レッツスタート!Chapter.2
アートと呼吸のエンタテイメント編「ジャズ★ねこ気功」
音楽家にとって「身体」「呼吸」そして「意識」のコントロール能力は上達の要といえるでしょう。これは気功で「調身」「調息」「調心」と呼んで重視してきたものと共通します。また、演奏家だけでなく、ふつうの生活においても、この三要素は快適で楽しい暮らしのために大切な要素なのです。「ジャズ☆ねこ気功」は、猫の寿限無老師と弟子の水行末によるジャズ&気功エンタテイメント。「良気」あふれるトークショーを楽しみながら、身体と呼吸と意識を整えてください♪
吸気のトレーニング バックナンバー
ふだんあまり使っていない空息域のトレーニングがヨゴヨゴでしたね。
寿 うむ、息を吐く練習じゃニャ。
ぼくたちの通常の呼吸は、おもに満息域ばかり使っていて、空息域はあまり使っていないんですね。
寿 その通りじゃよ。それを「意識吸息ー自然呼息」と呼んでもよい。
イシキキュウソク、シゼンコソクですか?
寿 意識的に吸おうとし、自然にまかせて吐くような呼吸じゃ。したがって、使う領域はおのずと満息域と   いうことになるニャ。
つまり「吸いが主役の」呼吸ですね。
寿 一方、管楽器演奏や武術、舞踊、スポーツ、ヨーガや気功などで求められる呼吸法は、まったく逆のアプローチをとる。
というと「意識呼息ー自然吸息」ですか?
寿 そうじゃ。意識的に吐こうとし、自然に吸うことで空息域を使う。「吐きが主役の」呼吸じゃ。
たしか人体には吐くため専門の筋肉がないため、意識的に呼気をコントロールするためには呼吸補助筋群を総動員しなくてはならないんでしたよね。
寿 身体の構造からして、吐くことは難しいのじゃ。ここに古来よりたくさんの呼吸法、それも吐く息中心の呼吸法が開発されてきた理由がある。
では、生まれたときからずっと呼吸しているのだから、呼吸法を難しく考える必要はないという指導は間違っているんですか?
寿 学習者をリラックスさせるための方便としては、そういう指導もよかろう。しかし、論理的に考えるならその理屈は通らんじゃろうニャ。
ふだんとは違う呼吸を学ぶのが「呼吸法」だというわけですね。
寿 まさに「正反対の」運動を学ぶといってよいじゃろうニャ。
前回は空息域での呼気を練習するために、「ヨゴヨゴ」を、そしてそのバリエーションとして「ミゴミゴ」「ニゴニゴ」「ミヨミヨ」「ニミニミ」などを習いました。
寿 今回は満息域を使って吸気の練習をしようニャ。
はい。
寿 もう予想がついておるじゃろうが、最初にやるのはロゴロゴじゃ。
肺の中の空気量を、60%になるまで吸い、50%になるまで吐く。ロ(6)・ゴ(5)・ロ(6)・ゴ(5)と往復するから、ロ・ゴ・ロ・ゴですね。
寿 やってごらん。
はい。(ロゴロゴに挑戦)
寿 どんな感じがするかニャ?
あまり違和感がないというか…
寿 ニャはは、そうじゃろう。それがふだんの呼吸に近いからじゃよ。
あ、なるほど。いつもぼくたちはこんな感じで呼吸してるんですね。
寿 50%~60%の満息域で、吸気主導の浅い呼吸をする機会が多いということじゃニャ。
ロゴロゴにもバリエーションがあるんですか?
寿 もちろんじゃ。まずは吸息側の振幅を大きくしていこう。ナゴナゴ(70%と50%の往復)をやってみるとよいぞよ。
ナゴナゴですか、猫みたいですね。
寿 ねこ気功じゃからニャ。
おっと(笑)、こりゃまた失礼しました。(ナゴナゴをやる)
寿 どうじゃ?
お医者さんで聴診器をあてられているときって、こんな感じかもしれません。
寿 ニャるほど。ではヤゴヤゴ(80%と50%の往復)をやってごらん。
(やってみる)
寿 これはラジオ体操の深呼吸みたいじゃろ?
たしかに! そうか、ぼくたちは深呼吸しているつもりでも、実際には吸っているばかりであまり吐いていなかったんですね。
寿 もちろん、ラジオ体操のときはヤゴヤゴではなくてヤヨヤヨ(80%と40%の往復)くらいになっている場合が多いじゃろう。でも、空息域を十分に使いこなしている人は少ないと思われるニャ。
たしかにそうでしょうね。
寿 次のバリエーションは、ナロナロ(70%と60%の往復)じゃ。今度は振幅は小さいままキープする。
(ナロナロをやってみる)
寿 どうじゃ?
なんだか不思議な感じです。難しいわけではないけれど不自然というか。
寿 気持ちが落ち着くか、それとも高ぶるかニャ?
高ぶりますね。ヤル気が出てくる。
寿 吸息は交感神経に刺激を与えるので、満息域で意識的な吸気を繰り返すと、身体が興奮状態に導かれやすいのじゃ。
でも、なんだか息苦しい感じもします。
寿 そのあたりが呼吸のさじ加減じゃニャ。交感神経は「闘争と逃走の神経(fight or flight)」などとも呼ばれるように、激しい活動を行なうことに適した身体を用意する。人体はある種の緊張状態に置かれるため筋肉は硬くなり、血圧も上がる。
それって、あんまりいい状態ではありませんよね。
寿 いちがいによくないとは言えないニャ。闘争したりあるいは逃走したりするときには、そのような身体が適している場面があるからじゃ。
でも、緊張し過ぎると自由に動けないし…
寿 そこで、武術でもスポーツでも「肩の力を抜け」とか「リラックスせよ」という指導をするのじゃよ。
どうやって?
寿 息を吐くのじゃ。呼気は逆に副交感神経を刺激するので、興奮というアクセルに対して、ブレーキをかけるような役目を果たす。
へえ、うまくできてますねえ。吸いと吐きのバランスで心身の状況をコントロールするわけですね。
寿 呼吸という身体運動の奥深さがわかるじゃろう?では、残りのワークを片付けよう。ヤナヤナ(80%と70%の往復)をやってごらん。
(やってみる)う~、これ、けっこうキツいですね。息を思いっきり吐きたくなります。ぷはあ~。
寿 さて、チェックしてみようか。ここまで順を追ってやってきたので、きみの身体はたっぷり息を吸える状態になっておるはずじゃ。
(吸ってみる)おお、本当だ! おもしろいように息が入る。
寿 次回は、どういう順序でどのようなトレーニングをすればよいのか、実践的な方法について語ろう。
お願いします!
寿 もうひとつ、ロゴロゴの別の使い方についても説明するぞよ。
楽しみです。ワクワクします!
  (つづく)
お知らせ
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著者Profile
寿限無老師(じゅげむろうし)
猫の気功師。現実と空想の境界にあるファンタジー世界「きゃたりうむ」に住むといわれるが詳細は不明。ねこ気功の開祖。音楽家のための身体操作、意識操作、呼吸法などの提言多数。
水行末(すいぎょうまつ)
ジャズ☆ねこ気功の狂言まわし。猫の気功師・寿限無老師(じゅげむろうし)のメッセンジャーとして対談相手をつとめる。実生活ではハイノート講座「タングマジック」プロデューサー。「まま呼息の発見」「楽呼吸法~インナー・ウォームアップの方法~」「ウォーター&ブレス」など呼吸法関連の論文多数。雑誌「楽器族。ブラストライブ」では「音楽家のためのメディテーションねこ気功入門」を連載中。合奏教育のための国際音楽プロダクション「ワールド・プロジェクト・ジャパン」代表。http://www.wpjapan.com/
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KIKI JAZZ コーナー


毎回スタンダードナンバーを1曲選んで、2つのアレンジで聞き比べします。利き酒ならぬ KIKI JAZZ です。

2008年12月のKIKI JAZZ@YouTube
Body And Soul
(Robert Sour, John W.Green)


演奏1
Annette Hanshaw
演奏2
Freddie Hubbard
<ねこ気功ソング>
ねこ気功のメディテーション世界を歌として表現したものです。今月は心身の中心を貫く「芯」をテーマにした「宇宙ピアノ」。元気があふれますよ。

宇宙ピアノ
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作詞:水行末
作曲・歌:ユキイナバ
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