レッツスタート!Chapter.1
呼吸法講座編「Brass Breath」
管楽器演奏の呼吸法には、いろんなアプローチがあります。実際の演奏状態に近いものから、身体づくりを目的とした基礎的なものまで。非常に複雑かつメカニカルな方法もあれば、シンプルで奥深いものもあります。
本連載は、主にブラス奏者を対象とした、シンプルな基礎的呼吸法をご紹介したいと思います。まじめに取り組めば、おもしろいように身体が変わっていくのを感じられることでしょう。金管楽器を主としておりますが、木管やリズム奏者が取り組んでも役立つ内容です。
MOT[モット]折返点遅延呼吸法 バックナンバー
かなり強力な呼吸法です。力んでやると逆効果ですので、かならず外柔芯剛のトレーニングをして、とろ~んとした質感の身体を作ってから取り組んでください。
MOTは折返点に「遅延」という操作を加えます。折返点が来るかなと思った時点からさらに「もっと」息を吸ったり吐いたりして、実際の折返点が遅れて訪れるわけです。
呼吸はニーノです。まず、
そして、
大切なのは、力まないこと。力づくでやると筋肉を傷めたり、気分が悪くなりますので、注意深くおおらかな心身で行なってください。
「4秒で吸い切るつもりで」仮折返点、そこからさらに2秒吸い本折返点(すは点)、そこから「4秒で吐き切るつもりで」仮折返点、そこからさらに2秒吐いて本折返点(はす点)を繰り返します。
5秒で仮折返点、そこからさらに3秒で本折返点の呼吸を、なめらかに続けられるようになるのが、当面の目標です。
吸い続ける間および吐き続ける間は、空気の流量および息の速度が一定になるよう心がけてください。
次回は、これも初公開のPWIT(プイット=折返点漸離呼吸法)です。より深く吸い、より豊かに吐ける身体をつくる方法です。
著者Profile
水行末(すいぎょうまつ)
ハイノート講座「タングマジック」プロデューサー。「まま呼息の発見」「楽呼吸法 ~インナー・ウォームアップの方法~」「ウォーター&ブレス」など呼吸法関連の論文多数。雑誌「楽器族。ブラストライブ」では「音楽家のためのメディテーション "ねこ気功" 入門」を連載中。合奏音楽のための国際音楽プロダクション「ワールド・プロジェクト・ジャパン」代表。
http://www.wpjapan.com/
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