音に携わる企業として、「地元の方々に気軽に良い音楽を楽しんでいただきたい」という趣旨で、1994年にスタートした富士通テン主催のチャリティーコンサート『KOBE MUSIC STATION』は、多くのジャズファンに愛され続け、昨年、総観客延人数1万人を突破いたしました。そして、事業所および販売拠点のある東海地区の皆様にも楽しんでいただけるように2008年に始まった『NAGOYA MUSIC STATION』も順調に回数を重ね、今回で5回目を迎えました。会場は東海地区のジャズファンならおなじみの『jazz inn LOVELY』。40年に渡り名古屋のジャズシーンを牽引してきた由緒あるステージに登場したのは、第1部が、2010年「神戸ジャズ･ヴォーカルクイーンコンテスト」で「富士通テン賞」を受賞した粟田 麻利子と杉丸太一トリオ。第2部は、名古屋を中心に活躍するドラマー・黒田和良率いるクインテット。開場前から外には演奏が楽しみで待ちきれないお客様で長蛇の列ができました。
少し緊張した面持ちでステージに登場した粟田さんは、1曲目「What a difference a day made」からアップテンポにスタート。気心知れた同世代メンバーとの息の合った演奏で、会場は一気に盛り上がります。2曲目「The nearness of you」は、昨年の「神戸ジャズボーカルクイーンコンテンスト」本選のステージでも歌った思い出深い曲。当時のことを思い出しながら1節1節 優しく歌い上げます。5曲目「Alive」は、プライベートな経験を下に、粟田さん自身が作曲したスローバラード。後半にすすむにつれ、次第に力強くなる歌声は、お客様に優しさと生きる希望を与えてくれます。 粟田さんの優しい歌声が会場を埋め尽くしたあっという間の45分間でした。
1.What a difference a day made 2.The nearness of you 3.Tell me a bedtime story 4.Love for sale 5.Alive 6.I wish you love 7.It might as well be spring
第1部とは対照的に激しいドラミングでスタートした黒田和良クインテット。 誰よりも早く会場入りし、自ら照明のセッティングを行う等、演奏だけでなく、演出にも強いこだわりを見せる黒田さんの「ジャズは万人が楽しめる音楽」という強い想いがカタチとなったステージ。美しい照明とドラマチックな演奏が一体となり、観客を魅了します。次の演奏前に入る前に、曲の聞き所を分かり易く伝えることで、お客様も安心して演奏に入り込む事ができ、どんどんアーティストと観客の距離が近づくのが分かります。 4曲目の「Better get hit in your soul」では、お客様が手拍子で演奏に参加し会場は最高潮に。最後の最後まで見ている方を飽きさせない圧巻のステージでした。
1.Far north 2.Prince albert 3.Ballard 4.Better get hit in your soul 5.Caravan
アーティストとしての私が伝えていきたいこと、お客様が私に求めることを自分の中でしっかり考えながら、一日一日ステップアップしていきたいと決意を新たにしました。みなさんにもっと私の演奏を聞いてもらえる機会を増やしていきたいと思います。
普段はスタンダードジャズだけでなく、若い世代の方にも分かってもらえるようなクラブジャズも演奏しています。このような機会を通じて、初めて私の演奏を聞いてくれる方が増え、また新しいリスナーとつながっていければ本当に素晴らしいなぁと思います。
ジャズは万人が楽しめる音楽だと思います。お客様に音楽を届ける側として、曲の構成、コンセプト、曲に込められた意味、ミュージシャンがどういうこだわりを持って演奏しているのか等 ジャズを初めての聞く方でも理解してもらえるよう、これからも演奏を通じて、分かり易く伝えていきたいと考えております。
