日本のジャズ発祥地・神戸の夏を彩る音楽イベントとして定着した、中学・高校生によるジャズの祭典、第30回 ジャパンステューデントジャズフェスティバル2014が、8月22日（金）・23日（土）・24（日）の3日間、神戸文化ホールで行われました。
　今年も出場校は関西だけではなく、茨城、山梨、石川、愛知、三重、和歌山、徳島、岡山、広島、鳥取と全国各地から参加。1日目の中学生の部には17校、2日目と3日目の高校生の部には28校の合計45団体のビッグバンドが登場し、日頃の練習の成果を熱いステージで見せてくれました。

　会場のホワイエ内では、日本学校ジャズ教育協会（JAJE）関西本部の30年の歩みと、2006年から昨年までの歴代の受賞校をパネルで紹介。また、中ホールでは、元T-SQUAREの宮崎隆睦さんとトロンボーン奏者の片岡雄三さんによる公開バンドクリニックも行われ、抽選で選ばれた阿南第二中学校と柳学園高校の両校の生徒たちが、プロの指導に真剣に聞き入っていました。

　注目のゲストライブは、1日目は宮崎隆睦＆グローバルジャズオーケストラ、2日目は甲陽音楽学院ジャズマスターズ、エリック・ミヤシロ＆グローバルジャズオーケストラ、3日目は甲陽音楽学院ディレクターズバンド、片岡雄三＆グローバルジャズオーケストラと、華やかなゲストによる演奏は、30回目の記念大会にふさわしいステージになりました。

　ステージに賭ける思いや意気込みを顔や腕にマジックで書き込み、1年生から3年生までメンバー全員が一致団結してステージに臨みました。悔いのないさわやかな演奏はすがすがしく、ステージ後のインタビューでは、さまざまなコメントが聞かれました。そんな生徒たちの思いとハイレベルなすばらしい演奏が審査員に伝わったのでしょうか、実力伯仲で審査に時間がかかり、予定の時間を過ぎても表彰式が始まらないというハプニングもありました。

　中学生の部の神戸市長賞は、昨年に引き続き、小・中学生によるメンバーで構成された、学校に所属しないビッグバンドである名古屋小中学生ビッグバンド「Little Hills Jazz Orchestra」が受賞。ベストサウンド賞（富士通テン賞）は、阿南市立阿南第二中学校「Green Jazz パラダイスオーケストラ」が受賞しました。
　高校生の部も2年連続で兵庫県立高砂高等学校「Big Friendly Jazz Orchestra」が神戸市長賞を受賞し、「聴いてくださる方に楽しんでいただける音楽」をめざして取り組んできた結果が実りました。ベストサウンド賞（富士通テン賞）は、伊丹市立伊丹高等学校「ICHI☆ITA JAZZ Ensemble」が受賞しました。

　講評では中学生の部の指導講師を務めた、藤井司朗さんは「ジャズの演奏には楽譜に表れない部分を演奏すれば、もっとすばらしくなります」と話し、高校生の部の指導講師を務めた、宗清洋さんは「各校が実力に合った楽曲を選び、努力されてステージに臨んでくれました。ソリストもレベルが高かった」と、審査が難航したことを述べられました。