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19世紀末から20世紀初頭、ダブルペダルCからダブルハイC(いずれも実音Bb)の5オクターブを軽々と吹きこなす金管奏者がたくさんいたとか。そして、彼らが鍛えたのは唇ではなく「舌」だといいます。 |
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しかし現代の金管教育において、舌の重要性を説く人は少数派のようです。圧倒的多数の奏者や教育者はアンブシュア、アパチュア、チョップスなど唇周辺への関心が高いのではないでしょうか。 |
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舌を中心としたトレーニング方法は、なぜ失われてしまったのか? あくまでも仮説であるとお断りしたうえで、その原因を二つのキーワードにしぼって考えました。「1.歩き」「2.テレビ」という二つです。 |
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20世紀に衰退した身体文化の代表が「長距離歩行」だと、齋藤孝明治大学教授は指摘します(身体感覚を取り戻すーより)。明治・大正期の日本人は、一時間程度歩くことは日常であり、小学生が何キロも歩いて学校に通うのも珍しくなかったといいます。 |
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江戸時代はさらに歩いていました。幕末の志士は、すぐれた人物と会って学ぶために、驚異的な距離を歩くほかなかったのです。坂本龍馬が江戸へ来るとき、土佐から山越えして、京経由で江戸まで歩いたといいます。庶民でも一日に30~40km歩くことを、特別だとは思わなかったようです。 |
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話は「歩く/歩かない」という問題にとどまりません。生活全般が便利になったため、現代人は洋の東西を問わず、昔日の人類に比べ身体が衰えているという研究もあります。 |
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チャンピオンスポーツにおいて世界新記録を更新し続けている事実と矛盾するように感じる方がおられるかもしれません。これについては別の角度から検証が必要です。また機会をあらためて♪ |
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電気もガスも水道もなく、なにもかも手作業でこなし、毎日長距離を歩いていた時代の人間は、身体をフルに使うほかありませんでした。中心から末端まで身体をすみずみまで使いこなしていたと考えられます。 |
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逆に、便利な機器にかこまれた現代人は、身体を使いこなす必要がない。手先や指先だけでものごとを片付けることができるからです。 |
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そういう生活を続けていると、身体内部はどんどん使われなくなり、手先、指先、口先などの意識が濃くなる。身体の末端ばかり使っているため、身体中心の感覚は鈍くなってきます。 |
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つづく。 |
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