ビッグバンドトーク
野々村 明 これまでに私が実際に見た、聴いたバンドについて順次紹介します。
古くは30年前に来日したベイシー、サド・メル、敏子・タバキン、
ギル・エバンスなども記憶をたよりにそのうち書きたいと思います。
ビッグバンドって
ビッグバンドはポピュラー音楽、特にジャズにおけるバンド形式の一つ。一般には大人数編成によるアンサンブル形態のバンド、あるいはこの形態で演奏されるジャズのジャンルのことを指す。前者はジャズ・オーケストラ、後者はビッグバンド・ジャズと表現をすることもある。アンサンブルの形態としては、高度なアレンジとソロパートの組み合わせにより演奏されるため、即興演奏を主とするジャズ・コンボとは対極を成すといえる。ジャズのジャンルとしては1930年代と1940年代に主流となっていたスウィング・ジャズと同義語とされることも多いが、近年ではビッグバンドの形式でスウィング・ジャズ以外(ビバップ、フュージョンなど)が演奏されることも多いため、現在では必ずしも同義語とは言えない。※出典: フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」
マリア・シュナイダー・オーケストラ バックナンバー

いきなり、時代の最先端のビッグバンドの紹介です。マリア・シュナイダーは80-90年代ギル・エバンス、ボブ・ブルックマイヤーから作編曲の指導を受けメル・ルイスやギル・エバンスのオーケストラなどにも作品を提供しています。1枚目のリーダーアルバム「EVANESCENCE」を聴いてこんな作品書いてる人ってどんな人やろとずっと思ってました。

1999年9月、月曜日。ニューヨークのジャズクラブ、ビレッジ・バンガードではバンガード・ジャズ・オーケストラ、バードランドではマリア・シュナイダー・オーケストラが出演しており、もう生で聴く機会もないであろうからと、結局1setずつはしごをしてしまったのですが。その後、IAJE(国際ジャズ教育協会)カンファレンスに行く機会に恵まれNY大会の2001年、2004年、2006年と演奏を聴く事ができました。

2006年1月は5枚目のアルバム「Concert in the Garden」*からの曲が主に演奏されました。編成は通常のビッグ・バンド。曲によってアコーディオンとボイスが入りサックスの持替にオーボエもありでサウンドは緻密でカラフル。時にクラシックオーケストラのよう。メロディアスで繊細。ジャズとバロックと民族音楽が混ざったような独特の音空間。マリアの優雅な指揮がバンドを操ります。叙情的なメロディはきっと琴線にふれます。ドラムは小曽根真「The Trio」で有名なClarence Penn、ついつい気になるトランペットセクションは、Tony Kadleckのリードトランペット、Greg Gisbert,Ingrid Jensenの素晴らしいソロとバンドとしても最高でした。

ビッグバンドという伝統的なフォーマットでありながらジャズの概念をもくつがえす彼女の作品にはこれからも要注意。
次回はこれぞLAのビッグバンドGORDON GOODWIN'S BIG PHAT BANDを紹介します。



Concert in the Garden
2004年1万枚限定制作のCD、そして本人のサイトからジャケットも含めダウンロードするという自主流通盤。一般のCD店で販売していないのにも関わらず、ネット配信で初のグラミー賞受賞の快挙を果たした作品。
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