ビッグバンドトーク
Nakayasu
Kota
中安 航太
Students Jazz Live”Executive Producer
フルバンやコンボに複数在籍し、トロンボーン奏者として活躍
中高生ビッグバンドの演奏指導を行うなど幅広く活躍の若手ミュージシャン
LOOSE JOINT ( ルーズ・ジョイント ) とは？
甲南中学入学と同時に何の因果かトロンボーンを手にする。Count Basieを中心に活動するブラスアンサンブル部にてフルバンを経験。Student Jazz Festivalでは神戸市長賞を受賞。その後甲南大学へ進学、ジャズ研究会の設立メンバーとしてNewport Swing Orchestraに在籍。卒業後、米国留学する事もなく就職。フルバンやコンボに複数在籍し、関西を中心に精力的に活動。プレイヤーに限らず、中高生のイベント“Students Jazz Live”にてExecutive Producerを務め、また中高生ビッグバンドの演奏指導を行うなど後進の育成にも力を入れている。そんな著者が様々な学生/社会人ミュージシャンとの出会いの中で感じた緩やかな"学び"をつづるコーナー。
中安航太 Official Web Site http://www17.ocn.ne.jp/~lj123dah/
STUDENTS JAZZ LIVE WebSite http://sjl.sakura.ne.jp
KOBE JAZZ PEOPLE http://kobejazz.jp/jazz_people/vol15.html
 
伊丹高校 バックナンバー
伊丹市立伊丹高等学校 ICHI ☆ ITA JAZZ ENSEMBLE
　"日々前進"をモットーに毎日、仲良く楽しく練習に励んでいるそうです。練習風景も明るく楽しい雰囲気でした。顧問の高橋先生も学生達の自主性を重視しているそうです。
　また、2008年JAPAN STUDENT JAZZ FESTIVALでは優秀賞を獲得するなど、勢いに乗っているバンドです。神戸セミナーハウスで開催されているジャズの合宿「ジャズ道場」にも毎年出席するなど、日々の努力の積み重ねが彼ら / 彼女たちの上手さの秘密です。
◆楽器をやる理由も様々。
中安 ： じゃあ次。今やってる楽器の魅力は？
伊丹 ： 楽器の魅力？中学の時に吹奏楽でフルートしてて、金管のどこがいいのかさっぱりわからなかったんですけど、この学校入って、木管の楽器がなくて、リード楽器が出来なくて、ここにある楽器を吹かせてもらったときに、トランペットが楽しかったんです。えらく。トランペットパートに入って練習しているうちに好きになってきて、練習してうまくなってくると、高い音が出るようになって、それが楽しくなってきた。
伊丹 ： 魅力って難しくない？うーん、トロンボーンは、他の楽器と比べてスライドだからピッチとかいじりやすい。
中安 ： それ魅力なんや（笑）。いじりやすいから、トロンボーン続けてる？いじりがいがあるから？
伊丹 ： やってて、いじれていいなぁって思う。
中安 ： それ便利なとこよね。
伊丹 ： 高い音出したら、トランペットあるし、低い音出してもバリトンがあるし、
他の楽器より、和音が一番聞かせれるところがいいです。
中安 ： はい。ほなドラムは？
伊丹 ： ドラムの魅力。うーーんなんだろ？人によりますけど、うちの場合、人に合わせるっていうのが苦手なんですよ。もし、管楽器で和音で、うちがサードとかになったら、難しいですよね。ドラムって、一人じゃないですか？普通に、ギター、ベース、ピアノと合わすっていうのはいけますけど、同じ楽器で和音をするっていうのは絶対無理だと思う。性格的に。ドラムは性格的に、他の人と同じようにしなくていいんで。1曲どソロなんで。誰かに釣られるってことがないんで。常に刻むだけ。常にソロなんで。
中安 ： 目立ちたがり？
伊丹 ： そうですね。目立ちたがりなんで。どっちかって言ったら。
◆ジャズと高校生のつながり。
中安 ： 好きなプレイヤーは？やってる楽器に関わらず。日本人でも外国人でも。
伊丹 ： 好きなプレイヤー。中川英二郎さん。吹奏楽もジャズもやってますよね。吹奏楽から入ったので。ニューサウンズとか結構ソロやってるじゃないですか？
中安 ： 知らない・・・
伊丹 ： かっこいいなぁって。
中安 ： ニューサウンズって何？
伊丹 ： ニューサウンズニューブラス？出版社みたいな。M8みたいな。
中安 ： 吹奏楽は全然知らないんですよ。金賞って言われて、おぉぉ、こいつは日本一かって思ってたら、いっぱいおるねんな。てっきり金賞は一人の人がとるもんやと思ってた。それぐらいの知識。中川英二郎モデルのマウスピース出てたよね？楽器もあったよね？キンキラキンのやつ。
伊丹 ： 何？してるひと？トロンボーン？
中安 ： そう、お父さんもラッパ吹いてた人やで。中川英二郎さんって白人のトロンボーン吹きのジムピューと一緒にやってるねん。ツートロンボーン。
伊丹 ： へぇぇーーー。
中安 ： 前に中川英二郎さん大阪に来てはったよ。
伊丹 ： あっ、それ読売新聞の広告で見たかもしれないです。
中安 ： あっほんま？結構関西のいろんなとこでやってたで。他は？他は？向井滋春さん、片岡雄三さん、村田陽一さん。
伊丹 ： 名前はちらほら見てても、その人の音がどれかわからないんで。
中安 ： 中川英二郎さんは良く聴く？
伊丹 ： わりと。
中安 ： なるほど。ほな次はトランペット。
伊丹 ： エリック宮城さん。一昨年のジャズフェスの時にゲスト出演の時に、"えっ！"って思って。
伊丹 ： ちょっと聴いて！リズムの人のこと！全然話変わるんですけど、うちがめっちゃジャニーズ好きなんですよ。なかでもKAT-TUNっていうグループが好きで。知ってます？
中安 ： 知ってる。
伊丹 ： そのアルバムを普通に買って聴いてたんですよ。その一人の人が・・・
中安 ： 小曽根真さんがKAT-TUNに入ってたとかって話？
伊丹 ： 違いますねぇ（笑）。それは違います。で、何も意識せず聴いてたら、一曲ジャズテイストの曲が入ってたんです。結構本格的なジャズやったんで、ちょっとおかしいって思ったんです。
中安 ： ふむ。
伊丹 ： ジャニーズでこんなにせぇへんやろって思ってたら、ピアノに小曽根真って入ってたんですよ。ジャニーズのKATOONの曲に、あの小曽根さんがピアノを弾いてたってのがすごぉぉいって思ってました。
中安 ： ジャニーズ視点で小曽根さんを見てたわけね。
伊丹 ： ジャズフェス終わってのKAT-TUNのアルバムだったんで。そういやこの間ジャズフェス来てたやんってなって小曽根さんがすごい、うちの中ですごい人ってなった。
中安 ： エリックさんに話戻そう。
伊丹 ： 違う日に先輩が、あるトランペットの先生に連れられてあるスタジオに行ったらしんです。そしたら、そこでエリックさんと偶然出くわして、ファイルにサインもらったって。すごいひとやなぁぁって。サインにトランペットが入ってた
中安 ： 俺もサインもらったで。あの人が書いている雑誌の記事にぶわぁぁってサインもらった。あの人ええ人やでぇぇ。
伊丹 ： あとはよくわからないんですけど。映画とかのBGMあるじゃないですかぁ？その時に、ぶわぁぁっと来るやつはあります。
中安 ： 金曜ロードショー？日曜洋画劇場？
伊丹 ： あっ。映画の中です。
中安 ： あ、失礼。メイナードファーガソンとかいいかもね。映画の音楽とかびやぁぁっって吹いたりしてるからロッキー吹いてる人。
伊丹 ： あぁぁ。めっちゃかっこいい。
中安 ： 結構安い値段でCD出てるから、買って聴いてみたらいいんじゃないかな。エリックさんみたいなトランペットを目指してください。ドラムは？
伊丹 ： うーーんあんまりないです。
中安 ： ブッチーマイルスいいよ。
伊丹 ： あっ聞いたことあります。
中安 ： ベイシーの後期を叩いてた人。ウィンドマシーンとかヒーツオンとかああいうの。
伊丹 ： 出来たらいいよなぁ。
中安 ： ウィンドマシーン？
伊丹 ： ヒーツオン。
中安 ： やったらええねん。
伊丹 ： 聴いてるだけで満足です。
中安 ： 出来る出来る。俺高校の時やってたで。
伊丹 ： トロンボーンは難しくないですか？
中安 ： 大丈夫大丈夫。
伊丹 ： ドラムドラム。
中安 ： ドラムはばっこんばっこん。曲中全部ソロみたいな。あんたが好きな（笑）
伊丹 ： それは無理ですよ。何回かトライはしましたよ。でも出来なかったです。
中安 ： 出来る出来る。
伊丹 ： いずれ。ね。
◆ジャズは自由に。子供達の自主性を大切に。
中安 ： いつも先生この質問する時はおらへんけど、今日はちょうどいいな。指導者へ一言。(ちなみに顧問の先生が同席してくださってます)
伊丹 ： いやいや、あの、ちょっと時間ください。
中安 ： 先生、今イヤホンしてるから聞こえてない。
伊丹 ： いやいや。してないしてない。
中安 ： 言いづらい？
伊丹 ： 照れくさい。
中安 ： 今のうちやで。(先生席を外す)
伊丹 ： 先生まぶしいです。
中安 ： 高砂の先生は、今年から赴任しはってんけど、ドラムをやってはる先生なんよ。で、生徒を見るときに、管楽器がわからないから。だからそのために、自分で楽器を買って家で吹いてるねんて。
伊丹 ： えぇぇぇ。努力の人ですね。
中安 ： ていうのを生徒に言わずやってはんね。
伊丹 ： おぉぉぉ。
中安 ： でもなぜかばれてるねん(笑)
伊丹 ： 先生の私生活がわからへんからねぇ。
中安 ： 別に暴露せんでええがな。先生いつもお昼ごはんおごってくれる。初めて来たときは、カレー屋さんでカレーをご馳走してもらってん。今日は、そばと巻き寿司のセット。
伊丹 ： へぇぇ。そうなん。
中安 ： はよせな先生戻ってきはんで。
伊丹 ： えぇぇ。なんやろ。先生に一言。うーーん。先生にはわがままを聞いてもらってる。生徒に合わせてくれる。
中安 ： 生徒主体で部活をやってくれる？
伊丹 ： そうですね。生徒のほうが大ですね。
中安 ： どうする？って生徒に聞いてくれはるやろ。あんまあーせいこーせいとは言うてるの見たことないね。道を踏み外したら、"ごぉらぁぁっ！"って怒る？
伊丹 ： いや。ふわっと怒る。
中安 ： ふわっと？だめよって？
伊丹 ： ちょっと違うんじゃないかなぁって言ってくれる。あと先生は顔が広い。いろんな先生を呼んで来てくれる。
中安 ： たとえば？
伊丹 ： 中安さん(笑)。なんで来てるんですか？
中安 ： SJLどうですか？って話をしたら、上の3年生に断られて、ほんでそん時に1回見に行こうかって。そっからの話。
伊丹 ： へぇぇぇ。何かといろんな先生を連れて来てくれる。
中安 ： 他にはどんな人が？
伊丹 ： 最近は先輩の人を通じてとかが多いかな。ただ、あんま覚えてないです。
中安 ： （後輩の）宮田来たよな？
伊丹 ： 宮田さんと倉橋さんは頻繁に来ますね。一番来ますね。
中安 ： 両方とも伊丹近くに住んではるからな。
伊丹 ： この間は、倉橋さんが手ぶらで仕事帰りに来はりました。生徒のベースをがぁぁって弾いて帰りました。
伊丹 ： トロンボーンの佐竹さんも来られます。あとは、ドラムの戸田先生とか来てたそうです。
先生 ： (先生が戻る)言いたいこと言えた？
中安 ： 罵詈雑言が(笑)。
先生 ： えぇぇ。
中安 ： 冗談です。先生顔が広いっていう話でした。
伊丹 ： 先生人脈がすごい。
中安 ： 最近の部活で印象的なことって？ライブとかでもいいけど
伊丹 ： ライブとかないし。新しい子が、入ってきたのが嬉しい。お正月休みがあったんですけど、8日？1週間強ですね。休み明けに楽器を吹いたのがとても楽しかったです。
中安 ： なんで楽しかった？
伊丹 ： なんか楽器が恋しかった。
中安 ： 彼氏と別れて、また付き合うみたいな感じやんな？
伊丹 ： あははは(笑)
中安 ： 最後は、部長として、副部長として、今後このバンドをどんな感じにもっていきたい？
伊丹 ： 副部長としては、引退するときに去年よりはいい成績を残せるようにしたいです。
中安 ： おぉぉっ、ガチやな。では最後に部長に締めてもらいましょう。
伊丹 ： どういう感じで？
中安 ： 自由な感じで。ばしっと。
伊丹 ： 残り半年間は、最後まで練習を続けて、あきらめずに、めっちゃうまくなって頑張ります。一人もかけずに引退まで行きたいですね。
中安 ： 言い残したことは？会計として、言いたいことは。
伊丹 ： 滞納ゼロを目指して。清算して引退。冗談です。
中安 ： （笑）ありがとうございました。
　実は、とあるイベントを企画する際に伊丹高校のOBに「スタッフせえへんか？」と声をかけてみたところ、すぐに集まってくれました。楽器をやる以外にも、リスナーだったりイベントにかかわったりと、とにかく音楽が、ライブが好きなんだなというのが手に取るようにわかり、嬉しくなりました。また先日は、トロンボーンの出村さんから「ソロを作ってほしい」というオファーを頂きました。僕自身はなんちゃってアドリブを吹き散らかしているものの、他人に本番用のソロを提供するなんてものすごいプレッシャーで断ろうかとも思いました。が、トロンボーンの人にぜひ書いてほしいという強い要望で、お受けしました。本番で頑張ってそれを吹いていたと後ほど顧問の先生よりお聴きして、嬉しいやら恥ずかしいやら。という感じで若い子たちもそれぞれの姿勢で音楽と真剣に向き合って、毎日楽器を触っています。ぜひ応援してやって下さい。そして若い子たちは、どんな形ででも音楽を続けていってほしいと思います。えーと、最後なので、真面目に終わります（笑）。
< 今月の一言 >
卒業しても音楽を続けたいみなさんへ
「とにかく音楽に触り続けたら自然と音楽が出来る環境になるよ。」
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