年に1度の中央大学スペシャルライブ

　 2017年11月16日木曜日。都内のライブハウス、新宿SOMEDAYー。満席のライブハウスのステージに立つのは、今年度の山野ビッグバンドジャズコンテストでベストランクアップ賞を受賞し勢いに乗る中央大学スウィングクリスタルオーケストラ。彼らが年に一度プロのジャズミュージシャンをゲストに迎えて秋に行うのがこのスペシャルライブ。今年はジャズギタリスト加治雄太氏を招いてのホットなステージとなりました。

　まずはレギュラーバンドによる1stステージ。軽快なスウィングナンバー、Sailing For Amazingで華々しくスタート。続いてスウィングクリスタルオーケストラのOBである内堀勝氏によるアレンジでトロンボーンセクションをフィーチャーしてのJust Friends、スウィングクリスタルオーケストラにアレンジ作品を多数提供している小林正弘氏によるアレンジでサックスセクションをフィーチャーしてのStardustなどで徐々にヒートアップ。スタンダードナンバーのTake The A Trainで最高潮に盛り上がり、幕を閉じました。

　続いて2ndステージには1,2年生を中心に構成されるジュニアバンドが登場。カウントベイシーオーケストラのナンバーからThe Heat's OnやFun Time、作編曲家ジムマーティンによるジャズワルツ、Dreamer of Dreamsなどを披露。ラストは再びカウントベイシーオーケストラのナンバーから、Dinner with friends。ジュニアバンドならではの若さ溢れるフレッシュなステージとなりました。

　そしていよいよ、SCOレギュラーバンドがギタリスト加治雄太氏を迎え、3rdステージに突入。まずは加治氏とリズム隊によるギタークインテットでShiny Stockingsを演奏。しっとりとしたコンボジャズに早くも会場からは割れんばかりの拍手が。続いてもスタンダードナンバーからThe Chicken。クインテットにアルトサックス、トロンボーン、トランペットを加えての演奏開始。管楽器の各ソロが終わると、ビッグバンドのホーンセクションが全員登場。コンボからビッグバンドにシフトし、加治氏のソロとホーンホーンセクションが絶妙な掛け合いを披露。ここからはすべてビッグバンドのナンバー。加治氏の華麗なソロが会場を熱狂に包み込みました。しかし今回のライブで注目すべきはソロだけではありません。加治氏が「普通4ビートジャズでリズムの要となるのはベースだが、カウントベイシーオーケストラにおいてギターは時にベースを上回る存在感を発揮する」と言うように大切なのが、いわゆるギターの4つ切り。ライブでは加治氏の魅力の一つでもあるこの4つ切りにスポットを当てて、Freckle Faceというカウントベイシーオーケストラのナンバーが演奏されました。独特の存在感を放つ4つ切りに圧倒されます。最後にはSecret Champというコンテンポラリージャズを演奏。そしてアンコール、加治氏の4つ切りを中心に進むカウントベイシーオーケストラのスロースウィングナンバーLi'l Darlin'で幕を下ろしました。

　ビッグバンドからコンボ、スウィングからコンテンポラリー、ソロから4つ切りと、ジャズの魅力を存分に堪能できる一夜となりました。

Written by Hiro Nakamura