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コンサートレポート

maikoソロツアー le voyage
■2018年3月18日(日)神戸・GREAT BLUE

レポート

バイオリンを心ゆくまで堪能できる一夜。

 東京を中心に幅広く活動されているジャズバイオリニスト・maikoさんによる、バイオリンソロライブが3月18日神戸・三宮にあるジャズのお店GREAT BLUEで開催されました。ご本人もJazzPeopleのインタビューでお話されていたように、バイオリンで、しかも1曲ではなく2ステージ丸々ソロでライブを、そしてなんと東京・名古屋・大阪・神戸というミニツアーで回るという前代未聞のライブの模様をお届けします。

 出身が神戸ということもあり、GREAT BLUEでのライブはお馴染みということで、長年のファンから初めての人、東京から来られた熱いファンやお友達と幅広い層が集まり、和やかな雰囲気でライブがスタート。

 maikoさんがバイオリンを構えると静まる店内。バイオリンの繊細かつ情熱的な音が響きます。バイオリンの音色ってこんなに美しいんだと改めて気付かされるmaikoさんの演奏。ソロということもあって一音一音、噛みしめるように聴き入ってしまいます。スタンダード曲「beautiful Love」の後のMCでは「曲は一応決めてはいるけど、気分じゃなければ曲も変えられる。誰にも文句言われないのがソロのいいところ」とお客さんの笑いを誘います。続いてはチック・コリアの「La Fiesta」。この曲をソロバイオリンで!?というのもこのツアーの醍醐味。スパニッシュな雰囲気がバイオリンの音色によく合います。

 「一人で演奏するのは自由なはずなのにそうじゃない。いかに自由な発想で音を出せるかを大切にしてるけど、なかなか難しいことですね」とmaikoさん。1ステージの最後はオリジナルの「月影」を即興で。目を閉じると、ゆっくりと雲が動いて月が見え隠れする、穏やかな夜空が浮かんでくるムーディーな一曲。トリオで聴くのとはまた違った魅力が感じられます。

 休憩を挟んで2ステージ目のスタートは「Moon Bridge」。月という言葉が入る曲名が多いmaikoさんのオリジナル曲、改めてバイオリンだけでじっくり聴くとその音色はイメージぴったり。そしてスタンダード曲「I've never been in love before」。ピアノでは踊るような音符が楽しい一曲をバイオリンでも再現。うってかわってバイオリンらしい伸びやかで美しい響きが楽しめるオリジナル曲「茜の花咲く頃に」。MCを挟んで「Motion Blue」、これはmaikoさんにとって一番古いオリジナル曲なのだそう。アンコールはチック・コリアの「Spain」。ジャンルに関わらずさまざまな編成で演奏されている言わずとしれた名曲ですが、まさかこの曲をバイオリンソロで聴けるとは!

 オリジナルからスタンダードと、最後までmaikoさん尽くしの一夜。ジャズバイオリンの魅力を存分に楽しませてくれたソロライブでした。







  • The Duo / maiko : ジャズバイオリンライブ
  • Indigo Waltz / maiko : ジャズバイオリンライブ

お知らせ

[ maiko ライブ情報 ]

北浪良佳 SPECIAL LIVE feat.maiko(from東京)@神戸
日時:2018年5月26日(土)20:00~
場所:GREAT BLUE(神戸市中央区琴ノ緒町5-5-29 三経ビル地下1階) http://www.livehousegreatblue.com/
料金:¥3,500
出演:北浪 良佳 (Vo) 神戸ジャズヴォーカルクィーングランプリ、maiko (Vln) from東京、越山 満美子 (P)、木村 知之 (B)、佐藤 英宜 (Dr)


その他、最新情報、ライブ情報については公式webサイトをご覧ください。



[ maiko リリース情報 ]

ジャズ・バイオリニト・マイコ・トリオ・ライヴ! スリー
Tracks
1.Voyager / maiko
2.You And The Night And The Music / Arthur Schwartz
3.Under The Moon / maiko
4.風音 / maiko
5.月影 / maiko
6.We Will Meet Again / Bill Evans
7.Eternally / maiko
8.Three / maiko
maikoトリオライブ「Three」。日本フュージョン界の黎明期からそのトップを走り続けるギタリスト、宮野弘紀。多方面からの共演オファーで息つく間もない人気ピアニスト、伊藤志宏。二人の鉄人が支えるmaikoのバイオリンはあたたかい音色とリリカルなプレイで、聴く者の心をとらえ、瞬時に虚空の高みへ引き上げる。そんな極上のライブがついにハイレゾ化。このトリオでのレコーディングは4年ぶり。前作“Hope"以来ライブを重ね、磨き抜かれたそのサウンド、3人の感性が紡ぎ出す荘厳な物語を、ハイレゾレコーディングにより音の向こう側までを余すことなく収録。maikoの未発表曲を含む珠玉のオリジナルと、厳選したスタンダードナンバーで構成。魂の息遣いが聴こえる。
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出演

ジャズバイオリン maiko
神戸市御影出身。3歳からバイオリンを始める。京都市立芸術大学音楽学部卒業。

1999年4月、上京。ジャズ・バイオリニスト寺井尚子氏のライブに通いつめ、アドバイスを受けながらジャズ・バイオリンを独学で習得。
1999年12月、第19回浅草Jazzコンテストでベストプレイヤー賞を受賞。自身のバンドを組みライブ活動を開始する。
2001年10月、横濱ジャズプロムナード、ライブ・コンペティション本選大会で向井滋春賞を受賞。

2001年12月~2003年1月まで吉川よしひろのザ・チェロアコースティックスに在籍、同時期フュージョン・バンドRed Lotusでエレキ・バイオリンを演奏。改めてジャズ理論をピアニストの福田重男氏に師事。そのリリカルでハートフルなプレイは、わが国ポピュラー・バイオリンの第一人者中西俊博氏も絶賛。

パーカッションの横山達治バンドに2004年11月~2007年9月まで在籍。2001年からの8年間で2,000回を超えるライブ・パフォーマンスを行い、自己のスタイルを確立する。現在首都圏のライブハウスを中心に自身がリーダーのライブ活動をするとともに、Trump、じゃず撫子、SJS、Melody Cascade他、多くのバンドやセッションに参加。

ウィリアムス浩子、青木カレンなど、ボーカルサポートでも活躍。須藤元気主催のダンスパフォーマンスチーム・World Orderでは、武道館公演やアルバムにストリングスチームを率いて参加。一部楽曲ではストリングスアレンジも担当。

スタジオやCM、イベント・パーティ等での演奏、学校公演、病院・施設でのボランティア演奏等、表現者としてさまざまなシチュエーションでのパフォーマンスを精力的に行う。また、自身が阪神・淡路大震災を被災した経験から、気仙沼や陸前高田等、被災地へボランティア演奏に赴いている。

ビバップ、スウィング、ECM、フュージョン、ラテンと幅広いジャンルにおいて、音色の美しさと熱い演奏が身上。歌心あふれるオリジナルナンバーも好評を博している。

洗足学園音楽大学・ジャズコース 非常勤講師。

2006年11月22日、ファーストアルバム、「Trust Your Heart」をリリース。
2007年12月19日、セカンドアルバム「Glowing Colors / Live at Motion Blue yokohama」をリリース。
2010年11月3日、サードアルバム「Voyaer」をリリース。
2012年6月20日、4thアルバム「Hope」をリリース。
2014年11月20日、教則DVD「スタンダード曲で始める! ジャズバイオリン」をリリース。
2015年2月25日、5thアルバム「Donna Lee」をリリース。
2015年3月25日、6thアルバム「The Duo」をリリース。
2015年7月22日、ハイレゾ音源「maiko meets 木住野佳子 live at TheGLEE ~二つの個性が出遭うとき~」を配信開始。

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