池田さん、朱さんが登場し幻想的なリズムに旋律を重ねます。次第にZingoroさんのベースが艶やかな低音で店内を彩り、更に丹精さんのタップの音が交わり始め、思わず身体を揺らし、リズムを刻んでしまう人も…。
国内・海外問わず年間250本以上（！）のライブをこなすという丹精さんが刻む、洗練されたタップダンスと、軽やかなピアノの旋律に会場の熱は上昇し続けます。
タップだけではなく、手拍子や口笛、カシシなどの打楽器を駆使し、全身を楽器のように鳴らす丹精さん。魔法のようなリズムにすっかり釘付けになった客席の皆さんは、思わずグラスを置いてステージに見惚れています。ステージと客席がフラットなのも心地良く、テーブルを挟んだすぐ目の前で繰り広げられるパフォーマンスに、すっかり魅了されている様子。
まるで楽器との対話を愉しむように、アドリブで鳴らし合う4人の音の交わりは、次にどんな展開を見せて来るのか、わくわくと緊張で息をつく暇も無いほどです。
ステージに魅せられ世界観へ引き込まれた頃、和やかな笑顔でMCに入った丹精さんは、大阪の珍味など地元にちなんだ話題でまた客席を盛り上げます。
「どて焼きは珍味だよね」など楽しいトークで笑顔を誘い、より一体感の増した会場内は再び始まった演奏に更なる盛り上がりを見せ始め、全神経がステージへ惹き付けらるかのよう。「イパネマの娘」や「Suite Sandorine」などの耳馴染みのある名曲を組み込みながらも、丹精さん作曲のオリジナリティ溢れる軽やかなメロディは、いつまでも聴いていたいような心地良さがあります。
まさにあっという間のステージ。ジャズとタップという、少々難しいのかなと思わせるイメージを覆してしてくれる、軽快で時に扇情的なリズムの波に身を委ね、グラスを傾けるのは素晴らしく最上の時間でした。

心躍るまま店を出れば雨は一層強まっていましたが、そんな雨音のリズムすらも今夜の余韻を楽しむには心地良いものに。
今後も精力的にライブ活動を続けて行く丹精さんの、心躍るリズムの世界がより一層広がっていくのが楽しみです。

イパネマの娘
Whistle by（丹精作）
Boompa （丹精作）
Good Day（朱恵仁作）
Suite Sandorine ミシェルカミロ
Tap solo
枯れ葉×紅葉
凛（丹精作）
Land Song（丹精作）

丹精オリジナル曲収録
「東京鮮烈sess!on」1st album「Brothers' vibe」
ライブ会場のみで直接販売 https://www.tanseitap.com/news/東京鮮烈sess-on/

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