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ジャズピープル

艷やかに、柔らかに。和製ボッサを歌う、高岡早紀。

2014年の主演映画「モンスター」でエンディングテーマ「君待てども ~I'm waiting for you~」を歌った、女優の高岡早紀さん。ジャズピアニストである山下洋輔さんとの共演が話題を呼びました。そんなジャズテイストが詰まったアルバム「SINGS -Bedtime Stories-」に続き、2017年7月にはニューアルバム「SINGS -Daydream Bossa-」をリリース。今回は、そんな高岡さんにジャズやニューアルバム、ライブ活動についてお話しをうかがいました。

person

高岡早紀

神奈川県出身。女優。ドラマや映画、CMなどで活躍。1989年「cfガール」で映画デビュー。1990年、映画「バタアシ金魚」で第5回高崎映画祭ベストアイドル賞を受賞。1988年には「真夜中のサブリナ」でCDデビュー後、歌手としても活躍している。2014年に山下洋輔との共演が話題を呼んだ「SINGS -Bedtime Stories-」をリリース。2017年7月に最新アルバム「SINGS -Daydream Bossa-」をリリース。

interview

メロウな雰囲気が心に落ち着く、新譜「SINGS -Daydream Bossa-」。


── 3年ぶりとなるアルバム「SINGS -Daydream Bossa-」ですが、前作の「SINGS -Bedtime Stories-」と連作のようなタイトルを付けられてます。元々構想されてたんでしょうか?

高岡「特にそういうわけではないんですけれども、また今回出せるということが決まったときに“SINGS”というタイトルをシリーズにして、いろんな音楽をやっていけたらいいなと思って付けました」

── 前作「SINGS -Bedtime Stories-」は23年ぶりのアルバムリリースということでしたが、音楽活動への思いはずっとあったのでしょうか?

高岡「そうですね。前回のアルバムは、主演映画でエンディングテーマを歌わせていただいたことがきっかけではありますが、昔からいつかはまた音楽活動がしたいという思いはあったので、一枚のアルバムにまとめられて良かったですね。今回、新しいアルバムを作ることができたのも前作あってのことなので。」

── 今作に収録されている「永遠のダンサ」では娘さんもコーラスで参加されているのですよね。

高岡「そうなんです。でも、これは最初から娘にコーラスに入ってもらおうと思っていたわけではなく、レコーディングをしていてコーラスを入れたりしているなかで、たまたま娘が一緒にレコーディングに来ていて、歌ってもらおうかなっていう感じで(笑)。遊びの延長線上みたいな感じで歌ってもらったら、コーラスとして良かったので(笑)。子供ってすごいですよね。私がずっと何時間か歌ってるのを聴いてただけで、すぐに歌えちゃうんですよね。それなら、スタッフもみんなでコーラスやってみようという感じで。」

── いい雰囲気で作られたアルバムなんですね。高岡さんはお父様がジャズ喫茶を営まれていたということから幼少より音楽に親しまれていたと思いますが、娘さんもそういう環境が受け継がれているのかもしれません。

高岡「私はたまたま父親がそういう関係でジャズを聴いて育ちましたけど、娘もあえて音楽を、ということはないですね。ただ、私もこうやって音楽活動をしますから影響はあるかもしれませんね。今回のアルバムも家の中でそんなに流したりしてないのに、彼女が参加してない曲も知ってるんですよね。『あれ、それって?』って言ったら、『そうそう、ママの、ママの』って言ってたりして(笑)。」

── 将来が楽しみですね。今回、「ラブ・スコール」や「イパネマの娘」など比較的馴染みの良い曲をカバーされていますが、選曲などは?

高岡「話し合いながらですね。今回はボサノヴァでいきましょうということで、歌っていい感じに仕上がりそうなものをチョイスしてもらいました。あとはオリジナルもやりたかったので。」

ファンと直接触れ合えるのがライブの醍醐味。ツアーで訪れた、神戸の街について。


── 今回、山下洋輔さん作曲で高岡さんが作詞された「I see your face」も収録されています。これは詞と曲、どちらが先だったのでしょうか?

高岡「これは詞が先ですね。洋輔さんにお願いしたときに『早紀ちゃん、先に詞を書いて。僕がそれに曲を付けるから』って言ってくれて。それで私も早く書かないと、洋輔さんも取り組めないなあと思って頑張って書きました。」

── 明るくて心地良い、素敵な1曲です。詞にはテーマはあるんですか?

高岡「今回は娘に宛てて書きました。娘に宛てながら、皆さんにも聴いてもらえるように、明るい未来を楽しく生きていこうという感じで。わりと自然な感じで出てきて、さくっと書けましたね。」

── 今回、愛知、兵庫、東京とツアーを回られましたが、お客さんの熱を感じるのは音楽活動ならではですよね。

高岡「それはそうかもしれませんね。それがライブの醍醐味ですね。ずっと女優をやっているとお客さんと触れ合う機会は少ないですし、舞台でもコミュニケーションを取るわけではないので。ライブだとファンの方たちが喜んでくださるのはもちろん、私も皆さんとのつながりを実感できるので、とても楽しいです。」

── 今後もジャズは歌い続けられる予定ですか?

高岡「そうですね。ジャズに限らず、私自身音楽活動は続けていきたいなと思いますし、洋輔さんたちのような方々が見守ってくださっていることもあるので、まだ何か決まっているというわけではないですが、続けていきたいと思いますね。」

── 最後になりますが、今回のツアーで神戸に来てくださってとても嬉しいです。神戸の街の印象を教えてください。

高岡「すごく小さい町ですけど、やっぱりお洒落な街ですよね。港がある街って、私も父の店があったのが横浜だったので、なんとなく共通点を感じます。歴史もあるし、海もあって、丘もあって、雰囲気がいいですよね。なので、今回ツアーで来られて良かったです。」

── 今日は本当にどうもありがとうございました。

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[ RECCOMEND MOVIE ]

高岡早紀 feat. TOKU/ラブ・スコール MV (Short Ver.) (『SINGS -Daydream Bossa-』メイキング)


[ リリース ]

SINGS -Daydream Bossa-
女優・高岡早紀が歌うボッサ・ノーヴァ
アンニュイかつキュートな歌声が白昼夢に誘う、魅惑のソフト・ボッサ…
白昼夢にまどろむボッサ・ノーヴァ。<SINGSシリーズ第2弾!!>
「白い波」「ラブ・スコール」他、和製ボッサ/和モノの傑作曲や、A・ジルベルトがかつて歌った日本語詞による「イパネマの娘」等、甘美でメロウなヴォーカルでカヴァー。自ら作詞を手がけた「I see your face」(作曲:山下洋輔)他、新曲(4曲)も収録したソフト・ボッサの傑作!

(収録曲)
1. やさしいメロディ ~ケ・セラ・セラ~
2. 白い波
3. シャム猫を抱いて
4. 永遠のダンサ
5. イパネマの娘
6. みずいろの雨
7. こころのままに
8. 真夜中のサブリナ
9. ラブ・スコール
10. I see your face

通常盤 発売日:2017.08.23 ¥2,500+税(税抜)
http://victorentertainmentshop.com/product/?item_cd=VICL-64823