関西ジャズ協会と産経新聞社が主催する第8回なにわジャズ大賞 受賞記念コンサートが、6月14日（日）大阪・梅田のサンケイホールブリーゼで開催されました。
　なにわジャズ大賞は、夭折した関西の名ドラマー、故中山正治氏を偲んで設けられた中山正治ジャズ大賞を引き継ぎ、平成20年に創設されました。ジャズの普及と、プロ・アマのミュージシャンの育成、関西の文化発展をめざし、関西を中心に年間を通じて最も優れた演奏活動を行った、ミュージシャンを顕彰します。今年度のプロ部門はギターの橋本裕さん、アマチュア部門はアルトサックス・ヴォーカルの坂田雅枝さんが選ばれました。
　橋本さんはアメリカでアルバムを制作し、活躍の場を広げたこと、坂田さんはサックスとヴォーカルもこなす、積極的な活動が評価された受賞となりました。なお、同賞は、産経新聞社などが主催する、第52回なにわ芸術祭のジャズ部門の選考も兼ね、橋本さんには新人賞、坂田さんには新人奨励賞がそれぞれ贈られました。

　授賞式に先立ち、ゲストステージでは、昨年のなにわジャズ大賞受賞者の石川武司（プロ部門）、宗竹正浩（アマチュア部門）に田中ヒロシを加えたトリオ、さらに、世界最高平均年齢のジャズバンドとして、7月5日にギネス記録に認定された平均年齢82歳のゴールデン シニア トリオ、1960年代に一世を風靡したカンザスシティスタイルのビッグコンボのエイプリル フール ストンプなど、多彩なゲストが集結。今、最も旬なミュージシャンの晴れ舞台にふさわしい、新旧セレクションの熱いステージを披露しました。

　授賞式では、プロ部門の橋本裕さんのユーモアあふれるスピーチに、会場は笑いに包まれ、副賞として贈られたゴールドのトロフィーを手に「家宝にしたいです」と、喜びを表しました。アマチュア部門の坂田雅枝さんは「6年前にジャズの勉強を始め、ヴォーカルにも挑戦し、今のスタイルになりましたが、たくさんの方に応援していただき、この場所に立つことができました。ここから新たなスタートです」と、力強いコメントが聞かれました。

　授賞式後の受賞者ステージでは、アマチュア部門の坂田雅枝さんによるユニットMASAX!!!!!が登場。キレのあるサックス演奏とオリジナル曲を熱唱し、二刀流プレイヤーとしての実力を披露しました。プロ部門の橋本裕さんは、長年トリオを組む、橋本有津子（org）、東敏行（ds）を従え、本場アメリカで演奏経験を持つ迫力のギタープレイを見せ、受賞ステージにふさわしい演奏で満員の観客を魅了しました。そして、アンコールの声に応えて、二人のセッションによる感動のフィナーレでステージは幕を閉じました。