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コンサートレポート

第34回 ジャパンステューデントジャズフェスティバル
■2018年8月17日(金)・18日(土)・19日(日) 神戸文化ホール 大ホール[神戸市・中央区]

  • [ 中学生の部 ]
    ベストサウンド賞(デンソーテン賞):名古屋市立守山西中学校
    セントルイス ブルース
  • [ 中学生の部 ]
    神戸市長賞:阿南市立阿南第二中学校
    ブルーボッサ
  • [ 高校生の部 ]
    ベストサウンド賞(デンソーテン賞):愛知中学・高等学校
    ジャガーノート
  • [ 高校生の部 ]
    神戸市長賞:伊丹市立伊丹高等学校
    ザ ギャザリング スカイ
  • [ コミュニティ部門 ]
    神戸市長賞:名古屋小中学生ビッグバンド
    タイムストリーム

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レポート

アンサンブルのように心を一つに、ビッグバンドの甲子園

 第34回ジャパンステューデントジャズフェスティバル2018が、8月17日(金)・18日(土)・19日(日)の3日間、神戸文化ホールで開催されました。今年は中学生の部18校、高校生の部29校に加え、クラブとしてのジャズバンドがなくても地域で活動している、小・中・高校生を対象としたコミュニティ部門を新設し、50校が参加しました。また、会場内には、兵庫県政150年の歩みとともに、日本のジャズ発祥地、神戸の歴史を紹介したパネルが展示されました。
 ジャズへの想いが伝わるステージ終了後のインタビューでは、悔いなく満足感いっぱいの笑顔と、演奏を終えた安堵感に包まれ、去年のステージを見て、出たかったと初出場を果たした学校や、同じ曲を演奏する他校のバンドを意識し、刺激を受けたという学生も見られました。管楽器は音を意識し、ベースは雰囲気づくりを心がけて演奏するなど、各校が工夫を凝らした演奏になりました。

 注目のゲストライブ初日は、リーダーの広瀬未来のもとに集まった、ステューデントジャズフェスティバル出身者で結成された「広瀬未来&SJF REUNION BAND」に日本人で初めてブルーノートレーベルと契約を結び、世界で活躍するトランぺッター、黒田卓也を迎え、2日目は甲陽とバークリーを卒業し、プロとして活躍する若手ミュージシャンが集まった「甲陽&バークリー GRADUATES BAND featuring 纐纈歩美」と、結成33年目を迎えた「Modern Times Big Band with 北浪良佳の2組が登場。3日目は甲陽が誇る一流の講師陣を代表し、この日のために特別に結成された「甲陽 DIRECTORS BAND featuring 古谷光広&広瀬未来」と、ディズニーの名曲を楽しませてくれた「野々村明&The Global Jazz Orchestra」による豪華なステージで盛り上がりました。

 中学生の部の神戸市長賞は、阿南市立阿南第二中学校「Green Jazz パラダイスオーケストラ(徳島)が受賞。徳島で唯一の中学生ジャズバンドとして「今できる最高の演奏」を披露し、笑顔いっぱい、元気いっぱいのステージになりました。ベストサウンド賞(デンソーテン賞)は、名古屋市立守山西中学校「ジャズアンサンブル部」(愛知)が受賞。創部18年目を迎え、スタンダードなスイングジャズに加え、ラテンにもトライし、アドリブソロもカッコよく決めて、日頃の練習の成果を発揮しました。
 高校生の部の神戸市長賞は、2年連続で伊丹市立伊丹高等学校「ICHI☆ITA JAZZ Ensemble」(兵庫)が受賞。70人の部員を誇り、明るく笑顔が絶えないクラブの雰囲気そのままに“イチイタ”らしいジャズアンサンブルを見せてくれました。ベストサウンド賞(デンソーテン賞)は、愛知中学・高等学校「愛知中学・高校吹奏楽団」(愛知)が受賞。長い間、苦楽をともにした3年生を中心としたメンバーで心を一つにした演奏を聴かせてくれました。
 新設されたコミュニティ部門の神戸市長賞は、2009年に結成し、学校に所属しない名古屋と、その近郊の小・中学生によるビッグバンドとして上位入賞する実力バンドの名古屋小中学生ビッグバンド「Little Hills Jazz Orchestra」(愛知)が初受賞となりました。

 審査を務めた宗清洋さんは「実力が伯仲する中で、リズムセクションが際立った学校が上位に入ってきました。ドラム、ベース、ピアノは、20名近いバンドを引っ張っていく使命があります。メロディーでは多くのソリストが登場し、いろいろなパフォーマンスを見せてくれましたが、美しい曲は美しく、楽しい曲は楽しく表現することが大切です。ハーモニーはいろいろな音が重なっていく中で、音を理解して表現すれば、より深い表現になります。リズム、メロディー、ハーモニーを大事にした演奏を心がけてほしい」と、各校の演奏を讃えました。
 日本のジャズ発祥地、神戸の夏を彩るイベントとして長く定着し、大人の音楽といわれるジャズを、中学生、高校生の若い感性で演奏し、優劣がないところで点数をつける難しさ。音楽は気持ちと技術のバランスであり、気持ちを伝え、さらに、すばらしい演奏にするために基本の技術に立ち返って演奏に生かしてほしいとエールを贈る。そして、新設されたコミュニティ部門によって、これまで以上にジャズ演奏ができる環境が整い、来年以降のステューデントジャズフェスティバルへの期待も大きく膨らみます。

受賞結果

ベストサウンド賞(デンソーテン賞)中学生の部

名古屋市立守山西中学校

ベストサウンド賞(デンソーテン賞)高校生の部

愛知中学・高等学校

神戸市長賞 中学生の部

阿南市立阿南第二中学校

神戸市長賞 高校生の部

伊丹市立伊丹高等学校

神戸市長賞 コミュニティ部門

名古屋小中学生ビッグバンド

出演

中学の部
(1日目)1.関西大学北陽中学校(大阪)/2.八幡市立男山東中学校(京都)/3.神戸市立葺合中学校(兵庫)/4.高槻市立冠中学校(大阪)/5.西宮市立西宮浜中学校(兵庫)/6.堺市立野田中学校(大阪)/7.神戸市立原田中学校(兵庫)/8.津市立東橋内中学校(三重)/9.海南市立東海南中学校(和歌山)/10.広島学院中学校(広島)/11.矢掛町立矢掛中学校(岡山)/12.名古屋市立守山西中学校(愛知)/13.名古屋市立若葉中学校(愛知)/14.西宮市立学文中学校(兵庫)/15.名古屋市立本城中学校(愛知)/16.阿南市立阿南第二中学校(徳島)/17.津市立南郊中学校(三重)/18.甲南中学校(兵庫)
高校の部
(2日目)1.柳井学園高等学校(山口)/2.神戸村野工業高等学校(兵庫)/3.兵庫県立尼崎西高等学校(兵庫)/4.京都府立大江高等学校(京都)/5.和歌山県立粉河高等学校(和歌山)/6.AICJ中学・高等学校(広島)/7.鳥取県立岩美高等学校(鳥取)/8.和歌山県立日高高等学校(和歌山)/9.神戸市立六甲アイランド高校(兵庫)/10.愛知中学・高等学校(愛知)/11.関西大学北陽高等学校(大阪)/12.蒼開中学校高等学校(兵庫)/13.甲南高等学校(兵庫)/14.名古屋市立工芸高等学校(愛知)
(3日目)1.広島県立福山工業高等学校(広島)/2.愛知県立尾北高等学校(愛知)/3.宮崎県立都城工業高等学校(宮崎)/4.エスコラピオス学園 海星中学・高等学校(三重)/5.広島学院高等学校(広島)/6.石田学園星城高等学校(愛知)/7.高知県立四万十高等学校・四万十町立大正中学校(高知)/8.愛知県立起工業高等高校(愛知)/9.大阪府立泉陽高等学校(大阪)/10.兵庫県立国際高等学校(兵庫)/11.兵庫県立高砂高等学校(兵庫)/12.名古屋市立工業高等学校(愛知)/13.京都府立工業高等学校(京都)/14.名古屋市立向陽高等学校(愛知)/15.伊丹市立伊丹高等学校(兵庫)
コミュニティ部門
(2日目)1.神戸ユースジャズオーケストラ(兵庫)/2.名古屋小中学生ビッグバンド(愛知)/3.名古屋高校生ビッグバンド(愛知)

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