35年目の神戸発ジャズイベントに、150人以上のミュージシャンが参加

　ジャズがレコードとして人の耳に届いて、ちょうど100年。日本のジャズ発祥地、神戸は来年開港150年を迎えます。全国のジャズストリートの先駆けとなる神戸発のイベントとして、1981年から始まった神戸ジャズストリートも今年で35周年の節目を迎えました。

　今年のジャズストリートは、昨年に続き、午前11時から神戸市消防音楽隊を先頭に阪急神戸三宮駅北側広場からオープニングパレードがスタート。台風の影響で天気が心配されましたが、沿道を埋め尽くした多くのジャズファンに見守られ、2日間とも無事に開催されました。

　プレイヤーもファンも会場を、はしごして回るのが、神戸ジャズストリートの楽しみ方。その移動の合い間にミュージシャンとふれあう距離感も心地よく、ライブハウスの熱気あふれるステージもあれば、大きな会場でくつろぎながらのステージ、教会やバーなど、ライブハウスで聴くジャズとは、ひと味違う楽しみもあります。

　ビッグバンド会場となった北野工房のまちでは、富士通テンバンドからバンド名をDaijyobu Jazz Bandに変更し、通算7度目の出演を果たしました。ステージでは今年の第17回神戸新開地ジャズヴォーカルクィーンコンテストでグランプリに輝いた長島雅枝さんをリーダーに、今年はベイシースタイルに加え、ハイトーンのトランペットをフィーチャーした楽曲にチャレンジしました。

　また、第17回神戸新開地ジャズヴォーカルクィーンコンテストで準グランプリのSOAさんをはじめ、実力派女性ヴォーカリストが多数登場。各ステージを華やかに彩りました。そして、今年のブレダジャズフェスティバルで神戸ジャズストリート賞（神戸アワード）を受賞した、ノルウェー出身のクラリネット奏者のラース・フランクさんと、ジャズストリートの音楽監督を務めた花岡詠二さんのクラリネット競演は見応えがありました。

「若いプレイヤーが登場したり、新しいファンが増えたり、新人クルーが加わりながら、みんながジャズを楽しんでいます。“いいジャズを、いい街で”のキャッチフレーズで、ジャズの街、神戸らしいイベントとして、これからも歩んでいきます」と、神戸ジャズストリート実行委員長を務める川崎啓一さん。

　海外から多くのミュージシャンが参加し、日本ジャズ界の大御所やフレッシュな若手のセッションが楽しめるのも、神戸ジャズストリートでしか味わえない魅力です。今年もプログラム片手にジャズの楽しみ方を心得た常連のファンが、各会場にたくさん詰めかけ、どの会場も大盛況で終わりました。