ロックとジャズが融合した、疾走感溢れる音楽。
2011年に結成した「現代版ジャズ・ロック」をコンセプトにしたピアノトリオfox capture plan。2013年にファーストアルバム「wall」をリリースして以来、疾走感溢れるドラマティックなサウンドでジャンルを超えて注目を集めています。11月5日に開催された「コウベオールザッツジャズSPECIAL LIVE」でも彼らを観に、遠方から大勢のファンが神戸に足を運び、そのパフォーマンスに酔いしれました。今話題の三人にお話をうかがいました。
fox capture plan
現代版ジャズ・ロックをコンセプトに、岸本亮(Pf)カワイヒデヒロ(B)井上司(Ds)の三人で2011年に結成。ジャズピアノトリオの編成を軸にポストロック、ドラムンベース、ダブステップなどの要素を取り込んだ新感覚な楽曲が特徴。2012年10月、タワーレコード限定ミニアルバム「FLEXIBLE」でデビュー。2013年12月にリリースした2ndアルバム「BRIDGE」が、JAZZ JAPAN AWARD2013アルバムオブザイヤーニュースター部門、CDショップ大賞2014部門賞ジャズ賞の2冠を獲得。ドラマの劇中音楽やCM、東京モーターショーなど多方面への楽曲提供も行う。2016年にはFUJI ROCK FESTIVAL'16、東京JAZZ2016メインホール出演等精力的に活動中。2017年1月、5thフルアルバム「FRAGILE」リリース予定。
「神戸はジャズの街って感じがしますね」
fox capture planの三人から見た神戸の印象。
── 神戸でライブをされたことはありますか?
井上司さん(Ds)「わりと来ますよね。最初にこのバンドを関西に呼んでくれたのは、今日のイベントを企画してる方と同じ方なんです」
カワイヒデヒロさん(B)「ジャズ喫茶のjam jamさんとか行きますよ(笑)」
岸本亮さん(Pf)「僕は京都出身なんで、わりと馴染み深いというか。僕は阪大だったんですけど、山野(ビッグ・バンド・ジャズ・コンテスト)出身なので、その頃は結構神戸の大学とも交流がありましたね。まあ、京都人からすると、神戸はやっぱりキレイな街というイメージが強いですね」
カワイ「ジャズの街って感じもするし」
岸本「そうそう、オールドスタイルなジャズのイメージ。だから、僕らが呼んでもらえるのは嬉しいですよね」
── 確かに神戸はオーセンティックなジャズの印象が強いですよね。fox capture planはジャズで一括りにはできない音楽性だと思いますが、でもやっぱり聴くとロックでもジャズでもあってユニークだなと思いました。
岸本「そうそう、『ロックでもないジャズでもない』じゃなくて、『ロックでもありジャズでもある』と。最初は中間くらいを目指して曲を作ったんですけど、結果的にどちらからも受け入れてもらって嬉しかったですね」
カワイ「ロック寄りの司くんのドラムがあって、この三人ならではの音があるという感じですね」
井上「三人それぞれの持ち味を活かせるいいバランスだと思います」
「これからも新しい音楽を作り続けたい」
2017年1月25日に5枚目のアルバムをリリース。
── これまでのアルバムを見ていて、特に印象に残ったのが日本語のタイトルです。「疾走する閃光」「閉ざされた青い空間」「衝動の粒子」「混沌と創造の幾何学」と、全てのアルバムに必ず一曲入っていて。
岸本「やっぱり日本人なので日本語は使いたいなと(笑)。でも海外に行ったときでも、そのまま日本語で通る曲があるっていいじゃないですか」
カワイ「最近は三人とも曲を作りますが、毎回暗黙の了解で二曲くらいはありますね」
── 特に人気のある「疾走する閃光」もそうですが、どれも曲とタイトルが絶妙ですよね。
岸本「英語でも日本語でも一緒ですが、曲のイメージそのままをタイトルにしています。『疾走する閃光』もスルッと出てきましたね」
── 日本語のタイトルもそうですが、カバー曲もですね。オアシスやビョーク、RADIOHEADなど、その世代にはたまらないカバーアルバムも出されていますよね。
岸本「やっぱり僕らのお客さんも同世代が多いということもありますが、自分たちが聴いてきた曲でもあるので、カバーするのは楽しいですね」
井上「オリジナルとはまた違った楽しみがありますね」
── 12月7日にbohemianvoodooとのスプリットミニアルバム「Color&Monochrome2」をリリースされ、来年1月25日には待望の5枚目のフルアルバムが発売されます。
岸本「そうですね。これまでのイメージとまた違ったfox capture planが聴けると思いますので、楽しみにしていただけたらと思います」
井上「少し間が空きましたが、面白いアルバムになったと思うので、是非聴いて欲しいですね」
カワイ「また来年もこうして神戸で演奏できる機会があれば嬉しいですね」
── 最後になりましたが、ご自身も大学生時代ジャズバンドで活動されていたという岸本さんに、現在ジャズをやっている学生さんたちにアドバイスをお願いします。
岸本「なんか恥ずかしいですね(笑)。そうですね、やっぱり自分らしさを大事にして欲しいなというところでしょうか。アンサンブルも大事だけど、自分らしさを曲げないぐらいがちょうどいい。やっぱりジャズなので、自由なところを大事にしてほしいなと思います」