Denso Ten

Concert Report

SANOVA TOUR 2019 大阪編
2019年10月6日 大阪・心斎橋BRONZE

Report

フロアが沸き立つ、大盛況の大阪初ワンマン。

ピアニスト・堀江沙知さんのインストバンドプロジェクトSANOVA。2017年にメジャーデビューしたかと思うと、次々と新曲を披露し、既に4枚ものアルバムをリリース。和製ネオジャズという新ジャンルを確立し、感度の高いリスナーから圧倒的な支持を集めています。今年6月に開催された800人ワンマンライブは予約開始とともに1日で完売するほど。そんなSANOVAの大阪初ワンマンとあって、10月6日の心斎橋BRONZEで開催された「TOUR 2019 大阪編」も満員御礼。

SANOVAの生音を浴びたいと最後列までぎっしり詰まった観客の中、堀江さんとベースの山根幸洋さん、ドラムのショボンさんが颯爽と登場。「MITAMA」で幕が上がり、「和」を思わせるフレーズから疾走感あふれる美しいメロディで、一気に会場を沸かせます。続けて、9月にリリースされたばかりの4枚目のアルバム「ZIPANG」に収録されている「日出ル処」や「東海道メガロポリス」などの新曲を含む6曲を惜しげもなく披露。しっかりとリズムを支えるベースとドラムに、キラキラと降り注ぐピアノの音。3人の呼吸の合った掛け合いや体に感じる音圧、そして生き生きと演奏する姿。音源とはまた違ったSANOVAの魅力がライブにはあります。まさに都市を駆け抜けるようなピアノの速弾きがたまらない「東海道メガロポリス」を終えて、この日初めてのMC。「大阪初ワンマンです。とてもたくさん聴きに来てくださって嬉しいです」と堀江さん。

挨拶の後は、京の都に想いを馳せるような「勤王の志士へ告ぐ」。そして、幻想的に現代を描いた「青になりました」~横断歩道幻想曲~。日本人なら誰もが耳に馴染んだ青信号の音から始まり、故郷の空やとおりゃんせなど信号機で流れる童謡を取り入れたユニークな一曲。爽やかなイントロから一転してドラマチックに展開する様はライブで聴くとより一層痺れます。そして、儚くも美しいメロディの「華」から、目が覚めるような「up to you」へ。どの曲も彩り鮮やかでエモーショナル、sanovaの楽曲が「全曲アタリ」と言われるのも頷けます。

最近はライブより作曲が忙しいという堀江さん。タイアップが決まった曲や楽曲提供をしている「JAZZ-ON!」などを紹介した後は、ステージと観客が一体となってタオルを振って楽しめるライブならではの一曲「DEAR」。大阪初ワンマンとは思えない盛り上がりを見せ、圧巻の「no cord of the nord」で最高潮に達したところで、ステージは堀江さん一人に。「まさか自分がメジャーデビューすると思っていなくて、東京だけでなく、大阪でもこうやって楽しみに来てくださる方がたくさんいらっしゃって、本当にありがとうございます。曲がすごく好きって言ってくれる人のおかげで今があります。感謝を込めて」という言葉とともに「手紙」。
ニューアルバム「ZIPANG」の曲から始まり、だんだんと原点に戻るかのように最後は1stアルバムの「Graceful Day」「Cloud9」で締めくくるセットリストも心憎い。終演後も記念撮影やサイン会などのファンサービスで再び盛り上がり、まさに最初から最後まで大盛況!の大阪でした。

SANOVA TOUR 2019 大阪編 セットリスト

1.MITAMA
2.日出ル処
3.Damn it
4.不忍の忍者
5.覆面パトカー
6.東海道メガロポリス
7.勤王の志士へ告ぐ
8.「青になりました」~横断歩道幻想曲~
9.華
10.up to you
11.DEAR
12.no cord of the nord
13.手紙
14.Graceful Day
15.Cloud9