2002年に初のリーダー作「You Call This a Living」を自主制作でリリースしました。そして約4年半後の今年の1月、満を持してメジャーレーベルのConcord
Jazzより第2弾をリリースしました。どちらのアルバムも、Gordon Goodwin、Bill Liston、Tom Kubisを初めとする普段から一緒に仕事をしている仲間とのコラボレーションで、本当に雰囲気の良い作品に仕上がっています。今回は、この新作「Plays
Well with Others」をご紹介させていただきます。
3曲目の「Scheherazade」、ウエストコーストの人っていうのはスタン・ケントンのArtistry in Rhythmに代表されるけど、クラシカルな作品をジャズにアダプトするっていうのが結構あります。ウェインはリムスキー・コルサコフのシェヘラザードを持ってきました。ちょっと意表を突かれた気がしますが、実はいわゆるスタンダードといわれるものを書いた作曲家っていうのにはドイツ系やロシア系の移民の人が多いわけで、こうしたスラブ系のメロディを取り上げるのは実はアリなんですよね。
4曲目の「You Go To My Head」はいわゆるスタンダードのバラードです。ジャズでバラードっていうと、チェット・ベイカーがそうであったように、訥々と歌うっていうのも選択肢としてあるのですが、ウェインはオペラのアリアのように朗々と歌います。
7曲目の「High Clouds And A Good Chance Of Wayne」は、マイナーブルースです。久しぶりにライケンバックのバストロのソロを聴きました。あくまで個人的な印象ですが、LAのスタジオの人の音というのはあまりにもカラっとしてて、マイナーブルースでの音楽の陰影みたいなのが出にくい気がします。
9曲目の「You Hid What In The Sousaphone?」軽快なラテン・ビート。タイトルにはスーザフォンの文字がありますが、ビル・ライケンバックがチューバでソロ吹いてます。これは珍しいかも。(編者註:ミュージックストア・ジェイ・ピーの出版部門「ベル・ミュージック・プレス」より出版されています)
1. Endless Torture (Tortura Sin Fin) [ Wally Minko
]
2. Maynard&Waynard [ Gordon Goodwin ]
3. Scheherazade [ Nikolai-Rimsky-Korsakov / arr. Geoff Stradling ]
4. You Go To My Head [ J. Fred Coots and Haven Gillespie / arr. Tom Kubis ]
5. Georgia [ Hoagy Carmichael / arr. Bill Liston ]
6. Samba Brassiliero [ Geoff Stradling ]
7. High Clouds And A Good Chance Of Wayne [ Tom Kubis ]
8. Requiems [ Joey Sellers ]
9. You Hid What In The Sousaphone? [ Bill Liston ]
10. The Hipster [ Dan Higgins ]
Concord Jazz CCD-30032-2