KOBEjazz.jp

ジャズを愛するすべての人へ。こだわりのジャズ情報をデンソーテンがお届けします。

コンサートレポート



第22回 太田市大学Jazz Festival
■12月2日(土)・3(日) @太田市新田総合体育館[エアリスアリーナ]

レポート

学バン関東一をかけて
ハイソ2連覇達成

 本イベントは、毎年夏に行われる山野ビッグバンドジャズコンテスト(YBBJC)と並んで、学生同士熱い戦いが繰り広げられる大きな大会です。それもそのはず、優勝賞金はなんと100万円!YBBJCと違うのは、技術だけではなくステージのエンターテイメント性が大きく求められるという点です。毎年様々に工夫された楽しいステージを見ることができる気のイベントです。

 ハイソは、2日に分けて行われる本大会の2日目4番に登場。去年優勝をしていることもあり、2連覇のプレッシャーが大きくかかります。

 ステージ前に総合MCの方とのやりとりをするのは、北京大学に留学中の2年生川田悠斗。なんとこの日のためにわざわざ一時帰国したそうです。昨年度のMCをしたのも彼。前と変わらずテンポの良い会話で場を温めます。

 昨年度優秀ソリスト賞の金野遼太郎による緊張感のあるドラムソロで開幕したハイソのステージ。一曲目はキャッチーな「マンテカ」です。流れるような美しいピアノソロで観客の心をつかみます。2曲目は、クリスマスも近い今の季節にぴったりな「ジングルベル」。ハイソはオリジナルのアレンジを加え、「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」など有名なクリスマスソングがたくさん含まれたサックスソリを披露しました。1曲目とは大きく雰囲気が変わりました。そして3曲目。エフェクターをかけたトランペットによる「Night in Tunisia」です。再び観客の心を緊張感で包み、アルトサックスとの熱いバトルソロで会場を沸かせます。エンディングはもちろんあのお決まりのフレーズ。輝かしいハイトーンが会場を突き抜けました。

 ステージもいよいよ佳境に入ります。本大会では1ステージ20分という制限時間が設けられています。この時間内にどれだけ楽しませることができるか、各バンド頭を悩ませるのです。ハイソの4曲目は「Swing that music」。2ndトロンボーン担当の冨永悟がMCの紹介とともにスポットを浴びて登場。なんとマイクを片手に熱唱します。スキャットソロ、バンドとの掛け合い、そしてステージを揺るがすほどの大ジャンプ等、目が離せない展開が続きます。そしていよいよマイクをトロンボーンに持ち替え、超絶技巧のソロを披露します。その後も歌い、吹き、飛び跳ね、これぞまさにエンターテイメントというべき一曲でした。これで終わりかと思いきや、なんとステージの後ろから大きな楽器が登場。スーザフォンです。今日のステージを振り返るかのように、楽しいリズムに乗せて「ジングルベル」「Night in Tunisia」「マンテカ」のフレーズを演奏。そしてそのまま最後の曲「サザエさん」が始まります。誰もが知っている曲をニューオリンズ風のアレンジで演奏し、楽しくステージを終えました。

 ハイソは今年も優勝、2連覇を果たしました。優勝賞金を片手にコンサートマスターの浜田が「このメンバーでできてよかった」とコメントを残しました。来年以降にも期待の持てる一日となりました。

Written by Chitaka Musashi

第22回 太田市大学JazzFestival
web:http://www.ota-foundation.jp/otajazzfes/

お知らせ

[早稲田大学 High Society Orchestra]


About us
 ハイソサエティ・オーケストラは早稲田大学唯一のビッグバンド(大学公認サークル)として1955年に創立しました。ハイソの名で親しまれ、学生ビッグバンドジャズ界を代表する存在としてその名を広く知られています。その60年に渡る歴史の中で、プロミュージシャンや放送および音楽業界へ数多くの人材を輩出してきました。
 ハイソが取り組む楽曲はCount Basie,Glenn Miller,Duke Ellingtonといった古き良き名曲を重視しながらも、コンテンポラリーなものではMingus Big BandやVanguard Jazz Orchestra、Buddy Rich、UNT one o'clock lab band、西欧のJazz Orchestra of the ConcertgebouwやBohuslan Big Bandなど幅広く、レパートリーは60曲を超えます。またハイソ出身のミュージシャンによるオリジナル譜面も多数存在し様々な場面で好評を得ています。
​ 近年はフラメンコやアラブ諸国の音楽、ゴスペルなどジャズの枠を超えたジャンルを取り入れることに挑戦しており、2016年度山野ビッグバンドジャズコンテストでは大会史上初であるタップダンスとの共演を実現させました(Blue Rondo a la Turk/comp.Dave Brubeck/arr.Yoichi Uzeki)。伝統に根ざしながらも新しさを追究するスタイルは創立当時から今日まで変わらず、その独自の世界観が多くの音楽ファンを魅了しています。

Performance
・過去LP2作、CDアルバム5作を発表。(2014年最新作Sweet'n'Hotは現在発売中)
・1960年代からアメリカ、インド、中国への演奏旅行を数回に渡り実現させるなど、国内に留まらず精力的に活動。TVやラジオ,雑誌などのマスメディアにも多数登場。
・YBBJC全日本山野ビッグバンドジャズコンテスト最優秀賞10回(最多受賞)、2016年大会では第2位優秀賞を受賞。
・早稲田大学学生褒賞の中で最も名誉ある賞、小野梓記念賞の芸術賞を受賞(2012年、2014年)。
・2017年1月1日、ABC朝日放送「芸能人格付けチェック」にアマチュアのジャズバンド代表として出演(プロのジャズバンド=角田健一ビッグバンドと聞き比べのクイズを出題する企画)、全国放送される。
・2017年3月4日民放BS5局共同特別番組「ハレブタイ!ゆずとハタチでつくる"ありがとうコンサート"」にてフォークユニットゆずと共演(3月20日放送)。

近年主な出演は山野ビッグバンドジャズコンテスト(YBBJC 8月)、川越ジャズフェスティバル(9月)、3大学浅草ジャズフェスティバル(10月)、太田市大学ジャズフェスティバル(10月)、早稲田祭(11月)、定期リサイタル(3月)..その他企業パーティーや地域イベントなど。

​近年の主な共演者:
Duke Ellingtonオーケストラ在籍Mr.Stafford Hunter(tb)との共演ライブを毎年春に開催。
宇関陽一氏(pf)との共演ライブ("Yoichi Uzeki meets High Society Orchestra")を毎年2月に開催、昨年度はさらに吉田治氏(T.sax)をゲストに迎える。
2016年度9月より新宿Jazz Spot Jにてライブ「ハイソ+スペシャルゲストシリーズ」を発足、vol.1で池田篤氏(A.sax)と、vol.2で片岡雄三氏(Tb)、Vol.3(2017年)で近藤和彦氏(A.sax)と共演。
国内では他に村田陽一氏(Tb)、谷口英治氏(cl)、梶原まり子氏(vo)、寺井尚子氏(violin)、海外ではMr.Steve Wilson(As)、Mr.Eric Marienthal(As)、Mr.Randy Brecker(Tp)、Mr.Wayne Bergeron(Tp)、Mr.Gordon Goodwin(Big Phat Band leader)、Jazz Orchestra of the Concertgebouwなど。



[ リンク ]
早稲田大学 High Society Orchestra:Website  twitter